「総選挙」シリーズ ランキング 【1位~10位編】「歴史の専門家が選ぶ 難攻不落!最強の城総選挙」ベスト20の順位結果発表!

2022年9月26日(月)にテレビ朝日系列で放送された「歴史の専門家が選ぶ 難攻不落!最強の城総選挙」。日本全国の歴史の専門家による投票で、ガチで選んだ「最強の城」はどこか? 今回は【1位~10位】をランキング形式でご紹介します。

▼11位~20位の順位はこちらの記事をチェック
「速報!【11位~20位編】「歴史の専門家が選ぶ 難攻不落!最強の城総選挙」ベスト20の順位結果発表!」(https://shirobito.jp/article/1664

「歴史の専門家が選ぶ 難攻不落!最強の城総選挙」とは?

テレビ朝日系列で放送されている「総選挙」シリーズは、プロレス、アニメソング、お菓子など、あらゆるジャンルの人気No.1を投票で決するガチ企画です。今回は「最強の城」を決める総選挙を実施! ランキングは、「石垣が高くて攻められない」「自然の地形をうまく利用している」「城下町が要塞のようになっている」など、歴史の専門家にさまざまな観点から「難攻不落!最強!」と思う日本国内のお城を5つ、難攻不落順(最強のお城順)に挙げてもらい、1位10P、2位8P、3位6P、4位4P、5位2Pで集計して決定されました。


「最強の城総選挙」1位~10位をランキング形式でご紹介!

最強の城総選挙、テレビ朝日

日本全国の歴史の専門家が選んだ「難攻不落」「最強の城」はどこなのか? 1位~10位をランキング形式でご紹介します。

【10位】高取城(奈良県高市郡高取町)

最強の城、高取城

奈良飛鳥盆地の南にそびえる標高583mの山頂を中心に築城し、羽柴秀長配下の本多氏によって近世城郭へと仕上げられたお城。日本三大山城の一つで、どれだけ歩いてもなかなかたどり着けない険しい道が特徴。城内周囲は約3km、郭内周囲は約30kmという破格の規模です。いくつもの城門に守られ、大天守、小天守に加えて、城内に立ち並んだ17棟の三重櫓は圧倒的な破壊力だったと思われます。

<高取城へのアクセス>

近鉄吉野線「壺坂山」駅から徒歩約2時間。または、近鉄吉野線「壺坂山」駅から奈良交通バス「壷阪寺行き」で 11分、「壷阪寺前」下車、徒歩約1時間程度

▼高取城をもっと知りたい方は
「駅前の城下町発!苔むす石垣探しに、高取城で山城トレッキングデビュー!」(https://shirobito.jp/article/413

【9位】高天神城(静岡県掛川市)

最強の城、高天神城

「高天神を制するものは遠州を制す」とも称された高天神城は、三方が崖に囲まれた標高約130mの鶴翁山に築かれています。東峰と西峰二つの尾根が鳥の翼のように延びる要害の地。二つの曲輪が補完し合って一つの城として機能する「一城別郭」と呼ばれる構造をもちます。また、地盤が弱くて崩れやすいから攻めづらかったのではないかとも言われるそう。武田信玄・勝頼親子や徳川家康によって高天神城をめぐる数々の攻防が繰り広げられました。

<高天神城へのアクセス>

JR東海道線「掛川駅」からしずてつジャストライン掛川大東浜岡線「浜岡営業所」行き、または「大東支所」行きで約25分「土方」停留所下車、徒歩約15分 

▼高天神城についてもっと知りたい方は
「【続日本100名城・高天神城編】 武田信玄・勝頼親子と徳川家康が争った激戦地」(https://shirobito.jp/article/645

【8位】会津若松城(福島県会津若松市)

最強の城総選挙、会津若松城

幕末の戊辰戦争では約1カ月もの籠城戦に耐えた会津若松城は、「鶴ヶ城」とも呼ばれ、白虎隊のエピソードなどの悲劇が伝わるお城。

番組では、強さの秘密は「V」と「Z」2つの防御システムと紹介。「V」は、大勢の兵を一気に石垣の上に集めることができる、石垣の裏にあるV字型の階段「武者走り」。「Z」はZの形をした城壁で、敵を広い範囲から攻撃できると解説されました。

<会津若松城へのアクセス>

周遊バスのハイカラさん・あかべぇ「鶴ヶ城入口」下車、徒歩約5分

▼会津若松城についてもっと知りたい方は
「明治維新150周年企画「維新の舞台と城」 第9回 【会津若松城】城内への侵入を許さなかった会津魂」(https://shirobito.jp/article/363

【7位】名古屋城(愛知県名古屋市)

最強の城総選挙、名古屋城

名古屋城は、織田氏が今川氏から奪った居城の上に、徳川家康が大坂城を包囲するために築いたとされます。家康は天下普請を命じて多くの櫓や城門を設け、最大級の近世城郭を完成させました。

名古屋城の石垣の上には3つの巨大な櫓とそれにつながる長い多聞櫓があったそう。さらに櫓を突破しても、天守に入るにはまず小天守に入る必要がある、侵入者を許さない鉄壁の城であることが解説されました。

<名古屋城へのアクセス>

名城線「市役所」下車、7番出口より徒歩約5分

▼名古屋城のことをもっと知りたい方は
「前田慶次の自腹でお城めぐり【第1回】凸名古屋城(前編) ~武将隊の聖地~」(https://shirobito.jp/article/944

【6位】姫路城(兵庫県姫路市)

最強の城、姫路城

日本の城の中で初めて世界遺産に登録された城。姫路城を近世城郭として整備したのは羽柴秀吉です。秀吉の中国攻略にともない、天正8年(1580)に三層の天守が築かれました。その後、慶長6年(1601)には徳川家康の娘婿・池田輝政が姫路城主に。大天守を含め、現在の姫路城の姿は、おおむね彼の時代に築かれています。

姫路城には敵の目をあざむくために仕掛けられたさまざまな工夫があります。大天守の外観は五重ですが、内部は地上六階地下一階。城内には攻撃のための狭間が3000カ所以上存在すると言われています。お城の中の通路はポイントポイントで曲げて、敵の勢いをそぎます。天守の階段にも仕掛けがあり、階段の上が閉められる仕組みになっていて、敵が上にあがれないようになっています。また、階段を上った先にも武者隠しといわれる室内にむけて攻撃できる鉄砲狭間があります。さらに天守にはトイレなど籠城のための設備も充実。このように姫路城は美しいだけでなく実戦を強く意識した城だということが紹介されました。しかし築城以来、一度も戦塵にまみれることはありませんでした。

<姫路城へのアクセス>

JR姫路駅、山陽姫路駅から徒歩約20分

▼姫路城についてもっと知りたい方は
「【姫路城】第1回 白くなった姫路城」(https://shirobito.jp/article/171

【5位】上田城(長野県上田市)

最強の城、上田城

上田城は、真田信繁(幸村)の父・真田昌幸によって築かれました。千曲川の分流・尼ヶ淵に面した堅固な立地にあり、徳川軍を2回も跳ね返した不敗のエピソードが有名です。

天正13年(1585)に真田軍2千と徳川軍7千が戦った第一次上田合戦では、圧倒的な兵力差に屈することなく、昌幸の子・真田信之の率いる別働隊が側背から徳川軍を急襲! 城内に敵兵を取り込み上田城周辺を舞台に戦う大胆な作戦で勝利しました。また、慶長5年(1600)の第二次上田合戦では、石田三成率いる西軍についた昌幸と信繁が2千とも3千ともいわれる少数勢で、徳川秀忠が率いる3万8千の大軍を迎え撃ち、関ヶ原の戦いに遅参するという秀忠の失態を生みました。

<上田城へのアクセス>

JR長野新幹線「上田」駅から徒歩約10分

▼上田城についてもっと知りたい方は
「【日本100名城・上田城編】天然の要害を利用した長野が誇る不敗の城」(https://shirobito.jp/article/570

【4位】小田原城(神奈川県小田原市)

最強の城

北条氏の本拠地・小田原城は、上杉謙信の10万の軍に攻められても1ヵ月耐え抜き、上杉軍を撤退させたことにより、その名を知られるようになりました。小田原城の特徴は、堀で城下町を全部囲う難攻不落の総構。約15mの高さの堀が9kmも続いていたといいます。総構は敵の侵入を防ぐだけでなく、総構内に田んぼや畑があるので、兵糧を自給できるようになっていました。

<小田原城へのアクセス>

JR・小田急電鉄「小田原駅」から徒歩約10分

▼小田原城についてもっと知りたい方は
「北条氏の小田原城はなぜ難攻不落と呼ばれるの?」(https://shirobito.jp/article/763

【3位】大坂城(大阪府大阪市)

最強の城総選挙、大阪城

大坂城は、豊臣秀吉が空前の規模で築いて政権の拠点とした城でしたが、秀吉の死後に大坂の陣で落城。徳川幕府は、焼け落ちた豊臣の大坂城の上に盛り土をして完全に埋めてしまい、その上にまるごと新しい徳川の大坂城を築きました。

大坂城は堀の幅が広く、渡ってきても櫓の石落としから攻撃。大手門から攻めても千貫櫓の横から攻撃。大手門を侵入できても多聞櫓の「槍落とし」から攻撃するなど、全部で32棟の櫓による鉄壁の守りを誇っていたそうです。

<大坂城へのアクセス>

JR大阪城公園駅から徒歩約15分

▼大坂城についてもっと知りたい方は
「大阪城が秀吉の城じゃないって本当?」(https://shirobito.jp/article/532

【2位】江戸城(東京都千代田区)

最強の城総選挙、江戸城

室町時代に太田道灌が築城。戦国時代に秀吉の命で、徳川家康が城主となります。その後慶長8年(1603)に家康が征夷大将軍になった後、全国の大名を動員した「天下普請」で大改修されました。広い内濠が巡らされ、総構を含めると千代田区がまるごと収まるほどの巨大城郭です。

江戸城は、日本一だらけですべてが規格外のお城。まず、江戸城の天守は日本一高く、その高さは約59m(20階建てのマンションと同じくらい)と規格外の巨大天守。その姿は、敵に戦うことをあきらめさせます。次に桝形虎口は普通のお城と比べると4~5倍の大きさ(テニスコートおよそ4面分)で、40~50もの数があったといわれるそう。さらにお城の堀も規格外。外堀は総距離約16km。東京ドーム400個以上入る大きさです。

<江戸城へのアクセス>

JR東京駅から徒歩約15分

▼江戸城のことをもっと知りたい方は
「江戸城ってどこにある? はじめての江戸城見学」(https://shirobito.jp/article/529

▼桝形虎口についてもっと知りたい方は
「一度入ったら逃れられない!? 恐怖のキルゾーン「枡形虎口」って?」(https://shirobito.jp/article/680


【1位】熊本城(熊本県熊本市)

最強の城総選挙、熊本城

熊本城は、織豊系城郭の到達点ともいわれる、加藤清正が築いた名城です。秀吉の後継者である豊臣秀頼をいざというときに匿うために築いたとも言われています。これを裏づけるように、熊本城には高石垣や複雑な地下通路、本丸からの秘密の抜け穴といわれる石門まで造られました。

熊本城の特徴は、超やりすぎの防衛システム。熊本城の桝形虎口は、桝形を2つ連続させています。また、宇土櫓下の石垣の高さは現在21mですが、震災からの復旧工事で発掘調査をしたところ、築城当時はもっと高かったことが判明したそうです!

<熊本城へのアクセス>

電停「熊本駅前」から市電で約17分、「熊本城・市役所前」下車、徒歩約10分。または熊本駅から熊本周遊バスしろめぐりんで約30分、熊本城・二の丸駐車場下車

▼熊本城のことをもっと知りたい方は
「明治維新150周年企画「維新の舞台と城」西南戦争編 第1回【熊本城】2世紀半の時を超えて実力を示した究極の堅城」(https://shirobito.jp/article/516

文/城びと編集部 写真/城びと会員の皆さま

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