田上山城は、山頂の主郭を中心にY字型の尾根上に西側、南東側、北側の郭で構成されています。主郭は不等辺四角形で四方を土塁で囲まれており、虎口は北側と西側に配しています。北側の虎口には北郭に通ずる土橋が掛かり北郭の先には、角馬出が配されています。その角馬出の先には北外曲輪があり、その北外曲輪の最北端にはL字型の土塁があり虎口を設けています。
本郭の西虎口の先には西郭があり、主郭の西を防御する郭で北国街道を眼下に見渡せ、西郭の最西端の土塁には横矢枡形が設けれています。主郭の南には南曲輪があり四方を土塁で囲んで横矢折れも確認できます。
田上山城は賤ケ岳の合戦の折、羽柴秀長公が城を築き1万5千の兵を率い布陣した陣城と言われていますが、規模も大きく構造も立派でまさしく城と言っても過言ではないと思います。(私見)
意富布良(おほふら)神社駐車場に車を止め、神社境内の脇から田上山に登る道があり登城しました。登城路・城内は良く整備され、草木生い茂る5月とはいえ、難なく散策できました。
この城の見所は、秀長公が陣を敷いた城とはいえ、合戦をした記録もなく、すぐに陣を払っている為、遺構が良好に残り土塁、土橋、郭、堀切がはっきり分かる所だと思います。
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