4月6日は「城の日」ということで、当初は彦根城に行くつもりだったのですが、関西の桜は各地で見頃ながら彦根ではまだもう少しのようなので、予定変更し満開の大阪城へ。この日は天気も良く気候も穏やかで絶好の花見日和。週末でもあり大阪城公園は花見客でごった返していますが、私のお目当ては(桜はもちろんながら)大手口多聞櫓と千貫櫓、焔硝蔵の特別公開です。
大手口大門を抜けて少し行ったところの売場でチケットを買い、多聞櫓の続櫓に入ります。続櫓内部は東側が6室の部屋、西側が武者走りになっており、大手口桝形に向けて笠石銃眼が並んでいます。大阪城の石垣にはいたるところに笠石銃眼が見られますが、こうして櫓の中で実際の姿を目にすると、よりイメージしやすくなりますね。また、続櫓の窓から桝形内を見渡していて、ここが大手口桝形の3つの巨石の上だということに気が付きました。あの巨石の上から桝形内の敵兵を迎え撃つ自分……「一網打尽にしてくれるわ!」という気分になります。大門上の渡櫓の槍落としからは下を通る人の様子がよく見えますし(少し前に自分が通った時は槍落としに気付かなかった)、千貫櫓の狭間からは大手門方面に横矢掛け放題。「一兵たりとも城内に入れるな!」な気分。寄手の足軽目線では絶望的な気分にさせられる大阪城ですが、城兵側では何だか気が大きくなってしまいます。
千貫櫓を抜けると西の丸庭園。西外堀沿いの石垣の上を歩いて乾櫓、そして焔硝蔵へ。総石造の蔵は見るからに頑丈そうですが、中に入って驚きました。狭い! 蔵の幅から考えて狭すぎます。帰ってから資料を見てみると、蔵内部の幅約2.7mに対して壁の厚さは約2.4mなんだとか。蔵全体の3分の2近くが壁なのか…。現存の蔵が造られる前に、城内で焔硝蔵の大爆発があったそうですが、これだけのものを造る必要を感じるほどの爆発だったんでしょうね。
さて、櫓と蔵をめぐり終えると、あとはのんびりと城内の桜見物です。西の丸庭園から桜越しの天守を眺め、本丸をぐるりと一周し、六番櫓から一番櫓まで南外堀沿いの石垣の上を歩き、玉造口から南外堀南側の桜並木を抜けて、帰途につきました。
櫓の特別公開で軍事要塞としての大阪城を実感するのも楽しかったですが、桜の下では花見客が飲んで食べて歓談し、芝生では親子連れが遊び、木陰にビニールシートを敷いて昼寝をし、キッチンカーからは食欲をそそるにおいが漂い、猿回しの周囲には人垣ができる…。武力と権威の象徴だった城が人々の憩いの場として親しまれている、そんな平和な時代に城めぐりができること、そして次の「令和」もそんな時代であってほしい、そんなことを考えた平成最後の城の日でした。
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