<ファイナル・日本一の称号は誰の手に!?>TVチャンピオン極〜KIWAMI~ 日本一城マニア決定戦

2019年5月14日にBSテレ東で「TVチャンピオン極〜KIWAMI~ 日本一城マニア決定戦」が放送され、同月25日にテレビ東京系列でも「TVチャンピオン極〜KIWAMI~ 日本の名城マニア決定戦」の放送が決定。4人のお城マニアによる熱い戦いが、「難攻不落の城」小田原城にて繰り広げられました。どんな問題が出たのか? あの問題のお城についてもっと知りたい! 誰が王者に輝いたの? 今回は、日本一の城マニアが決定するファイナルステージを振り返ります。



▼どんな番組?いつ放送?など、城びと編集部が見どころを紹介している記事はこちら
▼セミファイナルで解答として出たお城などをまとめた記事はこちら

「TVチャンピオン極〜KIWAMI~ 日本一城マニア決定戦/日本の名城マニア決定戦」って?

テレビ東京系列で人気の視聴者参加型番組「TVチャンピオン極」。これまで「大食い」「寿司職人」など、多くのその道に長けた職人や超人が熱いバトルを繰り広げてきました。

今回、遂に「日本一の城マニア」を決める戦いの火ぶたが切って落とされました!舞台は神奈川県にある「難攻不落の城」小田原城。小田原城の馬出門から天守に進みながら早押しクイズに回答していくセミファイナル「目指せ本丸!城攻略ツアー勝負」、天守前にて国盗り形式で行われるファイナル「日本の名城カルトクイズ勝負」の2ステージで争われました。

前回はセミファイナルを追ったので、今回はいよいよ天王山!ファイナルステージの戦いを振り返ります。
番組全体の見どころはこちらの記事をご覧ください。

ちなみに・・・舞台となった小田原城をドローンで撮影し、普段とは違った視点で解説した連載を城びと内で公開中。記事はこちらから。

ファイナルステージ進出者を改めて紹介!

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 戦いの前の静けさ。これからここで激闘が繰り広げられます!

ファイナルに進んだのはこの3人!

一人目は、番組内で「旅する城娘(しろむす)」と紹介されていた石垣ラブ!な観光ライターのいなもとかおりさん。城びとでも日本100名城・続日本100名城や城下町の記事などを執筆いただいています。セミファイナルでは、真っ先にファイナル進出を決めました。

二人目は、城びとの記事「合格者、小城小次郎が伝授!日本城郭検定1級への手引き「お城を感動で覚えよう!」」を執筆いただいた、城びとアンバサダーの小城小次郎(おぎこじろう)さん。「城は見るものじゃない、やるもの」がモットーの「城やり人」です。

そして三人目は、なんと小学4年生! 城ボーイの栗原響大(くりはらひびき)くん。最年少出場者が最後にファイナルへ駒を進めました。

日本一城マニアの称号をかけて、いよいよこの3人が火花を散らします!

ファイナルステージの戦い方は?

日本100名城を10のエリアに分け、各エリアの城にまつわるカルトクイズを出題。ファイナリストたちは早押しで回答していき、正解すれば出題のエリアを獲得の上、次のエリアを選ぶことができます。まさに国盗り合戦、4つのエリアを先取した人が初代「日本一城マニア」に輝きます!
セミファイナルトップ通過のいなもとさんが選択した関東エリアから、いざ開戦!

第1問 関東エリア:小田原攻めの豊臣側の本陣、石垣山城はどれ?

奇しくもファイナルステージの戦場、小田原城に関する問題が1問目となりました。映し出されたのは4枚の風景写真。小田原攻めで豊臣軍が張った本陣跡が写っている1枚を選択し、その時に築いた城の名前を答えます。

小田原城
小田原城

早押しでは全員が反応しましたが、抜群の反射神経で回答権を得たのは響大くんです。しかし「石垣山城」と城名は合っていたものの、焦りから写真を選び間違えてしまいました。
再開した早押し合戦を制したのは、いなもとさん。自ら選択した関東エリアをまずは獲りました! 

石垣山城
石垣山城

豊臣秀吉が力の差を見せつけるために小田原城のすぐ近くに築いたといわれている石垣山城。今も天守から石垣山城跡が見えるほどです。正解したいなもとさんは、喜びつつも「本当に天守から目と鼻の先なんですよ。築かれていくのが見えていたのかもしれないと思うと、すごい怖いですよね」と当時の北条方に思いを馳せます。

小田原攻めや石垣城築城の謎に迫りたい方はこちらをチェック!

第2問 近畿エリア:丸に揚羽蝶の紋様がかたどられた四角い和菓子、さてどこのお城ゆかりのお菓子?

次にいなもとさんが指定したのは近畿エリア! 各自に用意されたお菓子から城名を答える城グルメ問題です。ファイナリストたちの前に現れたのは、丸に揚羽蝶の紋様がかたどられた四角い和菓子。紋様をヒントに考えるのかと思いきや、パクっと食べたのは響大くん。あんこの中に大きな栗が入っており、思わず「おいしい!」と声が上がりますが、残念ながら答えは浮かばない様子。

ここで「とにかく押しちゃえ」と少し自信なさげだったものの、見事正解したのは小城さんです。決め手はやはり、紋様。揚羽蝶の紋様といえば池田家、池田家で近畿とくれば姫路しかない、と類推し、「姫路城」に辿り着きました。ちなみに、この和菓子の名前はずばり、「はりま家紋」。菓匠 小川安芸国の銘菓で、これまでに数々の賞を受賞しています。

姫路城
姫路城

天守を築いた池田輝政の家紋は、こちらの記事ではっきりと確認できます。

日本で初めて世界遺産に登録された姫路城は、こちらの記事にあるように、「お城ファンが実際に訪れた日本のお城ランキングTOP300」で3年連続1位を誇る人気のお城です。しかし、優美な白い外観とは裏腹に、怪談めいた伝説があることをご存知でしょうか? 日本の三大怪談の一つ、播州皿屋敷のお菊井戸があるのが姫路城です。詳しくはこちらの記事をチェック!

第3問 東海エリア:これは何?あるのはどこのお城?

小城さんが指定した東海エリアは、ズームアウト問題です。写っている物と、それがある城名を答えるのですが、石像の一部が映った写真のズームアウト開始3秒ほどで回答したのは小城さん! 「徳川家康のしかみ像」で「岡崎城」と見事正解です。
 
岡崎城、徳川家康のしかみ像
小城さんの決め手は「横に組んだ足」でした。写真が掲載されている記事はこちら

岡崎城
岡崎城

石高こそ少ないものの、家康生誕のお城として譜代大名が城主となってきた岡崎城。そんな岡崎城も、明治時代には大部分の城郭が壊されてしまいます。今の天守閣は昭和に復元されたものですが、近年の研究で江戸時代の岡崎城の様子がわかってきました。詳しくはこちらをご覧ください。

また、お城と城下町の両方の魅力を知りたい方は、こちらの記事をチェック! 前編が「しかみ像」の写真を掲載している記事です。

第4問 甲信越エリア:シルエットのみで城名を当てろ!

小城さんが2つのエリアを獲り、一歩リードしたところで選んだのは甲信越エリア。今回は徐々に浮かんでくるシルエットのみで城名を答えさせる問題です。難問と思いきや、まだグレーシルエットの段階で「新発田城」と仕留めたいなもとさん! 普通、屋根の部分はシャチが一本の線上に対になっている状態なのですが、新発田城の場合、それがT字のようにあるという特徴を見て取りました。三匹のシャチが屋根を守っているのが最大の特徴です。

新発田城
新発田城

菖蒲城の別名を持つ新発田城ですが、4月の桜も見事です。こちらの記事で美しさをご覧ください!

第5問 四国エリア:木に似顔絵の落書き?があるのはどこのお城?

小城さんに並んだいなもとさんは、四国エリアを選択。侍のような似顔絵が描かれた木の画像が出るや否や反応したのは、響大くんといなもとさん。まだエリアを獲得していない響大くんに答えさせてあげたいところですが、軍配はいなもとさんに。「松山城です」と自信たっぷりに答えて正解し、3つ目のエリア獲得でいなもとさんがリーチ!
ちなみに、問題の似顔絵は「侍の似顔絵」と呼ばれており、改修工事の際に天守の木材から発見され、誰が描いたかわからないが江戸時代の落書きといわれ、天守閣内に展示してあります。

松山城
松山城

「お城ファンが実際に訪れた日本のお城ランキングTOP300」では姫路城に次いで2位を獲得した松山城。現存する12天守の一つですが、現在に至るまでに何度も危機を迎えています。詳しくはこちらの記事で解説しています。

また、平山城としても有名ですが、そもそも平山城って何?という方はこちらをチェック!

第6問 中国エリア:どれが備中松山城?雲に隠された天空の山城を当てろ!

王手がかかったいなもとさん。勝負をかけたのは中国エリア! ズームアウトしていく4枚の写真から、「天空の山城」の別称を持つ備中松山城を選びます。

備中松山城
備中松山城

映し出された4枚は、いずれも雲に覆われてお城は見えません。何としてもいなもとさんを阻止したい小城さんが勝負に出る!が、残念ながら不正解…。再び緊張が走る中、押したのはいなもとさん! 結果は…正解! あいかわらずお城は見えていませんでしたが、いなもとさんは「展望台からこんな景色を確か見たな」というおぼろげな記憶をもとに、直感で正解をはじき出しました。

ちなみに、雄大にして美しい風景を誇るほかの3枚の雲海の城は、竹田城越前大野城津和野城。しかし、いつでもこの風景に出会えるわけではありません。見るためにはどうしたらいいのか、こちらの記事でチェック!

その中でも、備中松山城は天守を持つ唯一の山城としても有名です。詳しくはこちらの記事をどうぞ。

ということで、初代日本一城マニアの称号を手にしたのは、いなもとかおりさんでした!
 
いなもとかおり、城マニア
喜びを爆発させるいなもとさん。応援に駆け付けた友人による会心の一枚

「これからも城めぐりをもっともっと楽しみます!」と、いなもとさんが笑顔で力強く宣言、お互いの健闘をたたえ合う拍手のうちに、つわものたちの熱い戦いは幕を閉じました。

執筆・城びと編集部(白川麻里江)