大天守大柱展示場から上山里曲輪の「官兵衛普請の石垣」へまわりました。隅角部が鈍角なシノギ積みや狭間のない土塀を目に焼きつけ、石垣左方の櫓をチの櫓と確認。自分の居場所を確認しながら歩かないと巨大城郭に飲み込まれてしまいそうです。
続いて内船場蔵跡と搦手へ続く喜斎門まで行きました。南石垣修復事業の解説板がありがたかったです。姫路城に限らずですが、修理や補強工事の記録に触れると、お城の歴史は廃城で終わりなのではなく、現在もなお時を刻み呼吸し続けているということを実感します。
このあたりから見上げた天守群はとても迫力がありました。井戸曲輪の櫓の向こうに覗く大天守。すぐそこに見えるのにここからではどうやったって行けそうになく距離感も掴めません。
―広大な城下町の中に巡らされた三重の堀。標高46メートルの姫山の斜面に雛壇状に配置された曲輪。その最高所に連立式天守―。
文字だけの薄い知識で理解しているつもりになっていたことを恥じ入るばかりの光景です。しかし頭ではなく目で見て理解できたのはとても幸せなことでした。
最後の写真はとの四門。中は天守へと続いているはずですが現在は閉鎖されています。理由があってのことでしょうから開けてほしいとは思いませんが、どこか寂しげな秘密の門の雰囲気を醸し出しつつも、各種の狭間を備え、ぬかりのない防御態勢で見張られているようで妙に印象に残りました。
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