沼田駅から急坂を登りますが、心臓破りの滝坂も河岸段丘体験中と思えばきつさも楽しさに変わります。
観光案内所に寄ってから園内を散策しました。沼田公園のシンボルである鐘楼、二重櫓があったとされる西櫓台石垣、想像力で再建してみる天守台、長大な石垣が足元に埋まっている本丸堀。小松姫と真田信之像は正面から見ても甲冑に身を固め心に秘めた決意がにじみ出る表情がすてきですが、後ろから見ると二人が信頼しあい、同じ方向を見ているのだということをより一層感じました。また、展望所から名胡桃城をさがしたり天空の城下町を実感したりと、心ゆくまで楽しみました。
その後、小松姫の墓所である正覚寺に向かいました。途中、市営の駐輪場があり、駅に近いわけでもないのに何でだろう?と思ったのですが、ここはまだ坂の上で、駅までの急坂を自転車で上り下りするのが大変なんだろうなと思いました。
立派な山門やコウヤマキが目を惹く正覚寺。小松姫(大蓮院殿)のお墓は彼女の印象そのままの背が高く上品な宝篋印塔で、今でも沼田城下を見守っているかのようでした。また同所には大正時代に沼田城の荒廃を憂い、敷地を購入して公園整備して町に寄贈された久米民之助翁の墓所もありました。久米翁によって息を吹き返した沼田城は、ひとつには市民が憩い活動する場として、もうひとつには歴史の証人としてかつての姿を後世に伝えるという役割をもって在り続けています。その二つがうまく重なり合ったすばらしいお城だと思いました。
そして帰りなのですが、沼田駅で試運転中のSLに遭遇!本当はこの3日後のSLぐんま運転日に沼田へ行こうと思っていたのですが進行方向窓側の席が予約で埋まっていたため諦めてこの日にしていました。なので偶然の出会いにびっくり。人生何がどう転ぶかわからない。名胡桃城から2時間かけて来たのもここに導かれるためだったのかと(極めて都合よく)解釈し、出発の汽笛を高らかに鳴らし、もうもうと黒煙をあげて彼方(高崎)へと走り去る姿を見送りました。そしてつかず離れずの間隔で上越線で追いかけました。
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