(続き)
旭川河畔から下の段に戻り、反時計回りに下の段を一周します。本段南東部の宇喜多期の高石垣も南西部と同じく隅部が岩盤の上に築かれています。本段東辺の石垣沿いに北に進むと、宇喜多期の石垣に小早川期に継ぎ足された石垣の継ぎ目がありました。継ぎ目だけでなく積み方の違いもはっきりしていて面白いですね。さらに進むと、本段北東部の石垣下部にはばき石垣が設けられていました。はばき石垣で西に折れた先には六十一雁木下門の石垣が遺り、かつて61段あったとされる石段(雁木)の上には六十一雁木上門が再建されています(通行不可)。
六十一雁木下門の北側では本段の石垣が鈍角に折れています。岡山城の見どころのひとつ、不等辺五角形の天守台です。天守台の下から天守を見上げつつ、開祖宇喜多氏顕彰之碑をすぎると搦手にあたる廊下門があります。櫓門の上屋は本段と中の段を結ぶ城主専用の廊下として使用されていたことから廊下門と呼ばれ、現在の門は昭和に再建されたものです。廊下門の西側から横矢を掛ける小納戸櫓跡の石垣には石樋や刻印石が見られます。中の段の北西隅に現存する月見櫓は、石落としを備えた出格子窓を鉄板で覆っており、下の段から見上げるとなかなかの迫力です。そして中の段の西辺石垣を月見櫓~数寄方櫓~伊部櫓とたどって大納戸櫓で下の段一周です。また、内堀側には油櫓~修覆櫓~太鼓櫓を結ぶ石垣と櫓台が遺っています。
続いては中の段へ。供腰掛の脇から石段を上って鉄門に向かいます(続く)。
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