お城ファンが選んだ「推し城」ランキング 1~10位・お城ファンが「今、行きたい」推し城は? Castle of the Year 2022

お城ファンの間で恒例になりつつある「Castle of the Year」!2022年9月中旬〜12月下旬、城びと読者の皆さまに「城びと5周年記念企画」として、城びと的「推し城」アンケートを実施しました。1202人ものお城ファンに投票をいただき、2022年の「Castle of the Year」が決定!はたして今回はどのお城がランクインしたのでしょうか? 今回は10位〜1位まで、投票いただいた方のコメントとあわせて発表します。

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▶「【11~20位】お城ファンが選ぶ2022年の推し城は?「Castle of the Year」決定!」はこちら
▶「ランキング圏外だけどコメントが熱いお城 Castle of the Year 2022番外編」はこちら

お城ファンが自身の「推しの城」を投票する「Castle of the Year」は、2019年に始まった「城びと」の周年記念企画。2022年の「Castle of the Year」は、「今、行きたい推しのお城」をテーマに設定。「城びと」を利用している全国のお城ファンに対し、日本100名城・続日本100名城の計202城の中から、「推し城」を1人2城投票していただきました。その結果を集計して、2022年の「Castle of the Year」が決定しました!

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2021年は、コロナ禍でも工夫して城を楽しむ様子を伝えるコメントが数多く、逆境に負けないお城や、山城の躍進が目立ちました。2022年も同様の流れが続いており、とくに山城の人気がよくわかる結果となりました。山城をとりあげる番組や雑誌などが増え、知名度が高まってきた影響なのでしょうか?それとも、コロナ禍を通じて、山城の魅力にふれる機会が増えたのでしょうか?

1~5位のお城は昨年と変わらず人気をキープしたお城がズラリ。不安なニュースが続いた世の中にあって、力強さや希望の象徴である熊本城(熊本県)と会津若松城(福島県)には今回も票が集まりました。上位の城に共通するのは、個性的な防御の工夫を備え、さらに城そのものの美しさと歴史ロマンを兼ね備えていることです。そんな中、ベストテンに躍進したのが備中松山城(岡山県)と松山城(愛媛県)、そして苗木城(岐阜県)! この3城も個性にあふれ、一度登城すると忘れられない遺構と景観に出合えます! それでは10位〜1位までのお城を熱いコメントとともにご紹介します!

10位 苗木城(岐阜県中津川市)※前回13位

苗木城、Castle of the Year 2022

2021年と同様、続日本100名城からは苗木城が唯一ランクイン! 昨年より順位をさらに上げているのは、近世の山城人気を示しているのでしょうか。苗木城は織田信長と武田信玄が争った東美濃(岐阜県南東部)に位置します。関ヶ原の戦いの直前に、徳川家康の命令によって遠山友政(とおやまともまさ、後の苗木藩の初代藩主)が奪還し、その後は江戸時代を通じて遠山氏が城主を務めました。自然に溶け込んだ石垣群が見る者を圧倒し、「岐阜のマチュピチュ」とも呼ばれ、親しまれています。

狭隘な曲輪に御殿や天守を築くために、大きな岩石を有効活用し懸造を用いたその姿の無骨さに心惹かれます。(安土城天主研究者さん)
天然の岩盤、岩石を生かした、日本中どこにもない特異な城。景色も抜群でまさに別世界。日本城郭史上 に燦然と輝く「異色の城」だと思います!(ケンケンボーさん)
他の城にはない巨石と石垣と足場の骨組みがかっこいい。(めあるまるさん)

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9位 安土城(滋賀県近江八幡市)※前回8位

安土城、Castle of the Year 2022

お城といえば、歴史ロマンや武将に思いを馳せることができる場所。その象徴とも言えるのが安土城ではないでしょうか? 天正4年(1576)、琵琶湖に面した安土山に織田信長が安土城を築城。本能寺の変の後に天主などが焼失したため、実際には約6年しか使われませんでした。はっきりと姿がわからないからこそのミステリアスさが、他の城とはまた違った想像をかき立ててくれます!

やっぱりこのお城は色々なことが解明されていない分魅了されます。もし、消失せずに残っていたらと思うと…。(hideちゃんさん)
妄想するだけで幸せになれる城だから。(さくらもちさん)
石垣しか残っていないのに、てっぺんの天守閣が見えるようで、壮大さを感じます!(なんじゃもんじゃさん)

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8位 会津若松城(福島県会津若松市)※前回7位

会津若松城、Castle of the Year 2022

幕末の戊辰戦争で、松平容保(まつだいらかたもり)を中心とした会津藩は、約1カ月もの籠城戦に耐えました。白虎隊の悲劇などのエピソードは、今も多くの人々の心を打っていることがコメントからうかがえます。明治時代に取り壊された天守は昭和40年(1965)に再建され、平成23年(2011)に以前の赤瓦に葺き替えられました。屋根の凍結に備えて、瓦の表面に釉薬を施して焼いたとされています。

歴史も相まって物悲しさと美しさを感じる。(まぁさん)
戊辰戦争時に1日3000発の砲弾を打たれながらも 耐え抜いたから。お城の姿を見るだけで泣けます。(りえさん)
数少ない?赤瓦の天守の美しさ。雪景色の姿は日本一。(take_miyuさん)

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7位 松山城(愛媛県松山市)※前回18位

松山城、Castle of the Year 2022

松山城と言えば、天守と小天守、南隅櫓と北隅櫓を渡櫓で結んだ連立式天守(天守以外は木造で復元)が特徴的です。現存12天守の中では唯一「葵の御紋」を使用しているように、徳川家との関係の深さにも注目です。山全体を城郭化しているため、ふもとや登城道でも迫力ある石垣に圧倒されます! 天守だけではなく、街に溶け込んだ城郭全体として評価する声が目立ち、昨年の18位から一気に順位が上がりました!

今年、初めておうかがいいたしました。街の中に建つ連立式天守は姫路城と同じで、街に馴染んだ城郭は人々との絆を感じ、どこかほっとします。屏風のような石垣の美しさは絶品で、埋門の入城口もステキ!また訪ねたい一城です。(kana._.kippisさん)
10月に訪れた時に即惚れでした。遠くからでも近くから観てもお城らしい城で、今まで見てきたお城の中でもダントツ一位になりました。(みょんさん)
我が地元の推し城です。歩いて周るのにコンパクトで、ロープウェイやリフトで登るのも楽しい。 登り石垣とか連立天守も見どころだし桜の季節もおススメしたい。(yuddyさん)

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6位 備中松山城(岡山県高梁市)※前回9位

備中松山城、Castle of the Year 2022

前回9位からさらに順位を上げたのは備中松山城。来年はいよいよベスト5入りでしょうか? 標高430mの山上に天守が現存し、岩盤と石垣を組み合わせたダイナミックな景観が味わえるのは備中松山城だからこそ。天守は現存十二天守の中で最も低い約11mの高さですが、天守を支える岩盤によって大きく見えます。天守付近で歓迎してくれるのは「猫城主さんじゅーろー」。備中松山藩出身の新選組七番隊隊長・谷三十郎(たにさんじゅうろう)から名をとっています!

ずっと以前に一度登城しましたが、その時には城の知識が少なく、天守ばかり見ていました。もう一度自然岩の上に立つ石垣のさまを直接見てみたいです。(GINAさん)
現存天守唯一の山城で、なんといっても天空の城で雲海が出た時の城を見ると幻想的で心が洗われる。 山城なので歩いて登るのがきついが猫城主のさんじゅーろーが迎えてくれるので疲れも吹き飛ぶ。(ごめすさん)
奇跡の城! 登りつめた山中に突如現れる勇姿に言葉を失います。(ぴょんぴょんさん)

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5位 彦根城(滋賀県彦根市)※前回5位

彦根城、Castle of the Year 2022

ここからベスト5に入ります。まずは現存12天守の国宝・彦根城です。徳川家康の命令によって、慶長9年(1604)に井伊直継(いいなおつぐ)が彦根城の築城を開始。直継の父は「徳川四天王」として名を轟かせた井伊直政です。彦根城は装飾性豊かな屋根が特徴的で、唐破風と切妻破風、千鳥破風、入母屋破風の組み合わせが見事。天秤櫓や大堀切、登り石垣、天守の隠し狭間など、実戦を意識した工夫も随所に見られます。美しさと実力を兼ね備えている点が、人気の秘密のようです。

美しい見た目によらず、実践を想定した様々な仕掛けがあるのが良かったと思うポイントです。訪れる度に違った見方ができそうです。(りょうさん)
何度攻城しても負ける気しかしない 難攻不落の城。そして美しい石垣を見てるだけで一日満足。(将門さん)
国宝現存天守の小振りながらも装飾が多くユニークな姿もさることながら、二つの大堀切や登り石垣、麓の水堀前の鉢巻石垣など珍しい遺構がたくさん残っていて見所が多く、特に好きなのが縄張で、天秤櫓前の堀切の底に出た時に、城を攻める敵の気分になるととても勝てないという思いがするところがお気に入りです。(不識庵拾玖さん)

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4位 熊本城(熊本県熊本市)※前回4位

熊本城、Castle of the Year 2022

「築城の名手」加藤清正が築いた熊本城は、石垣の規模は言うまでもなく、多数の櫓群や連続する桝形虎口を用いた徹底した防御に圧倒されてしまいます。約260年の時を経た明治時代の西南戦争で、西郷隆盛が率いる薩摩軍の攻撃を防ぎ、熊本城は真価を発揮しました。平成28年(2016)の熊本地震からの復旧が進められ、「二様の石垣」や天守閣の内部が見学できるようになりました。令和4年(2022)10月に宇土櫓の解体保存工事が始まるなど、これからも復旧は続いていきます。

2021年に大地震からの修理を終えて、コロナ禍でも人々に希望を与えてきたと思うので。 まだ登城した事はありませんが、ぜひこの目で見てみたいお城のひとつです。(歴史はロマンさん)
地震前に何度か伺っていたのですが、 地震後はまだ訪れていません。 ここはもう石垣も縄張りも素晴らしくぐるぐるまわってしまいます。 秋の大銀杏は素晴らしく美しかった。 今行きたい城ナンバーワンです。(はるかさん)
震災後天守公開までこぎつけた復興努力を評価。 バリアフリー化など、共生社会を踏まえた現代との融合は今後の復興モデルになり得ると推察します。(朝田 辰兵衛さん)
加藤清正のやり過ぎ感のある縄張りに脱帽です。(エガリュウさん)
戦争や震災を越えて、希望を与えてくれているお城だと思う。(りかぽんさん)

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3位 犬山城(愛知県犬山市)※前回3位

犬山城、Castle of the Year 2022

ここからいよいよベスト3。数々の戦国武将たちが奪い合った城として知られる、国宝・犬山城がランクインです! 天正12年(1584)の小牧・長久手の戦いでは、徳川家康と争った羽柴(豊臣)秀吉が入城しました。幼少期より家康に仕え、信頼が厚かった成瀬正成が城主となって以来、成瀬氏が江戸時代を通じて城主を務めました。その後、平成16年まで、そのまま成瀬氏が個人所有していたことでも知られるお城です。木曽川に沿った小高い山の上にそびえる姿は美しく、天守から望む木曽川の流れも格別です。

コンパクトで美しい。川を挟んで岐阜城と対峙し、その歴史や城下町も含めて国宝のお城の中でも抜き出ていると思います。(蛙喜(アキ)さん))
城下の街並み、お城の立地、天守からの眺望、所有者変遷の経緯など、すべてが魅力的。近くに行くと必ず立ち寄ってしまいます。(YUKIさん)
20歳のときに行った犬山城。天守からの眺めにゾクゾクしました。時を経て、またあの感動を味わいたいです。(虎子さん)
現存天守であるだけでなく、夕陽を浴びた断崖にあるお城をぜひ観ていただきたい。(くまモンloveさん)
城仲間と夏休みに行きました。現存天守が圧巻!歴史を味わうことができました。派手ではないけど、しみじみとした感じが私は好きです。(だいず城さん)

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2位 姫路城(兵庫県姫路市)※前回2位

姫路城、Castle of the Year 2022

昨年に続き、惜しくも2位なのが国宝で世界遺産にも指定されている姫路城です! 慶長5年(1600)、徳川家康の娘婿である池田輝政が姫路城の城主となると、羽柴(豊臣)秀吉が築いた天守を壊して、新たに天守を築きました。大天守と3つの小天守だけでも見どころ満載ですが、現存する櫓や城門など、遺構の数ではほかの城を圧倒しています。家康の孫・千姫ゆかりの西の丸も必見です。コメントからは、地元のお城ファンからの熱い声や、城郭の美しさに魅了されたという声の多さが印象的でした。

現存している天守・櫓・門・土塀など、質・量とも別格の存在感! この城域を見て歩いたおかげで、建造物がなくなった他の城跡に行っても想像力を働かせることができるようになった。(おしりすとさん)
初めてリア攻めした城です。天守の雄大さは圧倒されたのを今でも鮮明に覚えています。日本が世界に誇れる遺産であり推しです。(Sub7さん)
どこにいても必ず城が見えて見守られている安心感と圧倒的な威圧感がたまらない。(とんちゃんさん)
関東に住んでいながら、4回ほど行っていますが、いつ行ってもお城に雄大さがあり、夜のライトアップや季節の情景に惹かれて何度も足を運んでしまいます。(ふくりゅうさん)
暴れん坊将軍の城! 外から見た規模の大きさと、内側に入った時の迷路感はワクワクしました。 私は多分、大手門で討ち死にします( ;∀;) (風小町さん)

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1位 松本城(長野県松本市)※前回1位

松本城、Castle of the Year 2022

3年連続で1位に輝いたのは国宝の松本城です! おめでとうございます! 黒色(下見板張り)を基調とした天守群は、北アルプスを背景にしても、水堀に映してもよく映えます。随所に白色(漆喰)の部分もあり、白と黒のコントラストが美しいですね。松本城は城自体の美しさだけでなく、景観や城下町との組み合わせなど、さまざまな角度から推薦するコメントが多数集まりました! これが松本城の人気の秘密なのでしょうね。

格別、お城に関心が無かった頃でも「美しい」と感じられた。城が好きになり、何度訪れても見飽きない、空と城と堀のバランスが最高です。(白さん)
白と黒のコントラストがすごく綺麗で、昔読んだ小説にも出てきていたので、一度行ってみたいと思っています。(うろさん)
3年程前に伺いましたが、いまだに夢に出てきます(松野重元さん)
人気が高いお城ですが、現存で刀が振り上げられない階段の天井の低さと一気に上がれない構造になっている内部など再建のお城では出せない味があり、何回行っても楽しいです。 攻める側で城をいつも見ていますが、本当に楽しい。(どさちさん)
漆黒の天守閣と周りの堀や赤橋、そしてアルプスの山々とのコントラストがサイコーでした。 月見櫓からの眺めもイイです。(十文字鷹虎さん)

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▼松本城が黒いわけ

Castle of the Year 2022のランキング紹介は以上です。20位までしかご紹介できませんでしたが、ほかにもさまざまなお城を推すコメントをたくさんいただき、本当にありがとうございました!

全体的な印象として、「お城に見守られている」というコメントの多さも印象的でした。お城が街のシンボルになっていたり、人々の心の支えになっていたりするのですね。お城の魅力は遺構だけでなく、景観や城下町、街や人とのつながりなど、多岐にわたることがよくわかりました。ご紹介したコメントを参考に、新たな城めぐりを楽しんでみてください!

【推し城アンケート概要】
●調査期間:2022年9月18日~2022年12月25日
●調査対象:1202名(「城びと」読者の皆さま)
●調査方法:全国の「城びと」読者を対象にインターネット調査を実施。日本100名城、続日本100名城の計202城から、「今、行きたい推しのお城」を2城選び、投票いただいたものを集計。

執筆・写真/藪内成基(やぶうちしげき)
国内・海外で1000超の城を訪ね、「城」をテーマに執筆・ガイド。著書『講談社ポケット百科シリーズ 日本の城200』(講談社、2021年)。『小学館版 学習まんが日本の歴史 6~8巻』(小学館、2022年)、『地図で旅する! 日本の名城』(JTBパブリッシング、2020年)などで執筆。日本お城サロン(まいまい京都主催)を運営する。

※歴史的事実や城郭情報などは、各市町村など、自治体や城郭が発信している情報(パンフレット、自治体のWEBサイト等)を参考にしています

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