2023/02/01
【2023年版】花に清香あり 城に夢あり〜春の花咲くお城たち〜
まだ寒さが残る日もありますが、春らしい陽気を感じられるようになってきました。春と言えば桜を連想しがちですが、梅、桃、藤など、春を彩る花はほかにもたくさんあります。今回はそんな春の花を見られるお城をご紹介。ハイキングや花まつりなど、イベントを開催しているお城もあるので、お近くにお住まいの方は足を運んでみてはいかがでしょうか。※2023年2月1日 2023年版に更新 ※イベントについては中止・変更となる場合がございますので、各自治体・観光協会・お城のホームページなどを確認の上、お出かけいただきますよう、お願いいたします。
■梅■
[坂田城/千葉県山武郡]梅と一緒に空堀や土塁もチェック!
JR横芝駅から坂田城跡梅林へとハイキングするイベントも同時開催
室町時代に千葉氏が築城、戦国時代に改修された坂田城(千葉県)は、空堀や土塁がよく残る県内屈指の戦国城郭。城域には約1000本の梅が植えられており、開花時期に合わせて「坂田城跡梅花観賞会」が催されます。
[城名]坂田城
[見頃]2月下旬〜3月中旬
[イベント/開催日時]坂田城跡梅花観賞会/ 2023年2月18日(土)~3月5日(日)
[アクセス]JR横芝駅から徒歩約45分、タクシーで約10分
[小田原城/神奈川県小田原市]梅の借景に天守や富士山を!
雄大な富士山に紅梅や白梅が映える
北条氏の居城だった小田原城(神奈川県)のある小田原は、実は梅干しの名産地。そのため、地域のあちこちで梅が咲き誇っており、小田原城や富士山、箱根の山々を背景に咲く梅は地域の風物詩となっています。曽我梅林、小田原城址公園など複数の会場で行われる「小田原梅まつり」では、寿獅子舞や祭囃子などの各種イベントのほか、梅干しや梅わいん、梅ジャムなどの販売も行われます。
[城名]小田原城
[見頃]2月〜3月中旬
[イベント/開催日時]第53回小田原梅まつり / 2023年2月4日(土)~2月26日(日)
[アクセス]曽我梅林:JR下曽我駅から徒歩約10分。小田原城址公園:小田原駅から徒歩約10分。小田原フラワーガーデン:小田原駅からバス「フラワーガーデン」下車、徒歩すぐ。辻村植物園:小田原駅からバス「いこいの森(わんぱくらんど)」下車、徒歩すぐ。
[彦根城/滋賀県彦根市]現存天守と梅のコラボレーション
天守を彩るようにかわいらしい梅の花が咲く
12ある現存天守のひとつとして知られる彦根城(滋賀県)。大手門を入って左手側、かつて米蔵があったあたりに約400本の紅梅、白梅が植えられています。天守前にはしだれ梅もあり、絶好の撮影スポット。例年、梅林が見ごろを迎える3月中旬から下旬にかけて、梅林や城周辺を幻想的にライトアップする「ひこね梅あかり」が開催されます。
[城名]彦根城
[見頃]3月中旬〜3月下旬
[アクセス]JR彦根駅から徒歩約15分
■桃■
[古河公方館/茨城県古河市]1500本もの桃の花が館跡に咲き誇る
内には「矢口・源平・菊桃・寿星桃・寒白」の5種類の花桃があり、桃林は鮮やかなピンク色で染まります
古河公方を称した足利成氏が築いた古河公方館(茨城県)は、御所沼に突きだした半島に位置し、西側には堀や土塁がよく残っています。この館跡がある古河公方公園は、5種類1500本の桃が植えられている桃の名所。「古河桃まつり」では、古河桃むすめが笑顔で来場者を迎え、さまざまなステージイベントやグルメを楽しめます。
[城名]古河公方館
[見頃]3月下旬〜4月中旬
[イベント/開催日時]第47回古河桃まつり/ 2023年3月18日(土)~4月2日(日)
[アクセス]JR古河駅から徒歩約30分、臨時シャトルバスで「公園」下車徒歩すぐ
[新府城/山梨県韮崎市]まるで桃源郷!一面の桃の花にうっとり
新府桃源郷から見た新府城。新府城からみた景色も抜群
武田勝頼によって築城された新府城(山梨県)。武田氏の築城術の集大成となった城で、土塁や馬出といった遺構が非常にわかりやすく残存しています。この新府城の北一帯には、60平方メートルにもおよぶ広大な「新府桃源郷」が広がっており、新府城と桃の組み合わせはもちろん、富士山、南アルプス、八ヶ岳などの山々と桃を一緒に眺められます。
[城名]新府城
[見頃]4月初旬〜4月中旬
[アクセス]JR新府駅から徒歩約15分
■つつじ■
[大島城/長野県下伊那郡]赤・白・紫・オレンジの色とりどりなつつじ
こいのぼりが泳ぐ中、色鮮やかにつつじが咲き誇る
もともと大島氏の城砦だった大島城(長野県)は、織田信長を倒すための西上作戦に際し、武田信玄によって連絡・監視の城として造りかえられた城です。現在は台城公園となっている城跡の二の丸は、約5000株のキリシマツツジが咲く、知る人ぞ知る花見スポット。毎年5月3日に行われるつつじ祭では、演奏会や伝統芸能が披露されます。
[城名]大島城
[見頃]4月下旬〜5月上旬
[イベント/開催日時]台城つつじ祭 / 2023年5月3日(水・祝)予定
[アクセス]JR伊那大島駅からタクシーで約10分
[曽根城/三重県尾鷲市]潮風に吹かれながらつつじを愛でる
輪内湾を見下ろす眺望とともにつつじが楽しめる
標高180mの城山の山頂にある天然の要害・曽根城(三重県)は、別名「一名浄の城」「宇杉城」「つつじ城」などと呼ばれ、佐々木宇右衛門によって築城されました。内堀・外堀・井戸跡などが当時の名残を留めています。城内にはオンツツジ、ムラサキオンツツジが自生しており、見頃を迎える4月中旬にはつつじ祭りが開催予定。
[城名]曽根城
[見頃]4月中旬
[イベント/開催日時]浄の城つつじ祭り/2023年4月中旬予定
[アクセス]JR賀田駅から徒歩約40分
■藤■
[岡崎城/愛知県岡崎市]視界を覆うほどの藤の花と甘い香りに酔いしれる
「岡崎市の花」である藤。花房が細いのが特徴
徳川家康生誕の城として知られる岡崎城(愛知県)には現在、3層5階の復興天守が建っています。天守の南側、乙川沿いに1300㎡の藤棚が広がります。「五万石藤まつり」ではトップ棋士が集まる将棋イベント、伝統的なあそびを体験できるコーナーなど、家族で楽しめるイベントが行われる予定。
[城名]岡崎城
[見頃]4月中旬〜5月上旬
[イベント/開催日時]五万石藤まつり/ 2023年4月下旬~5月上旬予定
[アクセス]名鉄東岡崎駅から徒歩約15分
[唐津城/佐賀県唐津市]天守の眼下に藤棚が広がる
スカートのように藤の花が天守の足元に揺れる
唐津城(佐賀県)は、豊臣秀吉の家臣・寺沢広高が築城した城です。現在の模擬天守は昭和41年に完成したもので、赤い高欄がワンポイント。天守の目の前に広がる500㎡の藤棚には、花房が長さ1.3mにもなる藤の花が咲き誇ります。桜の名所としても有名です。
[城名]唐津城
[見頃]4月下旬〜5月上旬
[アクセス]JR唐津駅から徒歩約20分
■菜の花■
[八幡山城/滋賀県近江八幡市]舟の上から桜と菜の花のコラボを楽しむ
水路周辺には日本の原風景が広がっている
豊臣秀吉の甥・秀次によって築かれた八幡山城(滋賀県)。現在は石垣を残すのみですが、秀次の館跡からは金箔瓦が多数出土しており、築城当時は豪華であったことがうかがい知れます。この八幡山城のふもとは、水路が張りめぐる水郷地帯として有名。遠目に八幡山城のある八幡山をあおぎつつ、手こぎ船に乗って桜や菜の花、ヨシ原の風景を楽しめます。
[城名]八幡山城
[見頃]3月下旬〜4月上旬
[アクセス]JR近江八幡駅からバスで「豊年橋和船乗り場口」下車、徒歩約2分
執筆・写真/かみゆ歴史編集部
「歴史はエンタテインメント!」をモットーに、ポップな媒体から専門書まで編集制作を手がける歴史コンテンツメーカー。