(続き)
ホテルにチェックインすると、夕食までは自由時間です。他の面々は風呂に入ったりゆっくりしたりするようですが、せっかく徒歩圏内のホテルなのに松山城に行かない手はありません。さすがに搦手側を探索する時間はなさそうなので、二之丸に行くことにしました。
三之丸から見上げると石垣の上に二之丸が、さらにその上には本壇の天守群と本丸の櫓群が覗いています。三之丸を抜けて黒門へ。黒門口登城道は往時の大手道で、かつては櫓門だったようです。黒門から入って左に折れ、突き当りの左側が栂門です。さらに3度の折れを経てたどり着く槻門は城内最大の石垣の上にかつては二重2階の巨大な櫓門が築かれていました。
槻門の先の分岐から左は本丸への大手道、右は二之丸史跡庭園に続いています。右側に坂を上って行くと見えてくる二之丸多聞が史跡庭園への入口になっている…はずですが、門は閉ざされ「本日の入園時間は終了しました」の表示が。あれ? 17時までじゃなかったっけ!? どうやら閉園は17時でも入園は16時30分までだったようです。なんてこったい…。
やむなく分岐まで戻って大手道のほうに向かうと、今度は「樹木伐採作業のため通行止め」の立て看板が。期間の日付を見てみると5月17日から…って今日からやん! とりあえずもう少し先まで行けるようなので、二之丸の四脚門を横目に進んで行くと、近世城郭の大手道とは思えないような細く曲がりくねった山道になり、どこで通行止めになるのかな…と思っているうちに本丸の大手門に着いてしまいました。作業に入っている様子はなく、この日の早朝は大荒れの天候だったために作業開始が延期されたんでしょうね。
さて、二之丸には入れず、思いがけず本丸まで来てしまったので、こうなったら時間の許す限り搦手側を見てやろう! と先ほどよりずいぶんと人が少なくなった本丸の写真を取りつつ太鼓門をくぐったところで、ストラップが千切れてカメラが落下しレンズ部分を破損…。あまりのショックに搦手側どころか城めぐりを続ける気力も失って、修理できるのかな…買い替えるしかないのかな…などと呆然と県庁裏登城道を下っていると、目の前に本丸へと続く登り石垣が! 県庁裏登城道から見られるということを思い返す余裕すら失っていましたが、何とかこの登り石垣を、この感動を写真に残したい、と普段は城めぐりの写真には使わないスマホで撮影しつつ下山しホテルに戻りました(続く)。
当初の目的の二之丸に入れなかったり、黒門口登城道も通行止め…と思ったら本丸まで着いてしまったり、カメラを破損したりと想定外のことばかりでしたが、カメラ破損の沈んだ気分を一気に引き上げてくれた登り石垣のことは一生忘れないと思います。
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