日帰りの場合は雨予報だと日を改めるので、雨の中を城めぐりすることはあまりないんですが、和歌山城の野面積石垣に用いられている緑泥片岩(紀州青石)は雨に濡れると青みを増すと云われますし、たまには雨の和歌山城も風情があって良いかな、と雨予報の中、和歌山市内での所用の合間に登城しました。
一ノ橋から登城開始。一中門を抜けると目の前にそびえる紀州青石の本丸石垣は、雨に濡れていつもと違った雰囲気がありますが、バチバチと傘にも地面にも叩きつけるように降る雨の中では風情も何もあったものではありません。表坂から山上を目指すと、表坂を雨水が激しく流れ下っています。早くも足元はびしょびしょ、靴はじゃぶじゃぶです。本丸御殿跡からの天守も、本丸下ノ段から天守を仰ぐ定番ショットも雨にかすんでいました。
裏坂から虎伏山を下りて鶴ノ渓へ。天守曲輪北面の紀州青石の高石垣を眺めながら鶴ノ渓まで行こうと階段を下りていくと、さながら流水階段のように雨水が流れ落ちています。どうせもう靴はじゃぶじゃぶなんだから通路が冠水していても今さら関係ないと思っていましたが、足元が見えないくらいになるとさすがに不安になり、紅葉渓庭園から砂ノ丸に脱出しました。砂ノ丸側から見下ろす鶴ノ渓は水没していて、高石垣の下には地面でなく水面が広がっていました…。これまで「鶴ノ渓」の名は、浅野期に鶴が飼われていたからと承知しつつも「渓」に注目することはありませんでしたが、この日、水没しているのを目の当たりにして渓部に設けられた庭園であることを再認識しました。
砂ノ丸散策中に防災行政無線で和歌山市内に大雨警報が発令されたことを知り、この降り方ならそりゃそうだろうな、と納得しつつ、雨の和歌山城ならぬ「豪雨の」和歌山城めぐりはここで切り上げて、岡口門から東堀をたどって駐車場に戻りました。東堀沿いの道路も冠水していて一段高い歩道にまで水があふれ、東堀越しに見る天守はこれまで見たことがないほど真っ白くかすんでいました。
帰宅してからニュースを観てみると、台風接近の影響により和歌山市ではこの日10月の1時間降水量の観測史上最大を記録し、線状降水帯直前予測も発表されていたとのことで、よりによってとんでもない日(それも観測史上最大を記録した時間帯)に登城したものだなぁ…と呆れつつも、そう滅多にない光景が見られたのでこれはこれでヨシ! ということにしておきましょう。風情ある雨の和歌山城めぐりは、またいつかの機会に。
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