新しくできた歴史観光施設「にほんまつ城報館」を訪れるのがいちばんの目的でしたが、その前にお城とは逆方向に歩いて30分くらいかかりましたが『供中口(ぐちゅうぐち)古戦場跡・三浦権太夫義彰戦死の地』へ行ってみました。東北本線の線路沿いに解説板や供養塔がありました。農兵を率いて供中口の防備についた三浦義彰は東軍戦死者で唯一尊王義士として靖国神社に合祀されたのだそうです。(二本松市HP参照) 戊辰戦争は「旧幕府軍vs新政府軍」「東軍vs西軍」「賊軍vs官軍」など呼称されていますが、必ずしも皆が同じ信念をもって同じ方向を向いていたのではなく、各々が志していたことや胸に秘めていた願いや祈りがあったことを思いました。
「智恵子の生家・智恵子記念館」へも行ってみました。「智恵子抄」の智恵子、高村光太郎夫人です。
ここからにほんまつ城報館へは約2km。ほぼ直進です。昔日を伝える碑が所々に建てられており、旧家や蔵の残る街道歩きを楽しみました。
2時間近く寄り道してしまいましたが無事「にほんまつ城報館」に到着。
昨年4月にオープンしたばかりの新しくて広々とした施設です。休憩できる場所があるというだけでもありがたいです。(歩兵の心身の支え、セブンイレブンも健在です。)
1階に二本松歴史館(常設展示室・企画展示室)があり、入館料一般200円で常設展示室に入りました。二本松の歴史が詰まっています。教科書には載っていない、ここに来ないと知ることのできない心の通った、歴史と対話のできる展示内容でした。(ネタばれはしないでおきます。)きっと訪れるたびに入館すると思います。
1階には二本松城ガイダンス室もあります。迫力満点のとてもきれいな映像が全周囲型スクリーンに映し出され、最新設備や技術の素晴らしさにとにかくびっくりでした。発掘ギャラリーもよかったです。
2階に観光情報ギャラリーがあり、受付で第5弾の城カードを購入できました。
にほんまつ城報館を出て藩校「敬学舘」跡を見学、工事中の道路を通って二本松少年隊群像、箕輪門へ。そこから三の丸経由で本丸へ向かいました。
以前来たときはここからとっくり井戸を通って搦手口へ下りてしまって北端のL字型堀切、空堀、土塁を見ていなかったので行ってみます。本丸石垣の右側から下りていけました。
こんな堀切があったんだ!と驚きの光景。土塁も空堀もはっきりしていて、中世の遺構もまだまだあるのだと知った次第です。かなり高いところまで登ったので眺めもよかったです。
搦手口へ下り、少年隊の丘、紫陽花の道を経て大手道に戻り、駐車場横に抜け出ました。(ここのお手洗いは海鼠壁でも下見板張りでもなく、石垣テイストです。)
最後に【大壇口古戦場】へ向かいました。
二本松城から徒歩30分くらい。ミニストップ向原店の向かいの小さな丘です。
JA側の階段をのぼったところに二勇士(青山助之丞・山岡栄治)の碑、隊長木村銃太郎戦死の地の碑がありました。
「うつ人も うたるる人もあわれなり ともにみくにの民とおもえば」(西軍隊長)
「色かへぬ 松間の桜散りぬとも 香りは千代に残りけるかな」(陸軍中将)
少年たちにも本当は別の夢があっただろうにと切なくなってきます。
東北本線の向こうに二本松城本丸石垣が望めました。
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