2022/09/26
「総選挙」シリーズ ランキング 【11位~20位編】「歴史の専門家が選ぶ 難攻不落!最強の城総選挙」ベスト20の順位結果発表!
2022年9月26日(月)にテレビ朝日系列で放送の「歴史の専門家が選ぶ 難攻不落!最強の城総選挙」。日本全国の歴史の専門家による投票で、ガチで選んだ「最強の城」はどこか? 今回は【11位~20位】をランキング形式でご紹介します。
▼1位~10位の順位はこちらの記事をチェック
「速報!【1位~10位編】「歴史の専門家が選ぶ 難攻不落!最強の城総選挙」ベスト20の順位結果発表!」(https://shirobito.jp/article/1665)
「歴史の専門家が選ぶ 難攻不落!最強の城総選挙」とは?
テレビ朝日系列で放送されている「総選挙」シリーズは、プロレス、アニメソング、お菓子など、あらゆるジャンルの人気No.1を投票で決するガチ企画です。今回は「最強の城」を決める総選挙を実施! ランキングは、「石垣が高くて攻められない」「自然の地形をうまく利用している」「城下町が要塞のようになっている」など、歴史の専門家にさまざまな観点から「難攻不落!最強!」と思う日本国内のお城を5つ、難攻不落順(最強のお城順)に挙げてもらい、1位10P、2位8P、3位6P、4位4P、5位2Pで集計して決定されました。
「最強の城総選挙」11位~20位をランキング形式でご紹介!
日本全国の歴史の専門家が選んだ「難攻不落」「最強の城」はどこなのか? 11位~20位をランキング形式でご紹介します。
【20位】月山富田城(島根県安来市)
戦国時代に中国地方の有力大名・尼子氏の本拠地であった城。尼子氏は最盛期には中国地方11か国を支配していました。月山富田城の籠城戦は2回あり、1回目は籠城して敵を撃退しました。しかし、永禄9年(1566)、毛利元就との1年半におよぶ籠城戦の末、開城しています。
番組で紹介されたのは、月山富田城の山頂まで続く曲がりくねった道「七曲り」。敵を疲れさせるグネグネした道は細いので、大軍が来ても1列にしかなれません。曲輪に兵士たちが待ち伏せる場所が、山頂までいくつもあり、そこを弓矢で一網打尽にされてしまうのです。
<月山富田城へのアクセス>
JR荒島駅からイエローバス(広瀬行き)20分、市立病院前下車、山麓まで徒歩10分、またはJR安来駅からイエローバス(観光ループ)45分、市立病院入口下車、山麓まで徒歩10分
▼1回目の籠城戦について、もっと知りたい方は
「籠城戦で敵を撃退した戦いを検証する「第2回 第1次月山富田城の戦い」小和田哲男」(https://shirobito.jp/article/1316)
※城びと会員限定記事
【19位】彦根城(滋賀県彦根市)
多彩な屋根が目を引く彦根城の三重三階の天守は国宝。現存12天守の一つです。関ヶ原の戦いの後に築城された豊臣勢を監視するためのお城だったため、実戦を想定した造りになっています。
お城や城下町は、巧妙なトラップだらけ。たとえば、城下町は道を微妙にずらしてまっすぐに進めなくして敵のスピードを落とさせる「くいちがい」が。城内は、段差や幅が違い下を向いて登ると上から攻撃されてしまう階段や、一度入ってしまうと3方向から攻撃を受ける石垣に切り取られた「大堀切」、本丸に向かう先にある天秤櫓にかかる「廊下橋」は攻め込んだ敵が橋を渡ろうとすると崩れ落ちる構造。天守内部には、普段は漆喰で塗り固められているがいざとなったぶち抜いて攻撃できる「隠し狭間」を多数設けるなどしています。
<彦根城へのアクセス>
JR彦根駅から徒歩約15分
▼彦根城をもっと知りたい方は
「【彦根城】城下町も残る井伊家の居城」(https://shirobito.jp/article/304)
▼国宝5城について知りたい方は
「国宝天守5城ってどうやって選ばれたの? 国宝と重要文化財の違いって?」(https://shirobito.jp/article/434)
【18位】竹田城(兵庫県朝来市)
15世紀に築かれた山城を、天正13年(1585)に城主となった赤松広秀が大幅に改修しました。標高354mの山頂部に本丸を構え、北千畳や南千畳の曲輪群を有しています。天守台南西面にある高さ約10mの高石垣をはじめ、当時最先端の技法による石垣に守られた城です。
「天空の城」として知られていますが、その「雲海」に強さの秘密が。当時の人には山岳信仰が根付いていて、雲海に人間の力を越えたものがあって恐れていたそうです。
<竹田城へのアクセス>
JR竹田駅から徒歩約40分
▼竹田城を見に行きたい方は
「雲海の城を見に行こう!発生条件や必要な準備は?」(https://shirobito.jp/article/533)
【17位】春日山城(新潟県上越市)
南北朝時代、越後の守護・上杉家が築城したと伝わる春日山城。15世紀には、越後の覇者・上杉謙信の本拠地として今の姿に改修されました。春日山(蜂ヶ峰)の山頂に本丸(実城)を置き、山全体に膨大な数の曲輪を配置。普通のお城は武士は麓に住み、戦の時だけ城に行って戦ってましたが、上杉謙信は忠義心の強い武士を城に住まわせました。一族の屋敷や重臣の屋敷などを含めた200以上の曲輪を並べ、曲輪間は堀切や土塁を設けて防御力を高めています。
<春日山城へのアクセス>
えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン「春日山駅」より徒歩40分。えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン「直江津駅」より頸城バス春日山・佐内線に乗車、「中屋敷」バス停下車徒歩20分、または「春日山荘前」バス停下車徒歩15分
▼春日山城をもっと知りたい方は
「春日山城 膨大な曲輪を持つ上杉謙信の居城」(https://shirobito.jp/article/1418)
【16位】松山城(愛媛県松山市)
「賤ヶ岳の七本槍」の一人・加藤嘉明が築城しました。数多くの合戦での経験を活かし、実戦的要素が随所に取り込まれた城で、完成まで実に25年以上もの月日が費やされたといいます。現存12天守の一つで、21もの重要文化財が残されています。
目の前にある天守に向かって行くと行き止まりになってしまう道や、奇襲が仕掛けられる隠門、360度四方から狙われる連立式天守など、巨大な迷路のようなトラップを体感できる城として紹介されました。
<松山城へのアクセス>
JR予讃線「松山」駅から市内電車「道後温泉行き」で約10分「大街道」下車、徒歩約5分、松山城山ロープウェイで約2分、山頂駅から天守まで徒歩約10分。
▼松山城のことをもっと知りたい方は
「【日本100名城・松山城編】激戦が生んだ、市民に受け継がれる名城」(https://shirobito.jp/article/404)
▼現存12天守についてもっと知りたい方は
「現存天守はなぜ12城しか残っていないの?」(https://shirobito.jp/article/395)
【15位】五稜郭(北海道函館市)
戊辰戦争の終焉の地として知られる五稜郭。江戸幕府により安政4年(1857)から、蝦夷地を管理して外国から防御するために7年かけて作られました。武田斐三郎が西洋式築城術の書籍をもとに設計建築した、日本でも珍しい星型要塞(稜堡式城郭)。稜堡式城郭は城内に死角ができにくく、星形の張り出し部分から一斉射撃をすると十字砲火ができるのが強みです。
<五稜郭へのアクセス>
市電「函館駅前」から約16分、「五稜郭公園前」下車、徒歩約15分
▼五稜郭についてもっと知りたい方は
「五稜郭で土方歳三が戦った、箱館戦争にまつわる歴史とは?」(https://shirobito.jp/article/301)
▼星型要塞についてもっと知りたい方は
「ヨーロッパみたいな星形のお城がなんで日本にあるの?」(https://shirobito.jp/article/491)
【14位】岡城(大分県竹田市)
平安末期に都落ちした源義経を迎えるために築いたと伝わる岡城。戦国時代には島津の大軍による猛攻を受けますが、これを撃退。戦国時代の終わりに、豊臣秀吉の家臣・中川秀成により、高石垣を多用した総石垣造りの城郭に生まれ変わりました。
番組では、岡城の強さは阿蘇山と大きな関係があると紹介。岡城は阿蘇山の噴火の火砕流の岩石の上にたっています。岡城は2本の川で囲まれていますが、その川が天然の堀となっていて、ツルツルの川に苦戦していると、対岸から攻撃されてしまうのです。また、阿蘇山の活動でできた阿蘇溶結凝灰岩でできた強固な石垣も敵を阻みます。
<岡城へのアクセス>
JR豊後竹田駅から車で約5分
▼岡城についてもっと知りたい方は
「お城紀行〜城下と美味と名湯と 第5回 |【岡城・前編】西洋風デザインに秘められた謎を追う」(https://shirobito.jp/article/231)
「石垣だけじゃない!? 9万年以上前の阿蘇溶結凝灰岩をフル活用した岡城(PR)」(https://shirobito.jp/article/1037)
【13位】山中城(静岡県三島市)
北条氏が本拠地・小田原城の西側の守りを強化するために築いた城。ワッフルの網目のような「障子堀」は、敵の移動を制約し、狙い撃ちができる、一度はまったら抜け出せない蟻地獄のような恐ろしい構造。しかも滑りやすい関東ローム層のためツルツル滑ってしまいます。
豊臣秀吉の小田原攻めの際は、7万ともいわれる秀吉軍の猛攻を受け、半日で落城しました。
<山中城へのアクセス>
JR三島駅から東海バス・元箱根港行きで約30分、「山中城跡」バス停下車すぐ
▼山中城についてもっと知りたい方は
「ナワバリスト西股さんと行く! ビギナー女子の山城歩き STEP1【山中城の壱】山城で鉄砲と土塁の関係を学ぶ」(https://shirobito.jp/article/216)
【12位】韮山城(静岡県伊豆の国市)
韮山城は、伊豆国を平定した伊勢宗瑞(北条早雲)が築いて本城とした城。その後北条氏が小田原城に本拠を移した後は、伊豆地方を治める支城となりました。今川氏・武田氏などの大名に対する防御拠点として重要な地でした。
豊臣秀吉による小田原攻めでは、4万4000の軍に囲まれ、3ヵ月にわたる籠城戦の後、開城しました。
<韮山城へのアクセス>
伊豆箱根鉄道韮山駅から徒歩約20分
▼小田原城を中心とした支城について、もっと知りたい方は
「理文先生のお城がっこう歴史編 第22回 様々な中世城郭1 小田原北条氏の城」(https://shirobito.jp/article/1011)
【11位】忍城(埼玉県行田市)
映画『のぼうの城』で知られるお城。戦国時代には成田氏が城主として数々の侵攻を退け、難攻不落の城として知られました。天正18年(1590)の豊臣秀吉による小田原攻めでは、石田三成率いる大軍に水攻めをされるものの落城しませんでした。この水攻めは日本三大水攻めといわれています。
<忍城へのアクセス>
秩父鉄道「行田市」駅から徒歩約15分。またはJR高崎線「吹上」駅から朝日バス(前谷経由)行田折返し場・行田市駅・総合教育センター行きで約15分、「忍城」下車すぐ。
▼忍城の水攻めについてもっと知りたい方は
「豊臣秀吉ってなぜ水攻めが得意だったの?」(https://shirobito.jp/article/1189)
文/城びと編集部 写真/城びと会員の皆さま