冬型の天候も緩んだ1月19日、宮城県東松島市教育委員会の文化財講演会「道嶋氏の台頭と陸奥国」を聴きに出かけました。道嶋氏は約1300年前の古代陸奥国に栄えた一族です。講師は多賀城跡調査研究所所長吉野武さん。道嶋氏が本拠地とした赤井官衙遺跡(発掘調査により牡鹿柵と考えられている)の概要も含めて詳細なお話を聴くことができました。また同市の奥松島縄文村歴史資料館では2月24日まで「牡鹿柵造営 だいたい 1300年企画展」を開催中です。講演会参加前に訪問し、発掘された材木塀跡(柵跡)などを観て、その後は赤井官衙遺跡を訪問しました。私が昨年夏から始めた古代城柵・官衙遺跡探訪の8カ所目となります。
遺跡の規模は東西1.7km、南北1kmと古代城柵・官衙では大きい方でしょう。海岸線より約5km離れた標高は2mの浜堤上に築かれています。西側には蛇行する河川跡が、四方で材木塀跡・大溝跡など外郭施設が発見されています。周辺は田畑や民家となっていますが、遺跡のほぼ中央部が公園化され説明板が設置されています。ここは令和3(2021)年に「赤井官衙遺跡群」として国指定史跡になっています。
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