城郭の博物館とも称される鳥取城は、戦国期から江戸時代に掛けて様々な年代の遺構が見られます。戦国時代の山城(山上の丸)と麓の近世城郭(山下の丸)からなるお城でその中で唯一無二として有名なのが「巻石垣」と言われる球面石垣です。
1807年頃、天球丸と呼ばれる曲輪の石垣崩落を防止する目的で甲羅状のユニークな形状の石垣が補強、築き足されました。河川護岸などに使われている石積み技術を応用したものだそうです。球型の形状のせいなのか、どうしても可愛らしく見えてしまいますね。
この天球丸という曲輪の不思議な名称ですが、球面石垣が積まれたことで名付けられたものではなくて、関ヶ原の戦い後に鳥取城主となった池田直吉の姉、天球院が住んでいた事に由来しているそうです。
この天球院様、父が池田恒興、池田輝政の妹なのですが、戦国気質の女傑と呼ぶに相応しい、とても強い女性で数々の逸話が残っています。関ヶ原の戦いの最中、夫の対応に我慢ならず、離縁するのですが、その立ち振舞いと彼女に関係する人達の因果関係が複雑に絡んで面白い事に、興味のある方は、調べてみてね。私は天球院様に同情しますけど。
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