大坂の陣の後、西国大名に対する備えとして、また西国街道と明石海峡に睨みをきかせるため、小笠原忠政が徳川秀忠の命により築いた城で、天守こそ建てられなかったものの、高石垣の本丸の四隅に三重櫓を備えた豪壮な造りでした。明治の廃城令以降、ほとんどの建物は解体されましたが、元藩士たちの働きにより巽櫓・坤櫓は遺され、阪神淡路大震災で大きな被害を受けながらも曳家工法により修復されて、美しい姿を今に伝えています。
さて、今年は明石城築城400周年ということで、様々な記念イベントが催されていますが、この日は巽・坤両櫓の同時公開日(シロマサさんと同じ日ですね)で、さらに先着40人(各20人を2回)限定で坤櫓の2・3階にも上ることができるとのことで、始発に乗って出掛ける……つもりが前夜に飲み過ぎて寝坊。二日酔い状態で電車に揺られて、明石駅に着いたのは整理券配布の15分前。もうダメかも、と思いつつも小走りで本丸への坂を駆け上がって行くと、整理券配布の行列はできていたものの何とか間に合いました。
そうして入場した坤櫓2・3階の特別公開では、天守台を見下ろすなど通常では見られない景色を堪能し、ガイドさんの解説により普通に見学しただけでは気付かないことについても知識を得ることができました。
坤櫓見学の後は、巽櫓はじめ本丸周辺の散策を。これまで明石城はJR明石駅のホームから遠目にしか見たことがなく、綺麗だけと小ぶりな城というイメージでしたが、三ノ丸や帯郭から見上げる延々と連なる高石垣といい、その上に聳える二基の巨大な三重櫓といい、ただただ圧倒されるばかりでした。どこが小ぶりな城だよ…。
その他、解体された乾櫓跡には櫓台の石垣が見られますし、艮櫓跡には発掘調査で発見された礎石が再現されており、艮櫓台の石垣には鬼門除けが施されているなど、本丸周辺だけでもお腹いっぱいになってしまいそうな明石城でした。建物が現存するお城をめぐるのは5月末の彦根城以来ですが、やっぱり文句なしに楽しいなー、と改めて。二日酔いも高石垣と三重櫓を見た途端に忘れてしまうほどに。
(続きます)
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