2020/03/24
お城ファンが選んだ「推し城」ランキング 【1~10位】お城ファンが選ぶ2019年の推し城は?「Castle of the Year」決定!
今年行った中で一番印象的だったお城、発掘調査が気になるお城、テレビや雑誌で見て行ってみたくなったお城…。そんな数ある観点から「あなたの2019年の推し城」を広く聞くため、2019年11月下旬〜12月下旬の間、城びとユーザーを対象にインターネット上で投票を実施しました。そして838名もの方たちから投票いただき、2019年の顔となる「Castle of the Year」が決定。投票者の方からいただいたアツいコメントと共に、ついに10位~1位の発表です!
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10位 上田城(長野県上田市)
真田信繁(幸村)の父・真田昌幸によって築かれた上田城。戦国時代には攻めてきた徳川軍を2回も跳ね返した「落ちない城」としても有名です。現在見る上田城は、江戸時代に徳川家の家臣・仙石氏によって築かれた近世城郭の姿。城内には寛永3~5年(1626~1628)頃に築かれた西櫓や、民間に払い下げられたあと城内へ再移築した北櫓、南櫓が現存しています。
また、上田城下町には江戸時代の風情が漂う町並みも残っており、旧北国街道沿いに古い家が立ち並ぶ「柳町」は観光も楽しめるスポットとなっています。
真田を代表する城は上田城! 私は真田幸村が好きで、幸村が大坂の陣で活躍した大坂城も良かったけど、真田の軍略で徳川軍を二度も圧倒し、難攻不落とされる上田城が一番好きな城です! (歴史人)
9位 安土城(滋賀県近江八幡市)
織田信長最後の城となる安土城は、天正4年(1576)から3年の歳月をかけて築かれました。歴史ファンのみならず、数々の城郭研究者をも虜にさせるこの城の魅力は、信長のエキセントリックな発想が具現化されたところにつきます!
力を見せつけるような総石垣、日本で初めて築かれた本格的な天守(天主)。見上げる位置に、これまで見たこともない壮大で豪華絢爛な高層建物が現れたら、人々はさぞ驚いたことでしょう。もしもタイムスリップできたならば、信長に入城料を支払って見学させてもらいたい! 2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」でも登場するであろうこの城に、期待を込めてのランクインです。
人の歩幅には合わない石段、巨石が権力の大きさが、石の色から火災の炎の凄さが伝わる黒金門跡、歩きながら1580年代に思いを馳せることができます! 天主台跡に立つと、その思いはさらに広がります(紀蝶)
8位 熊本城(熊本県熊本市)
(写真:藪内成基)
旅行サイトなどの日本の城ランキングで常に上位に君臨する熊本城。築城名手・加藤清正が築いた集大成ともいえる城は、約260年の時を超え明治の偉人・西郷隆盛を苦しませたほど堅固な城でした。熊本城の目覚ましい点は、上にいくに従って傾斜がキツくなる「武者返し」の石垣。そして、まるで迷路のような複雑な城の構造です。
2016年の熊本地震による被害で、現存する13件の文化財のうち半数近くが倒壊。石垣も3割ほどに修復が必要となりました。復旧完了予定の2037年まで、熊本城はたくさんの人の支えが必要です。2019年10月より特別公開の第1弾がはじまり、そしていよいよ2020年の春には特別公開第2弾も予定! 着々と前に進んでいます。
加藤神社から見た宇土櫓の武者返しに心奪われてからずっと熊本城のファンです。熊本城のイチオシポイントでもあります(蛍)
7位 名古屋城(愛知県名古屋市)
特別史跡に指定された国を代表する愛知の城。徳川家康が20家の諸大名に命じて築城させる「天下普請」によって築かれました。名古屋城は将軍家の御三家の一つ、尾張徳川家の居城に相応しい豪華絢爛な佇まいの城でした。往時の天守には銅瓦を葺き、屋根には金の鯱ほこ、本丸御殿では高度な技術と金ピカな装飾を散らばせるなど、贅の限りを尽くした城だったのです。
最近では、隣接して金シャチ横丁がオープン。名古屋の歴史や風土、食文化も同時に味わえる魅惑の観光地となりました。
名古屋おもてなし武将隊に会いに月イチ以上通っています 戦いの跡がない平和なお城ですが、復元工事や季節により、足を運ぶたび、違う表情をみせてくれるのも楽しみです(うさ)
▼7位の名古屋城について知りたい方は、こちらの記事もチェック
6位 苗木城(岐阜県中津川市)
続日本100名城から唯一のランクインとなったのは岐阜県にある山城です。建物のない城が6位にランクインするとは…驚きました!
苗木城の特徴は、巨岩を利用した石垣造り。さまざま年代に石垣が積まれているため、石垣ひとつで多様な表情が楽しめるのも魅力の一つです。天守は一風変わった個性的なものだったようで、巨岩を利用した懸造(かけづくり)によるもの。現在見られる柱は天守3階部分の床面を再現したもので、展望台になっています。そしてなにより、頂から望む景色がスゴイ! 目の前に流れる木曽川と岐阜の雄大な景色が広がります。
2018年、2019年と度々テレビや雑誌に取り上げられることが多く、知名度も格段に上がりました。昨年中はなんと約15万人が訪れたそうですよ! まさに飛躍の年だったようですね。
とにかく景色が素晴らしく、天然の岩場を利用して作られた石垣にただただ感心させられました。(ぷちとまと)
5位 備中松山城(岡山県高梁市)
標高430m、比高でも300m近い高さの山城に築かれた備中松山城。現存する天守は、天和元年〜3年(1681~83)に水野勝宗が城主だった頃に行われた大修築で築かれたと考えられています。岩盤の上に築かれた石垣は実に見事で、とくに三ノ丸の大手御門の石垣は「おぉ」と声がでてしまうほど圧巻です。
また、最近は竹田城につぐ「天空の城」としても知られ、運の良い方は秋季の早朝に発生する雲海の絶景が見られるかも! 雲海の眺望ポイントは、城から車で30分ほど走った場所にある備中松山城展望台(大松山展望台)となっています。
・苦労して登り、期待が高まったところに素敵な石垣。そして岩の上に天守。完璧 (中澤 智)
・現存天守や大迫力の石垣はもちろんですが、それだけでなく中世から江戸時代までいろんな時代の遺構が同時に見られるのも魅力。雲海展望台からの景色も極上の美しさです。(順☆散歩)
・城主のさんじゅーろーがすごく頑張ってくれたおかげで普段お城に興味ない友人も一緒に行きたいと言ってくれました! 山城、現存天守といったところもやはり魅力!(熊野のくま美さ)
4位 彦根城(滋賀県彦根市)
時代劇ですっかりお馴染みとなった国宝・現存天守のある城。徳川四天王の一人、井伊家の居城として慶長9年(1604)より築城を開始。実に20年という歳月をかけて完成しました。
実戦向きに築かれたこの城は、どこからか狙われているような殺気を感じます。鐘の丸から本丸へと向かう天秤櫓下のキルゾーン、当時最先端の「登石垣」を取り入れるなど、築城技術の成長を肌で感じることができます。ちなみに、井伊家は領地替えすることなく明治維新までこの地を治めた珍しい大名家でもあります。
・高校の修学旅行で見学したときから、彦根城の破風に彩られた華麗な姿に魅了されていましたが、城についての知識が増えるにつれ、防御の仕組みなど見所がどんどん増えて、何度訪ねても飽きません。(てんぷる)
・美しいお城だけれど、防御力が高い。天守以外にも櫓、曲輪等見所が多い。ひこにゃんという城主が魅力的。(レオン)
・トリッキーな仕掛けと登り石垣が好きです。(ぺん次郎)
3位 犬山城(愛知県犬山市)
天文6年(1537)、織田信長の叔父・信康によって築かれた犬山城は犬山台地の北端部、木曽川を背にした小高い山の上に築かれました。現存する天守は姫路城や松江城の天守のような派手な見た目とは異なり、古風な様式なのが特徴的。そんな素朴だけど味わいのある外観に恋するファンはとても多く、3位にランクインしたのも納得です。
犬山城を訪れた際は、城下町散策も忘れずに。台地の南へと展開する城下町は、城に近い方に町人町、その周辺に武家屋敷を構える「変わり種」の珍しい構造です。お店が並ぶ本町通りを見通した先に構えるドシッとした天守がカッコイイ!
・絵になるにぎわいと豊富なスイーツと歴史的価値の調和が魅力。(はやおきパパ)
・国宝の城。よく保存されていて(ネットを張るなど手を加えられすぎていない)城下町の雰囲気も大好きです。(MUKU)
・2個目の現存天守で流行る気持ちを抑えながら行くほどワクワクした城だったと覚えています。天守はあまり大きく無いものの、どこかカッコ良く、でも可愛さもある2つの表情を持っている城だと思います!天守に登るといつもの「ギィー」という音と急な階段が現存天守に登っているということをさらに実感をさせてくれます。 更にびっくりしたのは木曽川から城を見上げた時でした。断崖絶壁でその上に天守が立っているのを見ると言葉も出なくなります。最高の思い出を僕に与えてくれた城です!(まっぴー)
▼3位の犬山城について知りたい方は、こちらの記事もチェック
2位 松本城(長野県松本市)
戦国時代に小笠原氏が築いた松本城の前身「深志城」がはじまり。今見る近世城郭に改修したのは豊臣秀吉の家臣・石川数正と子の康長です。「日本最古の天守」に名乗りを上げた国宝の天守群は、築かれた年代が異なるため見た目にも違いがあります。
戦う表情の乾小天守─渡櫓─大天守。そして江戸時代に松平直政によって増築された、憂いを帯びた表情の辰巳附櫓─月見櫓。さらには気性が荒い野面積みの石垣。この3点のバランスが、唯一無二のカッコイイ天守群を誕生させたのです。水堀に浮かぶ逆さ天守もまた一興! 堂々たる2位獲得です。
・漆塗りの城壁がアルプスの山と空に映える本当に美しいお城だと思います。(みりん)
・国宝天守でようやく訪れた最後の城。 城下町の“民芸茶房まるも”や民芸品店めぐりも楽しかった。(ぽぽた)
・ずっと行ってみたかったお城のひとつ。 今年やっと行くことができました。 自分の中のお城ランキングが塗り替えられました! (かとう)
1位 姫路城(兵庫県姫路市)
城びとユーザーが選ぶNo.1「Castle of the year」に輝いたのは姫路城です!
現在残る城郭建築のなかで最高傑作と言っても過言でもない、日本が誇る文化財。400年前と変わらないその姿を、自分の目で見て、歩いて、触れることができることは、この上ない幸せなことです。ユネスコ世界文化遺産、国の特別史跡指定、国宝、文化庁認定日本遺産、そして日本100名城など数々のタイトルを獲得している姫路城。何百年先も今の姿が見られるように守っていくべき文化財です。ただただ感動! まだ姫路城を訪れたことがない方は、ぜひこの機会に訪城してみてください。
・やっぱり姫路城!その美しさと力強さに何度行っても心が高鳴ります。(yuri)
・漆喰を塗り替えた後に行ったのですが、その美しさと城の大きさに感動しました。やはり日本を代表する城郭だと改めて思いました。(しゅうー)
・毎日眺めていますが、いつも違う表情。心を映してくれているかのよう。落ち込んでるときは、「頑張れ」と言っているかのようで、大きく見えます。美しさと力強さが共存する、素晴らしいお城です。(kana._.kippis)
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執筆・写真/いなもと かおり
お城マニア&観光ライター
31歳になる城マニア。國學院大學文学部史学科古代史専攻卒。19歳の時に、会津若松城に一目惚れしてから城の虜となる。訪城数は600ほど。国内旅行業務取扱管理者、日本城郭検定1級、温泉ソムリエ、夜景鑑賞士2級の資格をもつ。城めぐりの楽しみ方を伝えるべく、テレビやラジオにも出演中。