常盤橋御門は江戸城外堀の正門なのだそうです。ぐるぐる巻きの外堀に正門があるなんて考えたこともなかったのですが、大きな絵図で見ると大手門へと繋がっており、目から鱗でした。江戸五口のひとつでもあり、交通の要衝として重要なところだったそうです。
国史跡である常盤橋御門は常盤橋公園として整備されており、枡形石垣の一部を見ることができます。川べりの石垣には刻印石も見られます。
石垣の前に架かるモダンですてきなアーチ橋が常磐橋です。今年の5月に東日本大震災による被害の修復が終わり、歩いて通れるようになりました。
常磐橋は関東大震災でも大きな被害を受けていて、その再建に尽力されたのが渋沢栄一翁。公園には「第一国立銀行」の方向を向く大きな銅像が建てられています。
“36見附めぐり③”で投稿しましたが、取り壊された小石川門の石材が常磐橋の建造に用いられています。一度はお役御免となった石垣石が別の場所で石橋に生まれ変わる。それだけでもすばらしいのに、その後の二度にわたる震災ダメージからも不死鳥の如くによみがえる…。石垣が紡ぐ長く険しくも美しい物語に感動しております。備前岡山藩主・池田光政公にお伝えしたい。
千代田区の広報(vol.1542=web版あり)に今回の修復にあたっての詳細やご苦労が載っていました。もう二度と壊れないでずっと残ってほしいです。
なお、「ときわばし」の漢字表記は人道用の石橋のみ“盤”ではなく“磐”が使われています。
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