道の駅「九郎兵衛の里」からレンタサイクルを利用することを考えていたのですが、第2火曜日で休業。スタンプは隣接する紀和町役場で押せますがレンタサイクルは無理。熊野市駅13:05発の特急で帰京したかったので朝田さんスタイルも無理。「行く日」と「帰る日」しかない一泊二日で来てしまったので無理無理尽くし。
となると思いつく手段は全行程タクシー移動の一択です。そんな、歩兵としての矜持に悖ることを…とためらいも少々ありましたが、ここまで来て登城をあきらめるわけにはいきません。第一交通さんに相談&交渉し「赤木城・丸山千枚田・九郎兵衛の里(紀和町役場)・鬼ケ城・その他おすすめの場所」をまわって12:30に熊野市駅に戻ってくるというルートでお願いしました。結果、ものすごく楽しくて濃い城旅(+その他)となりました。
赤木城は噂に違わぬさすがの石垣。青空と山々の緑に映える堂々とした姿から伝わってくる権威。ドライバーさんに1時間のフリータイムをもらって山裾の南郭まで素のままの藤堂高虎の縄張りを存分に堪能してきました。特に印象深かったのは主郭枡形虎口のかっこよさ。保存整備の素晴らしさに感謝です。
大満足で見学を終えたのですが、朝からずっと心に引っかかることがありました。熊野市駅に着いた時から、赤木城があまり推されていないように感じていたのです。現地には解説板も設置され整備も行き届き、駐車場もお手洗いも完備しています。ライブカメラもあります。それでも何かが違うのです。
「こんなに素敵なところなのに、なぜ?」と感じていた自分の愚かさに気づいたのは、饒舌なドライバーさんが赤木城に関しては「一揆……」とひとこと言われたきりだった時です。城目線、築城者目線、勝者目線でしか私は見ていませんでした。しかし、この地に暮らす方々にとっては悲しく苦しく重い歴史を孕む城。嬉々として訪れる観光客に複雑な思いを抱かれたのかもしれない、本当は伝えたいことがたくさんあったのかもしれないと思いました。
役割を終え長い眠りについた城が数百年の時を経て呼び起こされ「名城」として新たな役割を与えられた。その場所に導かれた意味を時間をかけて考えてみたいと思います。
わざわざ行くのが大変すぎるお城ですが、わざわざ行ったおかげで気づいたり考えたり学んだりすることがたくさんありました。
行く前はこれが最初で最後になるのではと思っていましたが、今は再訪したい気持ちが強いです。歩いてみるか電チャリで駆け抜けるかは🤔
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