桜の名所として知られている高遠城址公園、タカトオコヒガンザクラという、この地域にしかない固有種で小ぶりの赤みが強い可憐な花が、満開を迎えると頭上を包み込むように咲き誇り、見事です。
戦国時代、甲斐武田氏にとって高遠城は、北信の海津、中信の小諸、南信の深志と並ぶ四大支城で信濃伊那経営の重要戦略拠点でした。
三峰川と藤沢川の合流点に位置し、三峰川の断崖上に本丸を置き、二ノ丸と南曲輪、勘助曲輪が三方から本丸を包み、さらに三ノ丸が外側を囲む、三段構えの梯郭式の平山城です。
1582年、織田軍による甲州攻めの際に城主仁科五郎盛信以下全員が壮絶な戦死を遂げています。信玄公の五男の盛信公、善政を敷き、領民からも慕われていたようで戦の後、手厚く葬られ、埋葬された山が五郎山と呼ばれるようになったそうです。
江戸時代、内藤氏がこの地を治め、盛信の御霊を五郎山より城内に迎え「新城神」として祀り崇拝され、現在も城址に新城・藤原神社として鎮座しています。
また、長野県歌「信濃の国」の歌詞にも登場しています。いつまでも慕われている存在でいることが凄いですね! 「幻の桜」という盛信公のイメージソングも見つけてしまいました。散る桜の儚さと、若くして潔く命を絶った盛信公が重なるのかなぁ。
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