最初の日本100名城スタンプラリーは此処でコンプリート
(2008/05/17 訪問)
市電で市役所前まで乗り、重要文化財の長塀沿いに加藤清正像まで歩く。櫨方門脇の備前堀からは既に飯田丸五階櫓が見えていた。前回訪れた2003年には全く姿を見せておらず、今回初めて拝むことができた次第。正直、本丸御殿よりも期待していた飯田丸五階櫓であったが、見事な石垣の上に載るその佇まいは期待を遥かに超える素晴らしさだった。自分を天守に見立てて櫓に家臣の名前をつけた加藤清正。飯田丸は重臣、飯田覚兵衛に因む。池波正太郎の「火の国の城」は既に2006年に読了しているのでこの飯田丸五階櫓は2年間も恋いこがれていた存在だったのだ。坂を登って頬当御門に到着。ここは二の丸、三の丸駐車場からの入り口に当たり非常に人通りが多い。スタンプはなるべく閑散としている所でゲットしたいので此所はパス。重文の宇土櫓前の素晴らしい空堀と二の丸の堀や復元された櫓・門を楽しんで櫨方門へと舞い戻った。期待通り、櫨方門のスタンプは素晴らしい状態。これで、日本100名城のスタンプラリー完遂である。11ヶ月と15日、基本的には土日しか遠出が叶わない(しかも必ず第1日曜には所用が入る)身でありながら1年足らずで100個のスタンプをコンプリートできたのは想定以上の出来である。櫨方門からはいると目の前に竹の丸からの見事な石垣群が広がっている。素晴らしい石垣の眺めなのだが、観光客はさほど多くない。私はここからの熊本城の眺めに感銘を受けためこの城が最も好きな城になっていると言って良い。多くの観光客が頬当て御門から宇土櫓、本丸御殿、天守を見て終わりにしてしまっていることが残念でならない。駐車場を利用する観光客も備前堀からの飯田丸を見て櫨方門から入城し、竹の丸からの圧倒的な石垣をぜひ堪能して欲しいと思う。竹の丸から本丸へと向かっていくと、二様の石垣という見どころもチェックできるわけだし。本丸へ赴く前に飯田丸五階櫓の中を見学していく。床板をとめる釘の感触が足裏に心地よい。窓が小さく、眺望は楽しめないが、木造での復元を存分に楽しむことができる。続いて重文の宇土櫓にも登る。現存十二天守の中に入れても規模の面では上位に食い込むこの櫓は熊本城の必見スポットである。飯田丸に対する執心があったとはいえ、世間が騒いでいる本丸御殿は勿論、大きな存在。それでもゴールデンウイーク明けで混雑のピークは去った様子。楽に見学できそうな気配だつたので天守の方を先に見ていくことにした。西南戦争のかちあい弾の展示が見あたらなかったが、どんどんと歩を進めて大天守の最上階へ。落成間もない本丸御殿を俯瞰してみた。屋根の漆喰の白さが眩しいが、何年かすれば落ち着いたたたずまいとなるであろう。いよいよ本丸御殿へと向かう。NHKの特集番組を見、期待を大きくふくらませてきた。幸いにして待ち時間は0分。地下通路を抜けてあっという間に本丸御殿内にはいることができた。本丸御殿内は勿論撮影禁止。カメラを持っていたためしっかりたしなめられたが、翌週の25日(日)からは昭君の間と若松の間以外の撮影が可能となっている。滝の絵の若松の間は待ち時間無し。目玉の昭君の間も人だかりこそあったが、すぐにのぞき込むことができた。短いながらも説明も聞くことができ、襖絵、格天井としっかりと楽しむことができた。本丸御殿に時間がかからなかったので大分ゆとりができた。数寄屋丸二階大広間を見て東竹の丸に降り、本丸御殿を見上げつつ不開門から出て谷干城像、横井湘南維新群像をチェックしてから三の丸に移築されている細川刑部邸へと向かった。熊本城との共通券を買っておけば良かったのだが後の祭り。刑部家は細川忠利の弟・興孝に始まる細川家一門。その本邸に相応しい規模と格式を持っている。
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