2020/09/30
お城にゆかりの御城印・御朱印・武将印・御城印帳 【近畿編】国宝・世界遺産の城と織田信長に敗れた武将ゆかりの御城印
近年、登城の記念となる「御城印」が注目を集めています。多数の書籍が刊行されたり、テレビなどでも取り上げられたりすることもしばしば。どのような特徴の「御城印」が、どこで購入できるのかなど、一城ずつ城びと編集部が丁寧にご紹介! 今回は【近畿編】。国宝天守を構える姫路城・彦根城や、豊臣家と徳川家が争った大坂(阪)城など知名度抜群の城が多い近畿地方には、どのような御城印があるのでしょうか…!?
御城印って? 近畿地方ではどこのお城が出しているの? その特徴は?
近畿地方の御城印の一部
「御城印」とは、 半紙(和紙)に城名やゆかりある城主の家紋や花押などの印を押したもの。お寺や神社でいただける御朱印を参考にして作られ始めて、今では多くのお城で登城の記念として頒布されています。「御城印」以外にも、「登閣記念印章」「登城記念御朱印」「城郭符」「御城朱印」など、呼び方は城によってさまざまです(本記事では「御城印」で統一します)。
織田信長と争った武将ゆかりの城の御城印が名を連ねる近畿地方。浅井長政、松永久秀、佐々木六角氏などそうそうたる面々! さらに、姫路城や彦根城、明石城など徳川時代を象徴する名城の御城印が多いのも特徴です。どんなお城のどんな御城印があるのか、見ていきましょう!※掲載内容は、令和6年(2024)4月15日現在の情報です。掲載以外でも御城印を領布しているお城をご存知でしたら、編集部までご連絡ください。(城郭名は、100名城、続100名城に続き、北から南、もしくは東から西の順に掲載。掲載の許可を得られなかったお城の御城印はご紹介しておりませんので、ご了承ください)
小谷城/彦根城/八幡山城/長浜城/京極氏館/上平寺城/弥高寺/長比城/八講師城/佐和山城/三雲城/水口岡山城(春の陣追記)/水口城/土山城/和田城/小川城/大津城
<京都府>
二条城(令和6年能登半島地震災害復興祈念版追記)/勝龍寺城/須知城/山家城/埴生城
<大阪府>
大阪城(乾櫓版追記)/飯盛城/池田城
<兵庫県>
竹田城/姫路城/明石城/洲本城
<奈良県>
高取城/大和郡山城/信貴山城
<和歌山県>
和歌山城/虎伏城(和歌山城)/新宮城/猿岡山城(猿岡城)/岩倉城/湯浅城/霜山城/長薮(藪)城/銭坂城
【近畿地方の御城印】
<滋賀県>
■戦国時代屈指の堅城「小谷城」
日本100名城の一つ小谷城の御城印は、 浅井氏の家紋「三つ盛亀甲」に花菱があしらわれています。
収益の一部は小谷城跡環境整備等の協力金に充てられます。
▼小谷城に関する記事はこちら
■井伊家の居城にして国宝天守「彦根城」
井伊の赤備えにちなんだ朱い紙が目を引きます! 井伊家の歴代当主が冠する「直」の字もかっこいい!
彦根城(滋賀県彦根市)
領布場所:彦根城
価格:300円
彦根城では休城期間限定の「御籠城印」を頒布。頒布元である国宝・彦根城運営管理センターの松岡様からいただいた籠城中のお城ファンへ向けたメッセージとともにご紹介いたします。
「現在(4/28)、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、5/31(日)まで彦根城公開を中止させていただいております。外出自粛にご協力いただいている皆様への感謝と労い、事態の一日も早い終息と、皆様とご家族の健康を祈念し、入城記念符(御城印)を「御籠城印」として、通信販売のみで恐縮ですが、ご用意させていただきました。皆様が元気に、笑顔でお越しいただけるまで、日々しっかりと国宝の維持管理に努めて参ります。どうかご自愛ください。」
また、令和2年(2020)9月に開催された「出張!お城EXPO in 滋賀・びわ湖」にあわせて、彦根城初の夜間公開が行われています。夜間公開期間に訪城した人限定で、特別御城印が頒布されています。
夜間公開日は、9月19日(土) ・9月20日(日) ・9月21日(祝)・ 9月26日(土)10月3日(土)・10月10日(土)。詳しくは国宝・彦根城運営管理センターのHP(https://www.knt-ks.co.jp/ec/2020/hikone/)をご覧ください。
▼彦根城に関する記事はこちら
■今も壮大な雰囲気が漂う総石垣造の山城「八幡山城」
中央及び右上の紋は、初代城主・豊臣秀次の家紋「福島沢瀉(ふくしまおもだか)」。
左上と左下には秀次の菩提寺である瑞龍寺の紋と印が配置されています。
八幡山城(滋賀県近江八幡市)
領布場所:本山村雲御所瑞龍寺門跡の御朱印所
価格:300円(税込)
▼八幡山城に関する記事はこちら
■秀吉の出世城「長浜城」
小谷城攻めの戦功で城持ち大名となった羽柴秀吉が、初めて築いたのが長浜城です。秀吉はこの城から北陸や中国攻めに出陣しました。
御城印は通常版(左)と限定版(右)の2種類で、限定版はなくなり次第頒布終了。
ともに城郭名は、長浜城歴史博物館所蔵の「羽柴秀吉書状」からの書き起こしです。「羽柴秀吉書状」とは、賤ヶ岳合戦の直前となる天正11年(1583)4月4日、長浜城にいた羽柴秀吉が合戦の前哨戦の様子を伝えた文書。宛名は切断されているため不明ですが、兵を率いて来援し、長浜城の留守を預かるように命じています。
通常版は、城郭名のほかに、秀吉の家紋「五七桐」や花押、朱印もデザイン。奉書紙使用。
限定版は、企画展「姉川合戦450周年記念 信長苦戦す!元亀争乱と湖北」(令和3年(2021)1月23日~3月7日)の開催記念として作成されました。家紋、花押に加えて、長浜城の外観(天守閣)が透かし彫り風に加工されています。
長浜城(滋賀県長浜市)
領布場所:長浜城歴史博物館ミュージアムショップ
価格:通常版300円(税込)、限定版700円(税込)
※通常版は、通信販売も対応中。詳しくは長浜城歴史博物館HP(https://www.city.nagahama.lg.jp/section/rekihaku/)をご覧ください。
※限定版は、なくなり次第頒布終了。
▼長浜城に関する記事はこちら
■北近江の戦国大名・京極氏の居館「京極氏館」
北近江の戦国大名・京極高清の家紋「平四ツ目結」と、館跡がある米原市上平寺地区の地名を配置。手書きの御城印です!
京極氏館(滋賀県米原市)
領布場所:米原市伊吹山文化資料館
価格:300円(税込)
■京極氏館の“詰の城”「上平寺城」
築城主である京極高清の家紋「平四ツ目結」と、織田信長の近江侵攻に備え改修した浅井長政の家紋「三つ盛亀甲に花菱」を配置。手書きの御城印です!
上平寺城(滋賀県米原市)
領布場所:米原市伊吹山文化資料館
価格:300円(税込)
▼上平寺城に関する記事はこちら
■京極氏・浅井氏により城郭的施設が加えられた軍事的要素の濃い山寺「弥高寺(やたかじ)」
奈良時代創建の山寺。本尊とする大日如来(金剛界・胎蔵界)を表す梵字に加え、戦国時代、ここに陣を張った京極家の家紋「平四ツ目結」を配置。手書きの御城印です!
弥高寺(滋賀県米原市)
領布場所:米原市伊吹山文化資料館
価格:300円(税込)
▼弥高寺に関する記事はこちら
■中山道を押さえる近江と美濃の国境の城「長比(たけくらべ)城」
織田信長の近江侵攻に備えて浅井長政が改修したものの、竹中半兵衛の調略により戦わずして開城させられた長比城。織田家の家紋「織田木瓜」と竹中家の「笹の丸」を配置。手書きの御城印です!
長比城(滋賀県米原市)
領布場所:米原市伊吹山文化資料館
価格:300円(税込)
■5方向の尾根すべてに曲輪が配置された連郭式縄張構造の「八講師城」
戦国末期に改修された巨大城館で、戦国京極家の最後の拠点だった八講師城。京極家の家紋「平四ツ目結」と、城主であったと伝わる重臣・多賀家の家紋「酢漿草(かたばみ)」を配置。手書きの御城印です!
■地元の人々が復元した巨大バルーン天守で有名に!「水口岡山城」
<大阪府>
八講師城(滋賀県米原市)
領布場所:米原市伊吹山文化資料館
価格:300円(税込)
■石田三成の居城「佐和山城」
城主が目まぐるしく変わるも、石田三成が居城としたときには5層の天守など最大規模となった佐和山城。御城印の文字は、路上詩人こーた氏によるもの。三成が使った旗印「大一大万大吉」が全体的に大きくデザインされています。
さらに、佐和山城本丸跡(佐和山頂上)にあるQRコードをスマートフォン等で読み取ってアンケートに回答すると、三成の花押を模したスタンプ入りの御城印を購入できます。
佐和山城(滋賀県彦根市)
領布場所:彦根市観光案内所
価格:各300円(税込)
▼佐和山城に関する記事はこちら
■佐々木六角氏の亡命拠点で猿飛佐助のふるさと?「三雲城」
左上に佐々木六角氏の家紋「隅立て四ツ目結」、右下に三雲氏の「軍配団扇に一文字」を配置。真田十勇士の一人・猿飛佐助のモデルとされる武士が育ったといわれているため、紫色で佐助のシルエットがデザインされています。奉書紙使用。
また、城址内には絶妙なバランスで立つ巨岩「八丈岩」があり、「落ちそうで落ちない」という姿にあやかり受験生の合格祈願岩となっています。その八丈岩の“御岩印”も頒布中!左下には金色の八丈岩をデザイン。
三雲城(滋賀県湖南市)
領布場所:長谷商店、(土・日・祭日のみ)旧青少年自然道場(三雲城址展示場)
価格:各300円(税込)
▼三雲城に関する記事はこちら
■地元の人々が復元した巨大バルーン天守で有名に!「水口岡山城」
通常版(墨色)と、巨大バルーン城が出現するイベント時のみに販売される限定版(白色)の2種類。
通常版、限定版ともに、上から初代城主・中村一氏の「立ち沢瀉 」、第2代城主・増田長盛の「升」、第3代城主・長束正家の「花菱」と、歴代城主の家紋が配置されています。
さらに、本丸東櫓台跡より出土した鬼瓦の文様から作られた蝶揚羽蝶文鬼瓦スタンプも押印。
長束の子孫である花輪竹峯(はなわちくほう)氏による揮毫です。
限定盤右下にあるのは、ランドマークとしての魅力発信を目的にバルーンで作られたお城のシルエット。
水口岡山城(滋賀県甲賀市)
領布場所:【通常版】甲賀市ひと・まち街道交流館
【限定版】バルーン城出現時。不定期販売
価格:各300円(税込)
▶令和4年(2022)2月26日(土)~ 5月 8日(日)の期間限定で、「春の陣(春季限定)」が登場です! 春めいた台紙に歴代城主の家紋も色を変えてデザインされています。領布場所:甲賀市ひとまち街道交流館、価格:300円(税込)、頒布元:一般社団法人水口岡山城の会
■賤ヶ岳の七本槍の一人、加藤嘉明が藩祖「水口城」
三代将軍家光の上洛に先立ち、宿館として築城された水口城。
その成り立ちにちなみ、御城印には水口藩主・加藤家の家紋「下り藤」のほかに、徳川家家紋「徳川葵」も配置されています。
ひと際目を惹く十字形洋剣は、国内で唯一伝世したものと考えられている水口レイピア。
加藤家の祖である戦国大名加藤嘉明を祀っている藤栄神社の社宝です。
「水口城」「年月日」の文字は、代々藩医を務めた巖谷家血筋にして明治三筆の一人である巖谷一六の書から抽出。
水口城(滋賀県甲賀市)
領布場所:甲賀市ひと・まち街道交流館、水口城資料館
価格:300円(税込)
■小牧長久手の戦いで秀吉の本陣となった「土山城」
文明年間(1469~87)に土山盛忠が築いたとされる土山城。天正年間(1573~92)に、滝川一益に攻め落とされたといわれます。小牧長久手の戦いにおいて、伊勢から尾張に向かった秀吉が廃城となっていた土山城を本陣とするため防御を強くして利用し、現在残されているような城になりました。
御城印は、土山城跡概要図(福永清治作図)を引用した縄張図を全面にデザイン。揮毫は土山家14代目当主・土山喜左衛門(土山基 氏)によるもので、江戸時代から続く甲賀市の名産品「土山茶」をイメージした緑色になっています。土山家の家紋「丸に揚羽蝶(かわり揚羽蝶)」と花押印、落款印を配置。
領布場所:東海道伝馬館、民芸・茶房 うかい屋
頒布元:一般社団法人甲賀市観光まちづくり協会
価格:300円(税込)
※令和4年(2022)3月1日頒布開始
▼土山城に関する記事はこちら
日本100名城、続日本100名城に負けない名城 第13回 土山城跡(つちやまじょうあと)[滋賀県甲賀市]
■後の足利義昭を匿った和田惟政の拠点「和田城」
戦国時代、和田惟政(これまさ)を中心とする和田氏が拠点とした和田城。周辺には幾つもの支城跡があり、主郭は方形四方土塁の甲賀型城郭をなし、一辺50mで高さ約7mの土塁に囲まれています。惟政は永禄8年(1565)、大和興福寺にいた一乗院覚慶(後の足利義昭)を脱出させて自らの屋敷に匿い、義昭上洛の折には甲賀武士らに織田信長へ忠誠を尽くすよう説得する重要な役目を果たしました。
御城印には、和田氏の家紋「丸に横木瓜の内左巴 裏菊 輪紋」をデザイン。城跡の写真をプリントしたバージョンもあります。
和田城(滋賀県甲賀市)
頒布場所:山星商会
価格:2種類1セット600円(税込)※セット販売のみ
▲小川城・比自山城・和田城の御城印をつなげると「神君伊賀越え」ルートが完成する期間限定の御城印も発売中! 詳しくは「【イベント等で頒布される御城印】期間限定の御城印も!?ちょっとレアな特別版」をチェック!
■「神君伊賀越え」で徳川家康を救った多羅尾光俊の居城「小川城」
天正2年(1574)頃には信楽地方を治めた多羅尾氏が居城としていた小川城。天正10年(1582)に本能寺の変が起きた際、徳川家康が堺から三河へと少ない手勢での帰還を試みた「神君伊賀越え」で、小川城城主・ 多羅尾光俊に助けられ、家康は無事に白子浜まで逃げのびたといわれています。
小川城跡は、滋賀県甲賀市信楽町の中手川を西北に、東に大戸川に挟まれた山の山頂にあり、曲輪跡、土塁跡、虎口跡など、幾つもの遺構が見られます。
御城印は、多羅尾氏の家紋「抱き牡丹」を配置した「多羅尾光俊版」(画像左)と、徳川氏の「葵紋」が入ったデザイン「神君伊賀越え版」(画像右)の2種類です。
小川城(滋賀県甲賀市)
領布場所:山田牧場のーふ
価格:2種類1セット600円(税込)※セット販売のみ
▲小川城・比自山城・和田城の御城印をつなげると「神君伊賀越え」ルートが完成する期間限定の御城印も発売中! 詳しくは「【イベント等で頒布される御城印】期間限定の御城印も!?ちょっとレアな特別版」をチェック!
■関ヶ原の戦いに影響を与えた壮絶な籠城戦の舞台「大津城」
天正14年(1586)から15年頃に築城されたと伝わる大津城。本丸が琵琶湖に面し、湖に浮かぶように見えた水城とも考えられています。関ヶ原の戦いでは、城主の京極高次が東軍についたことから毛利元康を大将とする西軍に包囲され、壮絶な籠城戦の末に城は陥落。しかし、西軍の進軍をふさいだことで戦局に大きな影響を及ぼしました。
御城印には京極氏の家紋「四つ目紋」を配置。さらに「壮絶な籠城戦版」には、毛利氏の家紋「一文字に三星紋」と、籠城戦で西軍に加勢した立花宗茂の家紋「杏葉紋」もデザインされています。
大津城(滋賀県大津市)
頒布場所:びわ湖大津プリンスホテル コンビニエンスショップ
価格:2種類1セット600円(税込)※セット販売のみ
<京都府>
■世界遺産の「二条城」
「世界文化遺産」と書かれた御城印は「入城記念符」として販売されています。本丸御殿の障壁画をモチーフにした御朱印帳もあわせて頂きたいところ!
二条城(京都府京都市)
領布場所:二条城
価格:300円(税込)
▶令和6年(2024)2月22日(木)から、令和6年能登半島地震災害復興祈念 二条城入城記念符が発売。売上の全額は能登地震災害における復興義援金として日本赤十字社を通じて寄付されます。1枚300円で限定5000枚。二条城大休憩所内売店にて販売。 ※売切れ次第販売終了。販売状況は二条城売店(TEL:075-812-0128)へお問合せください。
▼二条城に関する記事はこちら
■細川忠興と明智光秀の娘・玉(ガラシャ)が新婚生活を送った「勝龍寺城」
通常版(左)と限定版(右)の2種類を頒布。
通常版の文字は勝龍寺住職によるもので、限定版は『細川藤孝書状』から城主・細川藤孝の文字および花押を写したもの。
限定版の御城印には、『細川藤孝書状』の解説と読み下し文が同封されています。
通常版・限定版ともに、中央に配置されているのは細川家の家紋「九曜」。
勝龍寺城(京都府長岡京市)
領布場所:長岡京市観光情報センター、長岡京市観光案内所、長岡京@Navi、神足ふれあい町家
価格:各300円(税込)
※限定版は毎月第2日曜日のみ販売。
◆元亀2年(1571)に細川藤孝(幽斎)が織田信長の命で勝龍寺城改修に着手してから、今年(令和3年(2021))で450年目。それを記念し、築城 450 年限定版が3月20日から12月末までの期間限定で頒布されます! 左下にデザインされているのは、発掘調査で出土した2種類の瓦。上の丸い瓦(軒丸瓦)は、明智光秀が築城した坂本城(滋賀県大津市)と同じ型を使った瓦(同笵瓦)です。下の平たい瓦(軒平瓦)は信長の居所であった本能寺跡(京都府京都市)から出土した瓦と同じ系統の瓦。歴史的つながりを形にした御城印ですね!
領布場所:長岡京市観光情報センター、長岡京市観光案内所、長岡京@Navi、神足ふれあい町家
価格: 300円(税込)
※発売日の3月20日は勝竜寺城公園内でも販売予定。
▼勝龍寺城に関する記事はこちら
■明智光秀の丹波侵攻拠点の一つ「須知(しゅうち)城」
南北朝時代、須知景光により築城された須知(しゅうち)城。明智光秀による丹波平定の際に落城するも、その後明智氏により再建され、丹波侵攻の拠点の一つとされました。御城印は、須知家の家紋「丸に対(むか)い嘴合(はしあ)い雁金」をデザインしたもの。
須知城(京都府船井郡)
領布場所:京丹波町観光協会の窓口
価格:300円(税込)
▼須知城に関する記事はこちら
■明智光秀の丹波攻略で落とされた「山家城(やまがじょう)」
京都府綾部市の山家地区にある甲ヶ峯山に築かれた山家城(やまがじょう)。別名、甲ケ峯城跡とも言い、和久左衛門佐が居城にしたと伝わっています。明智光秀の丹波攻略の際、和久左衛門佐は山家城を破却することを条件に降服を許されましたが、城域内にあった寺を理由に約束を守らず、光秀に攻め落とされました。
御城印の左上には、丹波国山家地方を領有していた山家藩の家紋「揚羽蝶」を配置。山家陣屋の模擬陣屋門の印を大きくデザイン。
山家城(京都府綾部市)
領布場所:綾部観光案内所、山家地区公民館
頒布元:一般社団法人 森の京都地域振興社
価格:300円(税込)
▼2021年10月1日から、綾部市の伝統産業で京都府無形文化財である黒谷和紙を使った御城印を5000枚限定で発売! 黒谷和紙は良質な楮(こうぞ)を使い、手すきで作られています。領布場所:部観光案内所、あやべ特産館、山家地区公民館、山家ふれあいの駅。価格:700円(税込)。
■神尾山城の支城「埴生(はぶ)城」
室町時代中期に野々口氏の居城として築城されたと伝わる埴生城。戦国時代の城主・野々口西蔵坊(清親)の頃には神尾山城の支城となっていましたが、天正17年(1589)に明智光秀の丹波攻めで陥落し廃城。その後、この地に建立された最福寺の山門として城門が移築されました。
御城印には、野々口氏の家紋「丸に三つ引両」を金でデザイン。さらに、尾根を削平して造られた主郭のイラストも描かれています。
埴生城(京都府南丹市)
領布場所:ふるさと丹波路、さか栄、ル ジャルダンポップ、園部文化観光協会
頒布元:森の京都DMO
価格:300円(税込)
<大阪府>
■シンボルとなった太閤さんの城「大阪城」
押し印のみのシンプルな御城印。御朱印帳などを持参して、自分で押しましょう。
大阪城(大阪府大阪市)
領布場所:大阪城天守閣2階事務所
価格:無料
▶令和6年4月27日(土)~5月6日(月・祝)の多聞櫓・千貫櫓・乾櫓3棟の特別公開及び、5月7日(火)~5月19日(日)の乾櫓の限定公開中、入場者全員に乾櫓にちなんだ「特別記念符」を贈呈(一人1枚)。
▼大阪城に関する記事はこちら
■織田信長に先駆けて天下人となった三好長慶の居城「飯盛城」
令和2年度の大河ドラマにも登場した三好長慶の居城、飯盛城。越前和紙を使用した御城印は、山城をイメージさせる美しいウグイス色で、緑豊かな大東市の特徴も表しています。中央上部には三好氏の家紋「三階菱に五つ釘抜き」を配置。左下にあるのは長慶が掲げたスローガン「理世安民」。世に道理を広めて民を安らげるという意味です。
また、御城印が入っている袋には、甲冑画家・和田左衛門太郎氏による三好長慶のイラストが描かれています。細部まで描き込まれた甲冑は必見!
飯盛城(大阪府大東市)
領布場所:歴史民俗資料館、キャンピィだいとう
価格:300円(税込)
※令和2年(2020)8月10日より頒布開始
▼飯盛城に関する記事はこちら
■池田市一帯を支配していた地方豪族・池田氏の居城「池田城 」
御城印には珍しいイラスト風の動物は、ウォンバット。池田市の五月山動物園では日本一多くのウォンバットが飼育されているそうです。また、池田城跡公園では6月に白百合がきれいに咲くことから、中央には白百合がデザインされています。
池田城 (大阪府池田市)
領布場所:池田城跡公園売店
価格:100円(税込)
<兵庫県>
■幻想的な「天空の城」として有名な「竹田城」
竹田城を築いた山名氏の家紋「桐に笹」版(上部左)、最後の城主・赤松氏の「二つ引きに左三つ巴」版(上部右)、そして両家の家紋が描かれた「山名・赤松氏家紋」版(下)の3種類があります。
竹田城(兵庫県朝来市)
領布場所:竹田城跡料金収受棟、情報館「天空の城」
価格:各300円(税込)、山名氏版・赤松氏版の2枚セット500円(税込)、3枚セット700円(税込)
令和2年(2020)10月1日~令和3年(2021)1月1日までの期間限定で、雲海バージョンの御城印が頒布されています。雲海に浮かぶ美しい竹田城の写真は朝来市在住の写真家・吉田利栄氏によるもの。吉田氏は「雲海の城・竹田城」を有名にした立役者で、御城印に使われている写真は、立雲峡から撮影された渾身の一枚だそう。左上には竹田城を築いた山名氏の「桐に笹」、右下には最後の城主・赤松氏の「二つ引きに左三つ巴」の家紋を配置。3,000枚限定。
領布場所:山城の郷、立雲峡収受棟、和雑貨「海砂利水魚」
価格:400円
この雲海版御城印のデザインを使ったオリジナルトートバッグが200個限定で発売中!
詳細は朝来市観光協会和田山支部のHP(http://wadayama.jp/topics/9360)をご覧ください。
▼竹田城に関する記事はこちら
■世界遺産 天守群が美しい「姫路城」
満を持して、令和2年(2020)2月1日~2月29日の期間限定で姫路城から御城印が登場!
書かれているすべての文字と落款(らっかん)印は、藩主・酒井忠以(さかいただざね)のもの。中央には、酒井家家紋の剣酢漿草。周囲には、特産品の高砂染めの模様をデザイン。
◆1カ月間だけの販売でしたが、あまりの反響の大きさに、令和2年(2020)9月1日~9月30日の期間限定で再び頒布されました。
デザインは2月版とほぼ同じですが、家紋は、姫路市が大名行列の衣装を復刻する際に参考にした絵巻で使用されている家紋をモチーフにしたものに変更されています。
2月版と9月版
領布場所:―
価格:―
◆令和2年(2020)10月30日~11月8日に開催された姫路城の夜間展示イベント「himeji castle ninja night 2020」にてイベント限定バージョンの御城印が販売されました。入城者限定で、お1人様1枚限りで1枚300円(税込)。1日500枚ずつの数量限定。イメージ画像はこちら!
◆令和3年(2021)2月1日から新デザイン登場!令和2年版のモチーフは酒井家でしたが、令和3年版は本多家にバトンタッチ。家紋は、本多家の「丸に立ち葵」と、本多忠刻に輿入れした徳川秀忠とお江与の方の娘・千姫にちなんで徳川家の「三つ葉葵」を配置。「丸に立ち葵」は姫路城に残る瓦から、「三つ葉葵」は千姫が神社に奉納した羽子板にあったものからデザインされています。城郭名は、本多家の墓所がある書寫山(しょしゃざん)圓教寺の大樹孝啓(おおきこうけい)住職の揮毫。
領布場所:姫路城売店(姫路城出改札横)
価格:300円(税込)
※令和3年(2021)2月1日~7月31日までの期間限定販売。
また、姫路城の御城印帳が、ふるさと納税限定御城印つきで兵庫県姫路市「ふるさとひめじ応援寄附金」の返礼品になりました。詳しくは「ふるさとひめじ応援寄附金」のHP(http://www.citydo.com/furusato/official/hyogo/himeji/items/item564.html)をご覧ください。
さらに令和3年(2021)2月1日から一般発売も開始。播磨を一大産地とした藍染「かちん染め」の色合いをモチーフにした通常版(画像左)と、姫路市特産「姫革細工」のカバー付き版(画像右)の2種類です。詳しくは姫路城のHP(https://www.city.himeji.lg.jp/castle/)をご覧ください。
▼姫路城に関する記事はこちら
■黒田官兵衛の躍進となった拠点「姫路城」
豊臣秀吉の軍師として活躍した黒田官兵衛の生誕地であり、官兵衛自身も城主を務めた姫路城。戦国武将として成長した官兵衛は秀吉に姫路城を譲り、その後国府山城(兵庫県姫路市)へ移りました。
御城印には、黒田家の家紋「藤巴紋」と、書道家が『黒田家譜』から崩し文字を探して模倣した「姫路城」の文字をデザイン。 また、官兵衛以前の姫路城の地に赤松貞範が城を構えていたことから、赤松家の家紋「二つ引に左三つ巴紋」を配置したバージョンも。
姫路城(兵庫県姫路市)
頒布場所:姫路城内 西の丸茶店
価格:300円(税込)
■現存三重櫓12基のうちの2基を擁する城「明石城」
築城主は、織田信長と徳川家康の曾孫に当たる小笠原忠政。信州松本より明石に移封後、幕府等の協力のもと、明石城を築城しました。坤(ひつじさる)櫓と巽(たつみ)櫓は、日本に現存する12基の三重櫓のうちの2基で、国の重要文化財に指定されています。
御城印の城郭名は、忠政直筆の「小笠原忠政寄進状」にある「明石城」の文字を転載したもの。小笠原家の家紋「三階菱」(上)と、長く藩主を務めた越前松平家の家紋「三つ葉葵」(下)を配置しています。
御城印が入っている袋の裏面のキャラクターは、講談師や絵本作家など多彩な肩書をもつ兵庫県職員のちんげんさいこと川東丈純氏より寄贈されたもの。
明石城(兵庫県明石市)
領布場所:明石公園サービスセンター受付窓口
価格:300円(税込)
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■上の城と下の城をつなげた「登石垣」がすごい!「洲本城」
淡路水軍を率いた安宅(あたぎ)氏によって16世紀に築かれたとされる洲本城。
令和元年(2019)に国の史跡指定20年目を迎え、その記念として御城印の販売が開始されました。
はがきサイズで風景写真入り・無しの2種類あり、どちらにも「淡路水軍の城 洲本城」などと印刷されています。
配されている家紋は、お城を総石垣に改修した城主である脇坂安治の家紋「輪違い」です。
洲本城(兵庫県洲本市)
領布場所:洲本市立淡路文化史料館(洲本城「下の城」内)
価格:各200円(税込)
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萩原さちこの城さんぽ ~日本100名城・続日本100名城編~ 第15回 洲本城 水軍の将が築いた、「登り石垣」が残る絶景の城
【兵庫県のお城】戦から平和へ!西国に睨みを利かせる徳川譜代の城!
<奈良県>
■高石垣が見事な近世山城「高取城」
奈良県初の御城印は、藩主の植村家の家紋「丸に一文字割桔梗」がデザインされています。平成30年(2018)11月から領布開始。
高取城(奈良県高取町)
領布場所:高取町観光案内所「夢創舘」
価格:300円(税込)
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■お地蔵様や羅生門の礎石が石垣に使われている!?「大和郡山城」
来訪記念証と呼ばれている大和郡山城の御城印。郡山藩最後の藩主柳澤家の家紋である「花菱」を配置しています。
大和郡山城(奈良県大和郡山市)
領布場所:柳沢文庫受付
販売価格:300円(税込)
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■信長に謀反を起こした松永久秀が立てこもった堅牢な山城「信貴山城」
信長の石上本願寺攻めに出陣中だった松永久秀が、突如戦線離脱して反旗を翻し、立てこもって最期を遂げた居城。
御城印は和紙風の用紙に、松永家の家紋「蔦」を中央に配置。
信貴山城(奈良県生駒郡)
領布場所:信貴山観光iセンター
価格:300円(税込)
<和歌山県>
■さまざまな工法の石垣が残る紀伊徳川家の城「和歌山城」
徳川家康の10男である徳川頼宣が55万5千石を拝領して入国し、紀州徳川家が成立しました。御城印中央に大きく配置されているのは、紀州徳川家伝来の金印「獅子紐印(ししちゅういん)」に8つある印影のうちの一つ「南海之鎮(なんかいのしずめ)」で、11代藩主徳川斉順の書で使用されています。御城印の用紙として、「しこくてんれい」という和紙調の特殊紙を使用。
通常版とは別に、月ごとの特別版御城印も頒布されています。
和歌山城(和歌山県和歌山市)
領布場所:和歌山城天守閣券売所
価格:各300円(税込)
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■和歌山城の別名「虎伏城」
「虎伏城」は和歌山城の別名です。戦国時代の築城の名手と名高い藤堂高虎が初めて手掛けた近世城郭ということで、中央上に兜、左上に旗印である「三つ餅」、右下に花押、そして築城名手・高虎の象徴として高石垣がデザインされています。中央は、家紋「藤堂蔦」。
虎伏城(和歌山城)(和歌山県和歌山市)
領布場所:和歌山城お天守茶屋
頒布元:紀州戦国屋
価格:300円(税込)
■浅野忠吉によって築かれた「新宮城」
和歌山県初の御城印。発売した令和元年(2019)が水野家入部400年ということで、「水野家入部400年」の記念印が入っています。
あしらわれている家紋は、歴代の城主、浅野家の「丸に立ち沢潟」と水野家の「餅の内に杵」。
新宮城年表もついています。
新宮城(和歌山県新宮市)
領布場所:新宮市観光協会、阿須賀神社
価格:300円(税込)
※新宮市観光協会オンラインショップ(https://twilight-hill-5571.stores.jp/)でも取扱い中。
■築城の名手・藤堂高虎が初めて手掛けた居館「猿岡山城(猿岡城)」
戦国時代の築城の名手と名高い藤堂高虎の初城(居館)。 中央に藤堂高虎の家紋「藤堂蔦」が大きく配置されているほか、右上に兜、左上に旗印である「三つ餅」、右下に花押、そして築城名手・高虎の象徴として高石垣がデザインされています。
猿岡山城(猿岡城)(和歌山県紀の川市)
領布場所:観光特産センターこかわ、紀州九度山真田砦
頒布元:紀州戦国屋
価格:300円(税込)
■隅田党の本城といわれている「岩倉城」
中世紀伊の歴史を語る上で欠かせない隅田氏の本城といわれている岩倉城。信長、秀吉に仕えたことから、右上に織田氏の家紋「織田木瓜」、左上に豊臣氏の「五七の桐」を配置。中央の「撫子」紋は、隅田氏のもの。
岩倉城(和歌山県橋本市)
領布場所:はしもと広域観光案内所
頒布元:紀州戦国屋
価格:300円(税込)
■湯浅党の本拠地「湯浅城」
平安時代の康治2年(1143)、天然の要害である標高約78mの庚申山に湯浅宗重が築いた山城。約300年もの間、武士団・湯浅党の本拠地となりました。
御城印中央には、湯浅氏の家紋の一つ「九曜」を配置。
湯浅城(和歌山県有田郡)
領布場所:湯浅温泉湯浅城
頒布元:紀州戦国屋
価格:300円(税込)
▼湯浅城に関する記事はこちら。
■隅田氏が築いたと伝わる「霜山城」
築城年等の詳細は不明ですが、隅田(すだ)氏一族が築いたと伝わる霜山城。台地の先端部に築かれ、のちに紀伊国守護畠山氏が入りました。
御城印の中央に隅田党の家紋「撫子」を、左上には畠山氏の「丸に二引」を配置。
霜山城(和歌山県橋本市)
領布場所:はしもと広域観光案内所
頒布元:紀州戦国屋
価格:300円(税込)
■紀北最大級の山城「長薮(藪)城」
文明年間に紀伊国守護畠山氏に仕えていた牲川(にえかわ)義春が築いた長薮(藪)城。城郭の総延長が約1kmに及ぶ、紀北最大級の山城です。
御城印の中央に畠山氏の家紋「丸に二引」を配置。
領布場所:はしもと広域観光案内所
頒布元:紀州戦国屋
価格:300円(税込)
■生地氏が築いた「銭坂(ぜんざか)城」
永享年間初期、紀伊国守護畠山氏に仕えていた生地(おんじ)俊澄が築いた銭坂(ぜんざか)城。
御城印の中央に畠山氏の家紋「丸に二引」、左上に生地氏の「扇に日の丸」を配置。
銭坂城(和歌山県橋本市)
領布場所:はしもと広域観光案内所
頒布元:紀州戦国屋
価格:300円(税込)
いかがでしたか? 登城の記念に、はたまたちょっとしたお土産にも最適!な御城印、ぜひコレクションしてみてはいかがでしょうか。
もちろん、ほかのエリアにも各お城のシンボルや城下のこだわりなどが活かされた御城印が多数!
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執筆・写真/かみゆ (「歴史(はエンタテインメント!」をモットーに、ポップな媒体から専門書まで編集制作を手がける歴史コンテンツメーカー。)&城びと編集部
協力:若狭国吉城歴史資料館館長 大野康弘さん