いつどこでだったかは覚えていないのですが、松本城を見渡せる展望台のある「城山(じょうやま)公園」のあることを知り、いつかきっと……とチャンスをうかがっていました。
当日は梅雨真っ只中で微妙なお天気でしたが、新宿駅7:00発のあずさ1号で松本へ向かいました。
松本駅から城山公園までは路線バスも出ています。また、ちょっとだけ近くなるお隣のJR北松本駅にも興味をそそられましたが、松本駅から2km強ということなので歩くことにしました。
城山公園の所在地は松本市蟻ケ崎。「蟻」の字の印象が強めですが、途中にあった町名由来碑を読むと「盆地を見渡す突端の村」という意味があったそうで、期待が高まります。
小笠原長時公菩提寺、正麟寺に寄って城山公園入口へ。ここまでは緩い上り坂でしたがここから少し急坂になります。
やがて見えてきた「城山公園案内図」。
そこに描かれていたのは6つの曲輪。
……ちょっと待った!!ここは城なのか!?
“松本城を見下ろしたい”という一途な思いだけでやってきて、「城山公園」という名称に何も思わなかったという愚かさよ……。
ということで、意図せずながら城山公園=犬甘城(いぬかいじょう)に到着しました。
そうとわかれば松本城のことはちょっと置いておいて、犬甘城散策スタートです。
中央広場を横切ると「標高665.7m」の碑。長野県に来たんだなぁという感じがします。スタート地点の松本駅が標高約590mだそうなので自力で登った感はありませんが、スカイツリー・岩殿山・千早城の『武蔵(634m)三兄弟』(たった今命名)より高いところにいます。
三の郭に犬甘城山の説明板がありました。
北側には大きな空堀が下っているのが見えます。
句碑や文学碑、城山公園開放の碑などを読みながら一郭→二郭→四郭と進みます。整備された空堀や起伏が在りし日の城の姿を映し出してくれています。木の葉陰から松本城天守がちらちら見えますが展望台はまだこの先です。
五郭の城山稲荷神社まできました。
松本藩四代藩主の松平直政公が松江に移封になったときに分祀、守護神となったとあります。現在の松江神社と繋がることからこの城山稲荷神社は出世稲荷と言われているとのこと。
4月に行ったばかりの松江城。三の丸跡ににあった松平直政公像や御書院跡の松江神社が思い出されます。遡ればここに行き着くのかと感慨深いものがありました。
六郭の展望台に到着です。
もちろん上ります。
見えました、松本城!
そこそこ距離があるので丸見えということはありませんが、先の、“盆地を見渡す突端の村,蟻ケ崎”を実感します。松本盆地を囲む山々には松本城天守が建築される以前に多くの山城が築かれていたそうで犬甘城もそのひとつ。いつまでも眺めていられる、何度でも来たくなる景観でした。
また、松本城と反対側、奈良井川方面もゆったりとした風の流れを感じるすてきな眺めでした。
夏の照りつける日差しのあとにドバーッと雨が降ったりと晴雨兼用傘が大活躍の中でしたが、一つ願いが叶い、また、サプライズ訪城もありで、とても楽しい時間が過ごせました。
では、松本城へ向かいます!
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