日本最後の城郭建築である園部城址の園部藩は今年で立藩400年となり、多くの記念イベントが行われた。最後は2020年の大河ドラマの時代考証も手掛けられる広島大学名誉教授三浦正幸先生の講義の後のフィールドワークがあると聞きつけ、先生の話を聞きたくて行ってきた。
たった2万9千石の小大名である小出氏ではあるが10万石大名をも凌ぐ5棟もの櫓を配し、うち城外の小麦(向)山上には三重櫓(天守代用櫓)を建築している。元々陣屋であるが本丸は三重の堀で囲まれており、この辺りの謎を古文章を紐解きながら先生に説明いただいた。
フィールドワークでは、現存する本丸櫓門と番所、巽櫓の特徴と価値について、また狭間塀と片側土塀の貴重さについて教えていただいた。
櫓門、巽櫓とも屋根瓦が反り上がっている様は尾張名古屋城以外見受けない貴重なものとのこと。
また、これら明治維新に建てられた城郭建築は、戦用のものとして作られていない、恐らく寺社建築の大工によるものであることなどの指摘があった。
なお、巽櫓の石落としは二条城を模倣している可能性があるとのこと。
園部城は日本最後の城郭にして江戸~維新期の最もよく出来た城との評価をされていた。
近くにある南丹市文化博物館では御城印も販売されているが、模擬天守閣は市の施設なのでご注意を。
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