静岡県掛川市の横須賀城です。高天神城を武田勝頼に攻略された徳川家康が、1575年長篠の戦いでの大勝後、大須賀氏に命じて高天神城奪還のための前哨基地として1578年築かせたとされます。1582年武田氏滅亡後に城下町や港の建設が行われ、大須賀氏から最後の城主西尾氏2万5千石まで8家20代の城主を数え明治維新を迎えています。城は、築城当時の小笠山から張り出した尾根に造られた本丸の山城と、近世以降拡張された二の丸・三の丸の平城部分の周囲を堀で囲み、大手門が東西2か所あることや天竜川より運ばれた玉石を石垣に用い、1707年の宝永地震までは城内に船着き場があったなど特徴のある造りで、東西650m南北350mの規模とされ、本丸には三層四階の天守閣がそびえていたとされます。城は現在、本丸・西の丸・北の丸などが横須賀城跡公園として整備され、遺構としては玉石造の石垣や土塁、堀が残り、城門の不開門が近くの撰要寺に残っています。
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