戦国中期に築かれた熊野水軍・安宅氏の本拠で、発掘調査によると戦乱の中、江戸初期に至るまで居館として機能していたようです。
日置川下流域の東岸に居館跡が、その南に武家屋敷や湊の伝承地があり、井戸跡もあるようですが、現在では一帯は宅地や田畑になっていて、宅地の下に遺構とされる石垣が見られるくらいです。
周囲には平地の居館である安宅本城の防衛のための城が数多く設けられており、北に八幡山城、日置川対岸に大野城、南の安宅荘全域を見渡す高所に勝山城が、日置川上流には中山城と土井城が、河口部には海上を見張るための大向出城があります。昨年3月にはこれら安宅氏居館(安宅本城)、八幡山城、中山城、土井城に境目の城・要害山城を加えた5城が「安宅氏城館跡」として国史跡の指定を受け、残る3城についても追加指定を目指しているようです。
駐車場はないため、八幡山城の登城後に安宅八幡神社の駐車場に車を駐めたまま訪れましたが(徒歩5分)、安宅八幡神社の社務所には安宅氏城館跡の航空写真やパンフレット、古地図などが多く掲示されていますので、電車で来られた方も立ち寄ってみる価値は充分にあると思います。
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