熊本城の宇土櫓の修復は2032年完了予定、主要区域と重文建造物の修復は2042年完了の予定、この時点であと17年です。
地震前の姿に復旧するのは2052年度になる予定、長いですね。でも本当に以前の姿を完全に取り戻すことが出来るでしょうか。バリアフリー化を謳っている以上、今後様々な問題が発生すると思います。重要文化財は元の姿に戻すことを念頭に置いていても、本丸御殿や飯田丸五階櫓の修復はすんなり進むでしょうか? 現在は空中回廊が設置されて、エレベータも整備されているので車椅子の障碍者でも天守閣まで問題なく行くことが出来ます。ただ、回廊と昇降機がセットになっているので、回廊を撤去した後の状態が不明瞭です。
また本丸下の「闇り通路」からは、かつての「雰囲気」を感じることは出来ません。本丸前の広場もコンクリートですっかり覆われていて、人工的な感じが強くなりました。バリアフリーの為に仕方がないとはいえ、いささか過剰に感じる部分があるのも事実です。
復興した天守閣は小型のエレベータを組み込んであるという話ですが、実際には大きな容積を占めていて、健常者用の階段を減少せざるを得なかった為、さほど広くない階段に無理やり間仕切りをつけている状況です。登る人と降りる人が狭い空間で大量にすれ違うので転倒などのリスクが生じると思います。
岡山城の天守もエレベーターを設置していますが、三階までの限定で歩行者の移動も比較的スムーズです。熊本城に関しては、正直バリアフリーを取り入れた復興の方法が少し性急だったのではないかとも思いました。
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