三重県伊賀市の愛染院は松尾芭蕉の実家、松尾家の菩提寺で、芭蕉翁の遺髪を納めたとされる故郷塚が建っています。その近くには芭蕉翁生家があり見学が可能です。建物は江戸時代に再建されたもののようですが、芭蕉翁は正保元年(1644)ここで生まれたとされ、父は与左衛門、母は藤堂宮内の移封に伴い伊予国宇和島から名張に随従してきた人物の娘と考えられています。
芭蕉翁はここでは金作、または忠右衛門宗房と呼ばれていたようです。
藤堂藩伊賀附の侍大将・藤堂新七郎家の嫡子・主計良忠の文芸サロンに一座するようになった若き日の芭蕉翁は、めきめきと頭角を現していったそうです。
生家の奥手にある釣月軒は若き日の芭蕉翁の書斎で、ここで初の撰集「貝おほひ」を版行し、上野天満宮に奉納したそうです。芭蕉翁は29歳までここで過ごしたとされ、江戸に赴いた後も故郷で過ごした日々のことは忘れがたいものであったようです。
+ 続きを読む










