宮城県富谷市の中世山城「兵六館」跡を訪れました。富谷市文化財課は今年6月から西成田地区にある九ヵ所の遺跡の調査を行っており、この日は県考古学会の中世・近世部会に向けた発掘調査現場の見学会でしたが、会員と同行した私も見学させていただきました。
総面積14ヘクタールの調査地のうち、8ヘクタールが兵六館の城域とのことで、山城跡は樹木が伐採されとても見やすい状況になっていました。標高70mほどの山上に曲輪、腰曲輪、堀切、土塁の遺構が確認されており、主曲輪では複数の掘立式建物跡も見つかっています。自身ここ数年地域の中世山城の調査を行ってきましたが、城の縄張りの全容が確認できる発掘現場の見学は初めてのことであり、大変勉強になりました。
この地域は多賀城にも近く古くからの交通の要衝。「仙臺領古城書上」や、「安永風土記御用書立」の成田村の項にも記載が無く、運用時期や館主は不明ですが、遺構の状況から15世紀末から16世紀前半かとの説明がありました。
なお、9月29日(日)には一般向け現地説明会も予定されており、詳細は富谷市のHPで確認できます。
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