三原から広島までの移動は新幹線に特定特急料金が適用されるため990円の課金で在来線利用よりも1時間ほど移動時間を短縮できました。
午後2時過ぎに広島駅に到着し、新幹線口2番乗り場から観光ループバス「めいぷる~ぷ」のレモンルートで広島城(護国神社前)へ。
久しぶりの訪問で、記憶をたどるというよりも初訪問のような感覚でした。
裏御門から入り本丸下段の広島大本営跡を歩きます。
やがて見えてきた五層の天守。近いうちに見られなくなるであろうこの眺め。訪問前は「今のうちに見ておかないと……」という気持ちもありましたが、いざ目の前にすると、今までお疲れさまでした、という気持ちの方が先立ちます。戦後、広島の人たちの活力となった二代目天守とこの三代目天守。当時、コンクリート天守は燃えないから安心だという声があったと聞いたことがあります。充分にその役目を果たしたのだから最後まで安全に持ちこたえてほしい、美しい姿のままであってほしいと願わずにはいられませんでした。
すぐそばに初代天守の礎石が展示されています。戦の時代は終わってもお城の歴史は連綿と続きます。形を変え、役割を変えても、いつでも行ける場所として在り続けてくれたら、と思いました。
本丸では荒々しい石垣も数多く見ることができました。人の気配もなく静まり返った空間はそこだけ時が止まったかのようで畏れさえ感じます。
二の丸と繋がる中門で折れや鏡石に心躍らせていると、赤く変色し大きくひびの入った石が目の前に迫ってきました。被爆の痕跡です。いつか戦争体験を語る人がいなくなってもこの石が語り続けてくれるだろうと思いました。
二の丸は在りし日の姿が復元されています。平櫓・多聞櫓・太鼓櫓の壮観さ、表御門の重厚さ。薀蓄抜きで眺めていたくもなる光景でした。
8月6日に広島観光を楽しんでいいのだろうかという思いをもっての訪問でしたが、他の観光地同様たくさんの外国人観光客の方々がいらして、町なかにはにぎやかな日常がありました。
早朝岡山からスタートした“山陽本線お城すごろく”は6城まわってここで終了です。
が、この日のイベントはもう一つ残っており……。
広島城天守同様、来年には乗れなくなってしまう500系新幹線の1号車最前列への乗車です。かつてはのぞみの花形だった500系も今は山陽新幹線のこだまとしてのみ運用されています。500系がくる時刻は予め調べてあったので広島駅までのんびり歩いて戻り、駅のドトールで充電させてもらいながら時間をつぶして待ち、無事目的を果たしました。地元駅到着後、いちばん最後に乗ったのは真っ黄色の115系でした。
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