今年最初の遠征は岡山県です。岡山県はかろうじて日帰り圏内ですが、日帰りだと時間の制約により取りこぼしが多く出てしまうこともあり、前日から始まったニッポン城めぐりのイベントをポチ制覇しつつ、これまでの取りこぼしを回収してしまおう、ということで、まずは昨夏の取りこぼし、岡山城の後楽園から。
後楽園は江戸中期に池田綱政が津田永忠に命じて築いた回遊式の大名庭園で、日本三名園のひとつとして知られます。藩主の居間にあたる延養亭、中央に広がる沢の池、園内を見渡す唯心山、亭内に水路を通した流店、季節の花木など見どころは多々ありますが、城好きとしてはやはり岡山城天守を借景とした景観に目を惹かれます。正門から園内に入ると、芝生の中の園路の正面にどどんと天守が聳えていますし、沢の池と唯心山越しに望む天守も大名庭園ならではの景観です。五十三次腰掛茶屋の連子窓越しには額縁に入ったような天守を眺めることができました。
他にも、慈眼堂の前に据えられた烏帽子岩にはたくさんの矢穴が見られますが、石切場で36個に割って運んで組み直したものであり、花葉の池の大立石にいたっては90数個に割って運んだものを組み直したんだとか。さすがは大坂城天下普請で数多くの巨石を据えた岡山藩・池田氏だけあって、巨石を扱わせれば天下一品ですね。慈眼堂の裏手には馬場が東西にのび、観騎亭の藩主に家臣が馬術を披露する行事が行われていました。正門近くには弓場と観射亭もあったようです。最後に、発掘調査により確認された御舟入跡へ。藩主が岡山城から旭川を舟で渡って訪れる際の舟着場であり、舟溜まり跡と御成御門に続く雁木が公開されています。
純粋に庭園として見応えがあるのはもちろんながら、あちこちから天守が覗いていたり、巨石に岡山藩の石垣技術を感じたり、馬場や舟入があったり…と、随所にお城を感じさせるところもあって、なお一層楽しませていただきました。さて、後楽園をひとめぐりすると、月見橋を渡って岡山城天守に向かいます(続く)。
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