自身が所属する古文書を読む会の移動研修会で、今回は岩手県の北上市・花巻市を訪問しました。この地域は和賀氏、稗貫氏が戦国領主だった地域で、二子城は和賀氏の本拠地でした。両氏はともに天正十八年(1590)の秀吉の奥州仕置きにおいて所領没収になりますが、その後旧領回復をめざし「和賀・稗貫一揆」を起こします。さらに慶長五年(1600)には和賀忠親が旧領奪還(伊達政宗の働きかけ)を目論み、稗貫氏旧臣らとともに「岩崎一揆」を起こします。かつての稗貫氏の本拠地で、すでに南部氏抱えとなっていた鳥谷崎城(のちの花巻城)を攻めますが、落としきれずに敗走、岩崎城に籠ります。翌年春に体制を整えた南部勢に敗れ一揆は終結、忠親は仙台の国分尼寺で最期を遂げます。
この日は、二子地区にお住いの郷土史研究家Oさんに詰城の二子城と、平時の居館とされる白鳥館のご案内とご説明を頂きました。
この城は天正二十年には廃城となっているようですが、まず驚かされるのはその規模です。南北1,000m、南北500mと中世城館としては広大であり、この地に君臨した和賀氏の繁栄を感じることができます。山城部分では山上の主郭の広さ、展望の良さ、切岸、帯曲輪、堀切など残りの良さに感動します。麓の白鳥館(古館)も北上川に面した段丘上にあり、かなりの広さで、西側に残る堀切も見事。館の近くには北上川の船運で利用された川湊もあったらしく、戦に明け暮れていた時代にもしっかりと経済活動を営んでいたことが判りました。
東北自動車道北上江釣子ICより18分(16km)八幡神社下に駐車場・トイレあり
+ 続きを読む