(続き)
清水谷への道を下りながら、もっと早くに家を出ていれば…とか、あちこち寄り道し過ぎたか…とか、気分は沈むばかりでしたが、清水谷にある屋敷跡には石垣もあるようだし、と気を取り直して、大野木屋敷の石碑と説明板から奥の石垣を見に行ってみると、山王丸の大石垣にも劣らぬ見事な高石垣が! その下の三田村屋敷にも苔むす石垣が見られ、この2つだけでもこちら側に下りてきた甲斐がありました。
すっかり上機嫌で(←単純)たどる清水谷の沢沿いには、八畳岩や蛙岩、丸子岩と呼ばれる巨岩が続き、東側斜面には羽柴秀吉が攻め上った水の手道や主郭部から続く長大な竪堀が見られ、その先には浅井氏三代の居館があったとされる御屋敷跡や浅井氏の菩提寺の徳勝寺跡、遠藤屋敷や磯野屋敷など家臣団の屋敷が広がり、小谷城戦国歴史資料館に着くまで全く退屈することはありませんでした。
清水谷に下りると決めた時は、当初の目的を果たせず負けたような気になりましたが、すんなり一周できていれば清水谷を訪れることなく満足してしまったでしょうし、今回はむしろこれで良かったと思っています。とはいえ、やはり一周は果たせていませんので、再訪を期して小谷城戦国歴史資料館にはあえて入館せず、100名城スタンプも押しませんでした。次こそは必ずや!
小谷城を全部めぐるのは一日がかり、とはよく言われますが、周辺の帯曲輪など寄り道し過ぎたとはいえ、6時間では全く足りないとてつもない巨大山城で、規模が大きいだけでなく、御馬屋に馬洗池、黒金門、大堀切、山王丸の大石垣、月所丸に清水谷など見どころも満載で、帯曲輪に下りていけば思いがけず石垣に遭遇し、歴史に大きく影響した合戦の舞台として戦国のロマンにあふれ、夢中でめぐるうちに一日があっという間の素晴らしい城でした。
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