お城ファンが選んだ「推し城」ランキング お城ファンが「買いたいお城」は?Castle of the Year 2021番外編

2021年11月下旬〜2022年1月上旬、城びと読者の皆さまに「城びと4周年記念企画」として、城びと的「推し城」アンケートを実施。1032人ものお城ファンに投票をいただき、2021年の「Castle of the Year」が決定しました! 実はその際に、番外編として「買いたいお城」を募集していました。今回は皆さまの「買いたいお城」をご紹介します。「買いたいお城」をつきつめると、お城のどこに惹かれているのかよくわかるのではないでしょうか!?

2021年の「Castle of the Year」では、番外編として「買いたいお城」を募集しました。「推し城」とはまた違った視点でのお城セレクト。どのような城が選ばれたのでしょうか。「城熱(じょうねつ)」あふれるコメントとともに、20位から1位までご紹介します!

まずは20位(同率19位)から11位をまとめてご紹介!
(城名の最後にある★マークの順位は、推し城アンケートでのランキングです。)

▶「【1~10位】お城ファンが選ぶ2021年の推し城は?「Castle of the Year」決定!」
▶「【11~20位】お城ファンが選ぶ2021年の推し城は?「Castle of the Year」決定!」

19位 松山城(愛媛県松山市)★18位
19位 竹田城(兵庫県朝来市)★15位
16位 会津若松城(福島県会津若松市)★9位
16位 上田城(長野県上田市)★18位
16位 丸亀城(香川県丸亀市)★圏外
15位 備中松山城(岡山県高梁市)★9位
14位 弘前城(青森県弘前市)★20位
13位 熊本城(熊本県熊本市)★4位
11位 大坂(阪)城(大阪府大阪市)★17位
11位 岐阜城(岐阜県岐阜市)★7位

推し城アンケートではトップ10だったお城がいくつか、「買いたいお城」でもランクインしている中、注目は推し城圏外だった丸亀城のランクイン! 投票者からは次のような「買いたいお城ランキング」ならではのコメントが寄せられました。

間取りがちょうど良い。行くたびに小さなアパートみたいと思ってしまうくらいに住んでいるところがイメージ出来る。(まきろん)
こじんまりとしているが、高石垣が美しく瀬戸内海を望める景色が好きだから。(えりりん)
こじんまりとした天守が、逆に住む場所として現実的にイメージしやすかったのかも!?

丸亀城
現存十二天守の一つに数えられる丸亀城天守

今回の「買いたいお城」。様々なお城への投票理由で共通して目立ったのは、お城を囲む豊かな自然や絶景を毎日味わいたいという声。14位の弘前城に寄せられた次のようなコメントが、城ファンの思いを代弁していますね。

春夏秋冬を通して、これだけ多彩な彩りのある城が他にあるでしょうか? 春は桜色に包まれ、 夏は緑に囲まれ、 秋は黄葉に燃え、 冬は雪深く白い眠りにつく城。 このような飽くことなき城で住みたい!(黒田)

他にも、震災から復興中の13位の熊本城に対して「復興のようすを見守りたい」という、お城ファンなら納得のコメントも寄せられました。

ではここから、10位~1位まで一気にご紹介!
(城名の最後にある★マークの順位は、推し城アンケートでのランキングです。詳しくはこちら!)

▶「【1~10位】お城ファンが選ぶ2021年の推し城は?「Castle of the Year」決定!」
▶「【11~20位】お城ファンが選ぶ2021年の推し城は?「Castle of the Year」決定!」


10位 安土城(滋賀県近江八幡市)★8位

安土城

安土城天守を復元して、琵琶湖を眺められたら最高なので。 天守で瞑想もして生活してみたいです。(岩之守)
「安土城を再建したい!」というコメントが多数集まりました。織田信長が天主でどのように過ごしていたのか、味わってみたいですね。

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9位 小田原城(神奈川県小田原市)★10位

小田原城

家から程近く別荘にしたい!景色も最高。(ナカちゃん)
海と山に守られた名城は、海の幸と山の幸を味わえるという見方もありますね! 都心からほど近い、アクセスの良さも人気を支えています。

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8位 名古屋城(愛知県名古屋市)★14位

名古屋城

今、天守復元計画など色々もめているので、ひとまず私が買い取って政治とは関係無く文化財としてあるべき整備計画を建てたいと思います。もちろん予算は下さい。(けいき)
天守の復元が話題となっていることもあるのか、自分の手で復元したいという声が目立ちました。金のシャチホコや、きらびやかな建物にあこがれる声も多数!

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7位 彦根城(滋賀県彦根市)★5位

彦根城

頑張って登れるくらいの山の上という立地で、デザイン性も優れた城だから。(桃花鳥)
現存する天守や庭園へのあこがれから、「住んでみたい!」という声がたくさん集まりました。城主・井伊家の美意識が随所に散りばめられ雰囲気は、彦根城ならではの魅力ですね。

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6位 二条城(京都府京都市) ★圏外

二条城

豪華な装飾に勝るものはなし。 住んで大富豪の気分を味わいたい。(てふてふ)
推し城アンケートでは圏外ながら、「買いたい城」で上位に入ったのが二条城です。きらびやかな城内で、贅沢な生活をしてみたいというあこがれの声がたくさん集まりました!

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5位 五稜郭(北海道函館市)★11位

五稜郭

土方様の最期を感じられそうだから。何と言っても形が美しいから。(こまぴょん)
ヨーロッパの城郭のような星形要塞! 五稜郭タワーもついてくると眺望も抜群。新選組へのロマンはもちろんのこと、新政府軍の攻撃に備えた旧幕府軍の緊張感を肌で感じてみたいですね。

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4位 犬山城(愛知県犬山市)★3位

犬山城
個人所有だったお城として有名ですが、それを加味すると何とか頑張ればなんて夢を見れる、しかも国宝のお城なので。(藤次郎)

現存天守のひとつでありながら、2004年まで成瀬氏が個人所有していました。こうした経緯も検討した結果、「もしかすると手が届くかも!」と期待するコメントが数多く集まりました。

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3位 江戸城(東京都千代田区)★20位

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資産価値が高い。 犬山城などの例もあり、個人で城を買う事は経済的に無理でしょう。長期的に維持管理、一般公開してくれる企業等に税制優遇の制度が有れば良いですね。(ひとみ)
江戸城に天守建てさせてくれー!東京なのに大阪や名古屋に負けちゃいかん!(かっきー)
推し城アンケートの20位から、大きく順位を上げたのが江戸城です。なんといっても、東京の一等地にある立地! 徳川家の居城だったという歴史は、別格の魅力がありますね。

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2位 松本城(長野県松本市)★1位

松本城

四季折々の風情と景観を思う存分楽しめる、お城に望むすべてのものが一処に綺麗に収まっている贅沢なお城だと思うので。 アルプスの借景も、最高です!(紀蝶)
黒漆塗の外壁が、白銀の北アルプスに映えて美しい。周りは湧水が多く、籠城にも耐えられそう。お堀の水も綺麗。大きな街道も通っていて便利。(井伊谷の祐)
自然豊かな環境と、美しい外観を推すコメントが目立ちました。「月見櫓で月見をしたい!」という声も多く、数ある遺構のなかでも、月見櫓が城ファンの心をつかんでいることがうかがえます。

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1位 姫路城(兵庫県姫路市)★2位

姫路城


あんなお城が買えたら夢のよう(ゆりま)
毎日あの綺麗なお城に住んで、帰る場所になっていると思うとワクワクするので。(もふ)
天守閣や櫓があり、それらをすべて自分のものにして生活してみたいから。 維持費が凄そうですが... (まっぴー)
推し城アンケートでは2位だったものの、「買いたい城」では見事に1位に選ばれました! 白を基調とした気品あるたたずまいは、言うまでもなく圧倒的な魅力があります。世界遺産にも登録され、世界に誇る日本の名城です!

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ちなみに、1~20位はすべて日本100名城。続日本100名城の中で最も票を集めたのは、25位の勝連城(沖縄県うるま市)でした!同じ沖縄県にある日本100名城の、今帰仁城中城城を押さえて、沖縄のグスクの中でもトップです!

小ぶりな造りにグスクの魅力が凝縮して、マイ城郭にうってつけです!(上田絵馬之助)

「買いたい」なんて恐れ多い…というお城ファンならではのコメントもいただきました!

一庶民が城を買いたいなど恐れ多い、これが率直な気持ちなので答えられないです。 城巡りは1番の趣味ですが、そういう視点では考えられないですね。(昼から明るい昼行灯)
買いたいとは思いません、どれか選ばないとエラーになるため一番最初の五稜郭にチェックしました(ももちゃん)

「買いたいお城」を考える機会は、めったにないと思います。推し城とは異なる視点から、城の魅力を再確認した方もいたのではないでしょうか? いやいや、買うなんてとんでもない!というご意見も、お城ファンにとって大切な視点ですね。

【買いたい城アンケート概要】
●調査期間:2021年11月17日~2022年1月10日
●調査対象:1032名(「城びと」読者の皆さま)
●調査方法:全国の「城びと」読者を対象にインターネット調査を実施。日本100名城、続日本100名城の計202城から、買いたいお城を1城選び、投票いただいたものを集計。

執筆・写真/藪内成基(やぶうちしげき)
国内・海外で年間100以上の城を訪ね、「城と旅」をテーマに執筆・撮影。著書『講談社ポケット百科シリーズ 日本の城200』(講談社、2021)。『地図で旅する! 日本の名城』(JTBパブリッシング)や『1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365歴史編』(文響社)などで執筆。城めぐりツアー(クラブツーリズム)の監修・ガイドを務める。

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