福島県相馬市の相馬野馬追でも有名な中村城です。中村の地は800年頃坂上田村麻呂が菅原実敬に館を築かせたのが始まりとされます。のちに1300年代から1543年まで中村氏の館が置かれますが、1563年相馬氏が支配下におさめ中村館に城代をおいたとされます。江戸時代に入り1611年中村館に新城を築き、それまでの小高城から移り相馬氏6万石の居城として明治維新まで続いています。城は宇多川左岸の丘陵に本丸を中心に二の丸、三の丸、岡田館など複数の郭を配し、周囲に水堀を廻らし東西600m南北650mの規模とされます。当初は本丸西南隅に天守閣がありましたが、1670年落雷により炎上。時の藩主は領民に負担をかけないため再建をゆるさず、その後も相馬藩はその方針を堅持し明治を迎えています。戊辰戦争では大藩である仙台藩に従い奥羽列藩同盟に参加したものの本意では無く、駐留していた仙台藩兵の撤退にあわせ政府軍に降伏、城下は戦火から免れましたが、城内の建物は新政府軍により取り壊され、唯一大手一の門が遺構として残っています。
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