最近、小早川秀秋のことばかり考えています。この若者が何を考えてここに来たのか、考えていたら妄想が止まらなくなってしまいました。ここからは妄想戦記関ヶ原で行かせていただこうと思います。私見や主観を通り越した、かなりぶっ飛んだ内容になりますのでご容赦くださいませ。
主郭に立って全面を俯瞰すると関ヶ原一帯が良く見渡せます。今は樹木が生えているので大谷吉継陣や南宮山の毛利輝元の陣は見えませんが、かつては良く見渡せたことでしょう。小早川に陣地をぶんどられた伊藤某が樹木の伐採を行ってくれていたはずです。
ここは東軍を攻めるにしても西軍を攻めるにしても絶好の配置。それだけではなく南宮山の毛利の動向も伺えたはずです。少なくとも毛利の陣からは松尾山の小早川の陣の動向が良く確認できたはずです。それが重要なことだと思うのです。
それにしても陣地を得るためだけに味方を追い出してまで布陣するでしょうか。一つ間違えば内乱になりかねません。なりふり構わずこの場所に陣取っただけの重要な理由があるはずです。実は小早川は内府に味方する振りをしながら、ここに内府の首を取りに来たのです。とはいえ‥条件を満たせばの話です。彼にとってのこの合戦での百点満点の回答は内府に味方し西軍を討ち果たし、彼に褒めてもらうことではありません。内府の首を小早川の軍勢が挙げ、後の自らの天下人への踏み台を築くためです。
そのために遠方よりわざわざ15675名もの兵士を引き連れてきているわけです。この数は大身の毛利の軍勢とほぼ変わりません。この陣地は家康の首を取るのに最も適した陣地でもあるわけです。秀頼の誕生によって一度その手からすり抜けた天下に近づくためには自ら家康の首を取る必要があったわけです。彼の心の中の隅にあった天下への渇望がここに来てより大きくなったのではないでしょうか。しかしそのことを監視の奥平貞治に気づかれるわけにはいきません。
さて、関ヶ原合戦よーいどんです。一番槍を横取りされた福島正則が怒っています。それはさておき今、西軍を小早川が攻めれば東軍は間違いなく勝利するでしょう。でも彼は動きません、家康が天下を取るのがイヤなのです。毛利が東軍に調略を受けているのは小早川も承知していたとは思いますが、毛利が動いてくれなければ家康の首は取れません。今、強引に攻めれば万一、家康の首を取れたとしても数で勝る東軍に袋叩きに会うでしょう。秀忠の3万8000の軍が来ていない以上、毛利と小早川で挟撃すれば勝てる公算が高いです。
小早川はギリギリまで動かない決断をします。小早川隊が動かないのは南宮山から良く見えるはずです。霧が出ていたとしても標高の高い峰同志、間に遮るものはないはず。小早川が動かないということは東軍の調略がうまくいっていないということを示しています。
毛利が東軍を攻撃すれば小早川も呼応すると考えるのが妥当でしょう。「ユー動いちゃいなよ!」「内府を挟み撃ちにしちゃおうぜ!」
このメッセージは毛利に届いているでしょうか?
小早川は自分が毛利だったら東軍を攻撃するだろうと考えていたはずです。
※
でも秀秋の送ったメッセージは大御所家康公にはバチバチに届いているようです。戦場でこの御方の目をごまかせるわけが有りません。
どうする秀秋?
松尾山城攻略に戻りますが、思ったより雪が積もっていて、よく滑る。しかも周囲の斜面が切岸のようで危ない。「やべえぜ‥」帰ろうかな‥と思いますが、もう少し頑張ってみたい。西の郭の北西の尾根先に出ますがここでは無いようです。とりあえず別の場所に移動します。
※ ちょっと思うところがあって修正
従来の二次資料に基づく関ヶ原観を主体に、話を小早川側に極端に寄せて膨らませていますが、近年論議されている一次資料による新設を考慮すると解釈が全く異なってくるので少し表現を控えました。
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