歴史好き仲間との秋の遠征で、鶴岡市・酒田市に。今回のテーマは①かつて北前船の寄港地として栄えた鶴岡市加茂の町並み散策、②芭蕉おくの細道出羽路の足跡を辿る、③藤沢周平直木賞受賞50周年にちなみ、彼の時代小説の舞台、「東北の小藩海坂藩」のモデルと言われる庄内藩の城下町鶴岡散策でした。
加茂地区は今は「クラゲの水族館」が人気となり多くの観光客を集めていますが、かつては酒田と共に回船問屋が集まり栄えた場所。今は漁港に付随する町ですが、かつての繁盛ぶりを感じさせてくれます。
おくの細道出羽路では、尾花沢を発った芭蕉は新庄を経て最上川を下り出羽三山へ。鶴岡(鶴ヶ岡)では長山五郎右衛門(俳号は重行、100石取りの庄内藩士)宅、酒田では伊東玄順(俳号は不玉、医師)亭に逗留して歌仙を巻き、象潟を目指します。
ご存知のとおり藤沢周平の故郷は鶴岡です。彼の時代小説の武家もの(主に短編)に描かれている「東北の小藩海坂藩」の居城や城下町の風情は鶴岡がモデルと言われています。城の外堀の役目をしている「五間川」は位置的には内川がモデルのようであるし、「美しい五層の天守閣が町の四方から眺められる」という文章には平城の鶴ヶ岡城にも五層天守が欲しかったという思いが感じられます。実際、鶴ヶ岡城址の本丸には南西隅に多門櫓、北西隅に二層の隅櫓があったようですが五層天守を置くとしたら、どの場所が適していたのだろうかと考えながら紅葉が美しい城址を散策することができました。
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