(続き)
不明門を抜けて石段を上がると本段に至ります。本段には城主の私邸にあたる本段御殿が建ち、北端には天守が聳えていましたが、本段御殿は明治に破却され、天守は岡山大空襲で焼失するも戦後に外観復元で再建されました。その際に焼失前の天守の礎石が本段南東部に元どおりの配置で移設されています。天守は不等辺五角形の天守台に建てられていることから不等辺五角形の1階から最上階まで各階の形状も異なり、見る場所や方向によって様々な表情を見せる天守になっています。小学生の頃、図書室のお城の本で岡山城の他にない形状の漆黒の天守の写真を見て以来、いつか行ってみたいと思っていましたが、長年の期待に違わぬ見応えのある天守でした。
本段をひとめぐりすると天守内へ。天守内には岡山城と歴代城主についての資料が展示され、城主の間が再現されていますが、令和の大改修でリニューアルされ、映像やプロジェクションマッピングを駆使した展示になっています。展示監修にあたった地元出身の磯田道史先生による「磯田's Eye」も興味を惹き理解を深められる内容ばかりでした。また、登城時には2階の企画コーナーで磯田先生のコレクション展「殿様たちのアート」が開催されていました。天守の最上階からは北に後楽園、南に本段御殿跡を見下ろし、屋根の上には金桃瓦や金鯱瓦が覗いています。1階にはカフェ、B1階にはショップもあり、ショップでお土産と「絵図で歩く岡山城下町」を購入しました。
天守を出ると夏の日も沈みつつあり薄暗くなっていました。烏城灯源郷の時間です(続く)。
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