大手門の堀の蓮は見頃にはまだ少し早かったのですが、一面の緑が眩しい広大なお堀は清々しく爽やかで気持ちのいい眺めでした。黒門跡から入城し、佐竹史料館は帰りに寄ることにして長坂を上って御物頭御番所へ。ここまでくる間にもかなりくねくねしています。
御物頭御番所は藩政時代から唯一残る貴重な建物。ありがたいことに出入り自由です。懐かしささえ感じる静かな佇まいに、住み込みの番人になって日がな一日表門を眺めていられたらな……などと思ってしまいました。
その表門は平成13年再建の櫓門。石段を程よいアプローチとし、威風堂々たる立ち姿です。本丸側右手の土塁上から眺める姿もまたかっこよい。年月を重ねるごとに風格を増す、そんな門に育ってくれたらなぁと思います。
北西隅に再建された御隅櫓は時季的に周囲の木々が繁茂していることもありますがなかなか外観全景を捉えられません。やはりこの場所はもう少しこじんまりとした(にちがいない)往時の二重櫓(物見櫓・武器庫)が相応しいのではないかなと思えてきます。しかし、三階部分に設けられた展望室の廻縁で心地よい風を感じながら周囲の景色を楽しみ、屋根を写り込ませたお約束の遠景写真を撮っていると、この展望室があるからこそ見えない敵と戦う時代につかの間の休息を与えてもらえたのだと感謝です。館内はビデオや展示もとても充実していて、特に精緻なジオラマに感動。ドラえもんにガリバートンネルを出してもらって中を歩きたくなるくらいでした。(スモールライトでもいいです。)
舟形手水鉢のある茶室宣庵へ向かう途中に御出し書院(天守代用)跡へ。そうだ、ここは土の城だったんだ、ということを思い起こさせてくれる雰囲気があります。書院跡からも見下ろすことのできる舟形手水鉢は文禄の役の際に加藤清正が朝鮮から持ち帰り大阪城内にあったものを石田三成の計らいで佐竹家に贈られたと伝えられているもの。想像していたより洗練された感じでした。
内堀、佐竹小路のほうへぐるっとまわりましたが、城跡を丸ごと公園化した久保田城は折れあり高低差ありで効率よくサササーッとはまわりづらい、というところにいちばんお城らしさを感じました。視覚だけではその広さを捉えられず、歩いてみて初めて広大さと複雑さに気づくといった感じ。めんどくさいお城です(褒めてます)。
前回訪問時は秋田城→湊城→久保田城とバタバタとまわり佐竹史料館に行けなかったので今回こそはと思っていたのですが、またしても時間切れ。次回(いつだ?)は先に史料館に行って、移築門と周辺にあるというキリシタンの歴史にも触れてみたいです。
そういえば……ですが、秋田城で佐竹史料館との共通券について尋ねると「佐竹さんの史料館は…」と言われました。また、秋田出身の同僚に久保田城に行ったことを話すと「佐竹さんのお城ね」と言われました。“佐竹”ではなくて“佐竹さん”です。常陸国から転封後、270年(現在もか‼︎)の長きにわたって治め、彼の地に根付いた佐竹氏の歴史が人々の中に薄れることなく受け継がれているのだなと感じました。
【お城川柳121】
秋田城じゃなくってここは久保田城
わかっているんですけど、つい「秋田…」と言ってしまうのです(;’∀’)駅前だし……。
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