2020/03/24
お城ファンが選んだ「推し城」ランキング 【11~25位】お城ファンが選ぶ2019年の推し城は?「Castle of the Year」決定!
今年行った中で一番印象的だったお城、発掘調査が気になるお城、テレビや雑誌で見て行ってみたくなったお城…。そんな数ある観点から「あなたの2019年の推し城」を広く聞くため、2019年11月下旬〜12月下旬の間、城びとユーザーを対象にインターネット上で投票を実施しました。そして838名もの方たちから投票いただき、2019年の「Castle of the Year」が決定! まずは25位〜11位まで、投票いただいた方のコメントと併せてドドーンと発表します。
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25位(同率)大阪城(大阪府大阪市)
日本の城を語る上でこの城は欠かせません! 豊臣秀吉の城という印象が強いですが、現在見る大阪城は徳川家の城。慶長20年(1615)の「大坂夏の陣」の後、勝利した徳川側が豊臣時代の大坂城を埋め、その上に新たな時代の幕開けとなる大坂城を築きました。
大坂城の規模も規格外! 外堀の堀幅は、鉄砲玉が届かない100m越え。そして石垣の高さはなんと32m(本丸東面)と、日本一を誇ります。昭和6年(1931)に再建された築89年の歴史ある模擬天守にも注目です!
大坂城は…何度も行きましたが石垣の素晴らしさ。本殿から見た景色は…何とも言えません。(まーこ)
▼25位の大阪城について知りたい方は、こちらの記事もチェック
25位(同率)弘前城(青森県弘前市)
慶長15年(1610)、津軽藩4万7千石の居城として築城を開始。東北エリア唯一の現存天守があります。季節と一緒に楽しむにはうってつけの城で、とくに春のサクラの季節には例年多くの観光客が訪れます。
また、弘前城では、現在本丸石垣の修復工事を実施中。曳屋によって現存天守を移動し、普段とは違う「今だけの姿」が見られる特別な期間となっています。再び天守が元の位置に戻るのは2021年頃と残りわずか! 100年に一度の大修理を見るなら2020年中がおすすめです。
津軽藩の武士が後世の津軽衆の為に桜を植えてくれた、今なお津軽の民を思うお城。(ばーばら)
24位 名護屋城(佐賀県唐津市)
(写真:ニッポン城めぐり)
豊臣秀吉による朝鮮出兵(文禄・慶長の役=1592〜93、97〜98)のための出兵拠点として築かれた城です。配下の大名ら約20万人が集結し、城の周囲には130以上の陣屋が構えられました。
名護屋城は、天正19年(1591)に築城を開始してから、江戸時代はじめに破却(はきゃく)されるまで10年ちょっとしかその役割を果たしていません。そのわずか10年間だからこそ、当時の技術や破却方法が切り取ったように知ることができます。いわば、名護屋城は「戦国最期の激動の歴史」を押し花のように閉じ込めた姿なのです。
こんなのどかな自然あふれる場所が、往時は京都よりも城下は賑わっていたとは全く想像できないのですが、石垣の凄さや本丸の広さ等を鑑みると、そうなんだろうなと認識できます。もし、あの時、歴史が変わっていたら、今でも日本の重要な拠点の一つとしていたのかと思うと、不思議な感覚を覚えます。(ゆっく)
23位 高取城(奈良県高市郡)
(写真:ニッポン城めぐり)
標高583.6mの高取山に築かれた、日本三大山城の一つです。戦国時代に一度廃城になりますが、天正12年(1584)筒井順慶により復興され、天正17年(1589)以降本多利久によって大規模な改修が行われました。その後、寛永17年(1640)に初代高取藩主・植村氏が入封し明治維新まで治めました。
高取城の「顔」は高さ約10mの高石垣! そして山城には珍しい水堀を構えるなど、一癖も二癖もある病みつきになる城です。明治になると城の建物は木材として再利用するため競売にかけられましたが、明治20年(1887)頃の写真で一部の建物が持ち出されることなく残っていたことがわかっています。高い山の上にあったがために、放置され自然と朽ちてしまいました。比高の高い山城ならではのエピソードです。
三大山城の中で迷ったのですが圧巻の石垣陣に圧倒されました。素晴らしいの一言でした!(永山淳二)
22位 竹田城(兵庫県朝来市)
雲海と城跡の絶景が楽しめるスポットとして注目された元祖「天空の城」。最盛期には年間来場者数が50万人を突破し、一時入場規制がかかるほど人気となりました。
この城の素晴らしさは、景色だけではなく完存する総石垣の遺構にあります。播但街道や山陰街道が交差する交通の要所にあり、道を往来する人々が見上げた視線の先にはきっと立派な石垣を構えた城の姿が見えたことでしょう。まさに見せる城! 現在、建物の遺構は残っておりませんが石垣は当時のまま。時を越え人々を魅了するキセキの城なのです!
※2020年は1月4日〜2月末まで閉山中
山の中で忽然と姿を現す石垣が、衝撃で美しい(井上正巳)
21位 岩村城(岐阜県恵那市)
日本三大山城の一つ。標高717mの山頂に築かれた岩村城は、戦国時代城主だった夫亡き後、その妻が采配をふるった「女城主の城」として知られています。本丸を中心に約4万個もの石を使った圧巻の石垣が見どころで、なかでも本丸北東部に築かれた「六段壁」は岩村城の代名詞といえるほど見事なものです。
また、重要伝統的建物群保存地区に選定された岩村城下町も必見! 約1.3kmのメインストリートは往時の雰囲気を残しています。2018年には連続テレビ小説「半分、青い。」の撮影ロケ地となったため、さらに知名度UPとなったようですね。
山城の中では一番。迫力のある石垣など、見るからに当時の山城の堅固な縄張りが感じられる素晴らしいお城跡。(ただの城好き)
▼21位の岩村城について知りたい方は、こちらの記事もチェック
20位 福山城(広島県福山市)
JR福山駅より徒歩1分で行けるアクセス抜群の城! 備後福山藩10万石の拠点として、水野勝成によって元和5年(1619)より築城されました。西の抑えとして築かれた福山城は、二重櫓16基、なんと三重櫓については7基、全体で45基もの櫓が建つ大城郭だったようです。太平洋戦争で天守などの遺構が焼失してしまいましたが、天守や月見櫓、湯殿をはじめとする一部の建物が復元されています。
福山城の見どころは、なんと言っても伏見城より移築された現存の伏見櫓! ビュースポットはJR福山駅の新幹線ホームです。
2022年に迎える築城400年に向け、行政、民間が一緒になって盛り上がりに向け懸命な努力をしている。 これまで、城への注目がここまで集まったことがなく、PRに懸命な市民を全国のみなさんで応援していただきたい!(内田博文)
19位 江戸城(東京都千代田区)
新天皇陛下の御即位で話題となった2019年。皇居は、かつて将軍・徳川家の居城でした。江戸時代の約260年にわたって天下を統べる天下人の城は、何もかもが規格外! 城域は、千代田区と中央区の一部がすっぽりと収まるほど巨大で、かつては20階建のビルに匹敵するほどの高さを誇る日本一の天守があがっていました。
何度訪れても毎回発見があるほど見どころばかりなので、決して飽きることはありません。近年では「皇居一般参観(※)」がはじまり、1日2回、富士見櫓下や宮殿東庭、正門鉄橋まで行くことができるようになりました。将軍家の城がもっと身近に感じられます。
※日曜日、月曜日、夏休みの期間など休止日があるので宮内庁の公式HPよりご確認ください
令和になり大嘗祭などの儀式が行われた城。皇居としての意味合いが強いが、城としての遺構は多く残る。 よりスポットライトを当てて魅力を伝えたい(なおひろ)
18位 高知城(高知県高知市)
関ヶ原の戦いの功績で土佐一国を襲封した山内一豊。着工開始より10年の月日をかけ築いたのが高知城です。
この城の魅力といえば、なんといっても現存する天守と本丸御殿。日本中を探しても、両者が残っているのは高知城だけです! さらには、石垣に見られる「石樋」と呼ばれる排水機能や、本丸と二の丸の間の堀切に設けられた「詰門」など、高知城でしか見られない珍しい遺構も見どころとなっています。
最大の魅力は本丸が日本で唯一完存していることや、天守と大手門が一枚の写真に収められること、その天守を望むいい場所に博物館が建てられていることなどです。高知平野の中にそびえ立つ城山と天守は市内の多くの場所から望むことができ、近世城郭の「見せる」がとても実感出来ます。※一部抜粋 (niwanoagata)
17位 首里城(沖縄県那覇市)
提供元:ニッポン城めぐり
13世紀より約450年にわたって繁栄した琉球王国の中心の地。日本本土や朝鮮半島、中国とも異なる独自の文化をもち、青い海にも映える鮮やかな朱色の建物が特徴的です。軍事施設としての顔だけではなく、グスク(城のこと)には「御嶽(うたき)」と呼ばれる信仰の聖地も兼ね備えています。
残念ながら2019年の火災で、復元された正殿や北殿といった建物が焼失してしまいましたが、復興に向けて歩みはじめています。
何度でも行きたくなる城。琉球独特の雰囲気が大好きでした。(アズキばばあ)
16位 月山富田城(島根県安来市)
(写真:ニッポン城めぐり)
月山富田城の最盛期は、戦国時代に山陰地方で勢力を振るった尼子氏が居城としていた頃。文治元年(1185)に出雲国の守護・佐々木義晴が入城してから、慶長16年(1611)に堀尾吉晴が松江城に拠点を移すまで、400年以上にわたり戦国大名たちの栄枯盛衰を見守ってきました。
標高184mの本丸までは七曲りの道を登っていきます。息を切らしながら登った先には、広瀬町や古川町ののどかな景色や遠くには日本海も望むことができます。2018年には山城サミットも開催され認知度もグンとアップ! 16位にランクインです。
小和田先生が絶賛される日本一の山城 大変攻撃的なお城で数々の戦があった城 遺構も多く残っている 尼子・吉川・堀尾と同じ城を使ったため、城郭の移り変わりが見ることが出来る(まっちゃデラックス)
15位 小田原城(神奈川県小田原市)
戦国時代に関東地方を治めた小田原北条家の本拠地。2代氏綱から5代氏直に至るまで約100年にわたり居城としてきました。豊臣秀吉による天正18年(1590)の小田原攻めで北条家は敗北し、江戸時代には江戸城の南を守る徳川家の城として整備されました。
現在は、天守や銅門、常盤木門といった江戸時代の姿が再建され、城の西側には北条氏時代の土の城の部分も整備され見学しやすくなっています。北条早雲公顕彰500年の節目の年となった2019年は、講演会も多く開催されましたね。
真っ青なお空の下、そびえ立つ小田原城の神々しさ、ただただ感無量でした!天守閣からの景色も素晴らしく、小田原戦の最期こんな気持ちでここから豊臣軍を眺めていたのか…とタイムスリップしたような思いでした!
常盤木門で開催されていた、冑の展示会では、プロジェクションマッピングで武士の生涯が描かれていて、あっという間に散ってしまう儚い命だけれども、一生懸命生きようともがく当時の武士の思いを感じました。※一部抜粋(めろんぱん)
14位 会津若松城(福島県会津若松市)
別名「鶴ヶ城」。雪国に築かれたこの城は凍結に負けないよう、表面に釉薬(ゆうやく)を施して焼いた赤瓦が特徴的です。
会津若松城を知る上で欠かせない歴史といえば、幕末にあった戊辰戦争。一カ月にも及ぶ籠城戦にも耐え抜いた堅固な城ですが、一方で、16〜17歳の若い藩士で組織された「白虎隊」の悲劇も忘れてはなりません。また、毎年2月第2土曜日とその前日の夜には、会津の工芸品・絵ろうそくを約1万本使った「会津絵ろうそくまつり」が開催され、闇夜に暖かな光が灯ります。
二ノ丸、三ノ丸の堀、土塁などの遺構の素晴らしさに感動しました! 天守も模擬天守とはいえ、中身が大変に興味深い展示物、時代順に詳しく記された会津若松城の歴史! 予想を大きく裏切られた素晴らしいお城でした。(バリィさん)
▼14位の会津若松城について知りたい方は、こちらの記事もチェック
13位 松江城(島根県松江市)
出雲・隠岐2カ国を所領した堀尾氏の居城。2015年、城郭としては63年ぶりに国宝指定されました。漆黒な天守は四重五階の現存天守! 松江城が築かれた頃は、大坂冬の陣・夏の陣が起こる直前で世の中はピリピリムード。天守はカッコイイ見た目に反して、戦う気マンマンの装備が備わっています。
建物だけではなく、石垣や城下町も必見。石工集団の穴太衆によって築かれた野面積みや打込接(うちこみはぎ)の石垣もたまりません! また松江の城下町は、藩主・松平治郷(不昧公–ふまいこう)が大名茶人でもあることから和菓子屋さんが多く、松江の文化の歴史も体験することができます。
現存天守のお城の中でも状態や雰囲気がピカイチだと感じます。(さるたかさすけ)
12位 松山城(愛媛県松山市)
日本三大平山城のひとつ。天守のほか、6基の櫓、門7棟、塀7枚の文化財が現存する松山城。天守と3基の小天守が渡櫓によって繋がった「連立式天守」など、歴史的建造物が重なり合う造形美が楽しめます。
今見る天守が築かれたのは現存天守の中でも一番新しい、安政元年(1854)。築城当初は五重天守が建っていましたが、徳川家に遠慮するようなご時世だったためか、三重天守へと改良されています。18世紀後半に火災で焼失してしまいますが、70年ぶりに幕府より再建を許されたのが現在の天守になります。山頂と山麓を繋ぐロープウェイもあり、散策しやすい城です。
生まれて物心付いた頃から当然のようにあったのが松山城。 心の拠り所であり、魂の原点です。 いつまでも空に映え、城下を見つめていてもらいたい。(kiyoshi)
11位 山中城(静岡県三島市)
土の城としての最上位を獲得したのは、「ワッフル」でお馴染みのこのお城! 戦国時代、北条氏の本拠地・小田原を守る南の要害として築かれた山城です。堀の中で自由に動けないように障壁を設けた「障子堀」(もしくは堀障子)が有名。 かわいい見た目とは裏腹に、何人もの兵士を射止めてきた秘密兵器です。
2018年よりクラウドファンディングが開始され、その返礼品として期間限定で名前が書かれた旗が飾られたり、堀底に入れるイベントが実施されるなど話題となりました。整備されている山城のためビギナーにもおすすめです!
100名城を巡る元となったお城。堀障子と富士山に感動。建物無くとも楽しみが有ることを教わった。(kazyy)
以上、「Castle of the Year」25位~11位までの発表でした。
10位~1位の発表はコチラ!
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執筆・写真/いなもと かおり
お城マニア&観光ライター
31歳になる城マニア。國學院大學文学部史学科古代史専攻卒。19歳の時に、会津若松城に一目惚れしてから城の虜となる。訪城数は600ほど。国内旅行業務取扱管理者、日本城郭検定1級、温泉ソムリエ、夜景鑑賞士2級の資格をもつ。城めぐりの楽しみ方を伝えるべく、テレビやラジオにも出演中。