お城EXPO 2019 徹底ガイド お城EXPO2019③ 横浜発120分以内!「お城EXPO」参城記念にめぐりたい10城

回を重ねるごとにパワーアップしている年末の「お城EXPO」。参城記念&今年最後のお城めぐりを計画されている方も多いかと思います。今回は、会場のパシフィコ横浜に近く、宿泊施設が多い横浜駅から、片道120分以内でアクセスできる10城をご紹介。普段は関東に来ない方も、関東にいながら行ったことがない方も、お城EXPO参城記念に、関東の城を体感してみてください! 

横浜駅から30分圏内!

小机城(神奈川県横浜市)★続日本100名城

小机城
城郭全体にわたり、二重の土塁と空堀で囲む縄張りが用いられている

横浜駅から近く、神奈川県を代表する「中世の城」といえば小机城。サッカーやイベント会場として知られる日産スタジアムのほど近く。高さ20mの台地上に、東曲輪と西曲輪からなる主郭部が配されています。両曲輪の間、南北にのびる「つなぎ曲輪」も見逃せません。江戸城を築城した太田道灌(おおたどうかん)が攻めたという「小机要害」に記載があり、15世紀頃には南武蔵(東京都・神奈川県)の軍事拠点でした。徳川家康が関東に入部した後には廃城になりますが、空堀や土塁などの遺構が良好に残っています。

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アクセス:横浜駅からJR横浜線で約15分、「小机」駅から徒歩約10分
所在地:神奈川県横浜市港北区小机町
見学目安:主要部1時間、じっくり見学なら2時間

江戸城(東京都千代田区)★日本100名城

江戸城
二重櫓として全国的に最大級の規模を誇る桜田巽櫓

東京駅から丸の内方面に日本を代表する江戸城があります。長禄元年(1457)、扇谷上杉(おうぎがやつうえすぎ)氏の家臣、太田道灌によって築城。慶長8年(1603)には、徳川家康によって改築が開始。その後、2代将軍・徳川秀忠、3代将軍・徳川家光によって、城の中枢部から総構まで築城工事は続けられました。ちなみに、100名城スタンプ設置場所である「和田倉休憩所」は、東京駅から江戸城への導線上にあります。皇室や皇居外苑に関する展示物など、見ごたえある展示が無料で見学できますので、ぜひお立ち寄りください。

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所在地:東京都千代田区千代田
アクセス:横浜駅からJR東海道本線で約26分、「東京」駅から徒歩約5分
見学目安:主要部1時間、じっくり見学なら3時間

横浜駅から60分圏内!

品川台場(東京都港区)★続日本100名城

品川台場
昭和3年(1928)に「台場公園」として開園した第三台場

「日本最初の鉄道路線」である横浜駅から新橋駅を経て、ゆりかもめに乗り換えて「お台場」へ。江戸時代末期には、海防のために「台場」とよばれる砲台が全国に造られました。特に重要な江戸湾海防計画によって設けられのが、品川台場です。嘉永6年(1853)のペリー艦隊来航を受けて、伊豆韮山代官・江川英龍(えがわひでたつ)によって造営工事が開始。海上に12基の台場を築造する予定でしたが、完成したのは6基で、そのうちの第三台場跡は、「台場公園」として整備され、陣屋や火薬庫、砲台の跡が見学できます。レインボーブリッジや高層ビル群の景色とともにお楽しみください。

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所在地:東京都港区台場1
アクセス:横浜駅からJR東海道本線とゆりかもめ(新橋駅経由)を乗り継いで約50分、「お台場海浜公園」駅から徒歩約15分
見学目安:主要部30分、じっくり見学なら1時間


小田原城(神奈川県小田原市)★日本100名城

小田原城
雛形や絵図をもとに再建された三重四階の小田原城天守

相模国(神奈川県)を代表する城といえば小田原城。15世紀頃に大森氏が築いたと考えられ、戦国時代には北条氏の居城として上杉謙信や武田信玄の侵攻を退けた「難攻不落」の城でした。豊臣秀吉との戦いに備えて、全周約9㎞の大規模な総構えを構築。開城後は、徳川家譜代の大久保忠世(おおくぼただよ)・忠隣(ただちか)によって近世城郭として整備されました。明治時代に建物はほとんど解体されましたが、一部が再建されており、現在の天守は昭和35年(1960)に再建。小田原駅周辺では、名物のかまぼこや魚料理など食べ歩きをしながら、城下町散策をお楽しみください。

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所在地:神奈川県小田原市城内6-1
アクセス:横浜駅からJR東海道本線快速アクティーで約46分、JR「小田原」駅から徒歩約10分
見学目安:主要部1時間、じっくり見学なら3時間

横浜駅から90分圏内!

八王子城(東京都八王子市)★日本100名城


八王子城
山麓の御主殿への入口にあたる通路は、幅約5mの石敷きで再現されている

関東には、小田原城に代表される北条家ゆかりの城が多数残ります。東京都西部の八王子城は、北条氏康(ほうじょううじやす)の次男(三男という説もある)、北条氏照(ほうじょううじてる)によって築かれ、北条氏の城の中では最大規模の山城です。天正18年(1590)の小田原攻めの際に激戦地となりますが、わずか1日で落城してしまいます。本丸を中心とした要害地区と、麓の居館地区、外郭の防御施設から構成。ハイキングコースとなっており、山中の堀切や石積みなど、遺構にふれることができます。八王子城の歴史や北条氏照の人物像などを、遺物やパネルで紹介した「八王子城跡ガイダンス施設」(無料)にもぜひお立ち寄りください。

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所在地:東京都八王子市元八王子町・下恩方町・西寺方町
アクセス:横浜駅からJR横浜線とJR中央線を乗り継いで約1時間4分、「高尾」駅北口から西東京バス「霊園正門経由」で約5分、「霊園前」下車、徒歩約20分
※土・日曜、祝日はJR高尾駅北口1番バスのりばより、「八王子城跡」行きが運行
見学目安:主要部1時間、じっくり見学なら3時間


滝山城(東京都八王子市)★続日本100名城

滝山城
本丸と中の丸の間の堀切には、木製の引橋が架かっていたと伝わる

東京都八王子市には、北条氏の代表的な城がもう一つあります。北条氏照が永禄10年(1567)に大改修をした滝山城です。永禄12年(1569)、甲斐の武田信玄が2万の軍勢で侵攻した際には、2000の兵力で滝山城はもちこたえました。その後、北条氏照が八王子城を築いたために、滝山城は役割を終え廃城となります。丘陵地の複雑な地形を巧みに利用して築かれ、馬出しや虎口、桝形を巧みに配置。全国有数の中世城郭跡は、ARアプリを使って、約450年前の滝山城の姿を疑似体験しながら、楽しむこともできます。

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所在地:東京都八王子市高月町(都立滝山公園)
アクセス:横浜駅からJR横浜線で約50分、「八王子」駅から西東京バス「ひよどり山トンネル経由戸吹」行きで約19分「滝山城址下」下車本丸まで徒歩約15分
見学目安:主要部2時間、じっくり見学なら4時間

横浜駅から120分圏内!

石垣山城(神奈川県小田原市)★続日本100名城

石垣山城
石垣山城南曲輪跡。迫力ある石垣が城内各所に残っている

天正18年(1590)の小田原攻めの際に、豊臣秀吉が築いたのが石垣山城。小田原城の南西約3㎞に築かれ、小田原城や城下町が一望できる位置。主要部分に高石垣を備えた、東国で最初の近世城郭であり、近江の石工集団・穴太衆(あのうしゅう)による、野面積みの見事な石積みが残ります。また、約80日間で築いたとされ、「一夜城」の別名をもちます。その名を冠した「一夜城ヨロイヅカファーム」が、石垣山城に隣接。パティシエの鎧塚俊彦シェフが経営するレストランやショップが並び、農場が広がります。最寄り駅の早川駅からはハイキングコースとなり、コース上には小田原攻めに布陣した、徳川家康や伊達政宗、宇喜多秀家などの陣跡残ります。時間に余裕がない場合は、早川駅からタクシー利用をご検討ください。

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所在地 :神奈川県小田原市早川1383-12
アクセス:横浜駅からJR東海道本線で約56分、JR「早川」駅から徒歩約50分 
※早川駅からタクシー手配を要検討
見学目安:主要部1時間、じっくり見学なら2時間


川越城(埼玉県川越市)★日本100名城

川越城
川越城本丸御殿の玄関は規模が大きく、屋根は銅板葺きの大唐破風となっている

横浜駅から距離はありますが、実は直通でアクセスできるため射程圏内に入るのが川越城です。江戸城や小田原城と同じく、太田道灌が長禄元年(1457)に築城を開始。江戸時代には、小田原城が「大手」、川越城が「搦手(からめて)」とよばれるほどに、江戸城にとって重要な役割を果たしました。徳川家の譜代大名が城主を歴任し、「知恵伊豆」とよばれた、松平信綱(まつだいらのぶつな)が藩主となると、城の拡張工事や城下町を整備しました。日本では数少ない遺構である本丸御殿の内部は見学可能。「小江戸」とよばれる江戸時代の城下町の面影が色濃く残る町並み散策や、縁結びの神社として知られる川越氷川神社も訪ねてみてはいかがでしょうか。

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所在地:埼玉県川越市郭町2-13-1
アクセス:横浜駅から東急東横線・東京メトロ副都心線・東武東上線(直通)で約1時間25分、「川越」駅から東武バス「神明町車庫行き」で約10分「札の辻」下車、徒歩約8分 
見学目安:主要部1時間、じっくり見学なら2時間

100名城・続100名城以外にもまわりたい!都内の注目の城!

深大寺城(東京都調布市)

深大寺城
2つの曲輪(第一郭と第二郭)を結ぶ通路に使われていた土手(復元)

100名城・続100名城以外にも、訪ねてみたい城がたくさん残ります。その代表格ともいえるのが、「土の城」や「戦国の城」として最近注目を浴びている深大寺城です。関東平野南部に広がる武蔵野台地に築かれ、標高約50mの台地上に3つの曲輪から構成される戦国時代の城跡。関東で勢力争いをする北条氏と扇谷上杉氏の攻防のなかで、扇谷上杉氏方が築きました。深大寺城は、舌を突き出したように突き出た台地(舌状台地)を利用し、巧みに地形を生かした工夫が、実際に歩きながら体感できます。深大寺といえば「深大寺そば」が有名です。深大寺そばに欠かせない、良質な水は台地から湧き出ています。深大寺城の地形も味覚も存分に味わってみてください。

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所在地:東京都調布市深大寺元町二丁目
アクセス:横浜駅からJR湘南新宿ライン・JR中央線を乗り継いで約1時間、「吉祥寺」駅から小田急バス「深大寺」行きで約30分、終点下車徒歩約5分
見学目安:主要部1時間、じっくり見学なら2時間


世田谷城(東京都世田谷区)

世田谷城
「吉良御所」や「世田谷御所」とも呼ばれた世田谷城

徳川四天王として名をはせた井伊直政(いいなおまさ)。井伊家の菩提寺であり「招き猫」発祥の地ともいわれる豪徳寺(東京都世田谷区)は、世田谷城の主要部だったとされ、土塁や丘、谷が残る世田谷城跡が隣接します。世田谷城はもともと、南北朝時代に吉良(きら)氏が、関東管領・足利基氏(あしかがもとうじ)から、戦功により武蔵国世田谷領をもらいうけて築城したのが始まりとされています。吉良氏の居城として200年以上栄えましたが、天正18年(1590)、豊臣秀吉の小田原攻めによって北条氏を滅びた際、北条氏と親戚関係にあった吉良氏も運命を共にし、廃城となりました。

▼世田谷城など東京の城跡をめぐるマンガ「東京城址女子高生」をご存知ですか?

所在地:東京都世田谷区豪徳寺2-14-1
アクセス:横浜駅から東急東横線・東急田園都市線・東急世田谷線を乗り継いで約1時間、「宮の坂」駅下車徒歩5分
見学目安:主要部30分、じっくり見学なら1時間

複数の城を効率よく〝転戦〟するなら

川越の町並み
「小江戸」とよばれる風情ある川越の町並み。商店やお菓子横丁などじっくり散策したい

神奈川県内や東京都内とはいえ、中世の城郭は、鉄道の乗り換えや路線バスの利用が必要。特に横浜駅や東京駅、新宿駅といったターミナル駅は広い上に混雑しますので、予定通りに乗り継ぎができない可能性があります。また、川越や小田原のように、じっくりと時間をとって散策を楽しみたい城下町もあります。

比較的無理のない組合せとしては、相模方面(①小机城、④小田原城、⑦石垣山城)の3城、江戸方面(②江戸城と③品川台場)の2城の組合せが考えられます。

⑤八王子城と⑥滝山城は、起点のJR高尾駅とJR八王子駅が10分ほどの距離ですので、組合せにおすすめです。さらに⑨深大寺城の起点となるJR吉祥寺駅も、高尾駅と八王子駅と同じJR中央線にあります。路線バスの調整が必要ですが、中世城郭を一気にめぐってみたい方は、3城の組合せに挑戦してみてはいかがでしょうか?

横浜駅から⑧川越城に向かう場合には、途中の渋谷駅で乗り換えれば⑩世田谷城へアクセス可能。また、途中の新宿三丁目駅(東京メトロ副都心線)で下車し、JR新宿駅から徒歩でJR中央線に乗り換えれば、⑤八王子城、⑥滝山城、⑨深大寺城方面にアクセスできます。

石垣山城本丸跡、小田原城下
石垣山城本丸跡から小田原城下を一望。複数の城をめぐると、城同士の距離感や歴史的な関連性がつかめるので、ますます城に対する興味がわく

以上、横浜駅を起点として120分以内でアクセスできる代表的な10城をご紹介いたしました。組合せを考えているだけで、ワクワクしてきましたね。お城EXPOとともに記念の登城をぜひお楽しみください!


▼東京都や埼玉県のお城については、下記リンクも参照ください。

お城EXPO2019のその他の記事はコチラをチェック⇒ 「お城EXPO 2019」徹底ガイド

執筆・写真/藪内成基(やぶうちしげき)
奈良県出身。国内・海外で年間100以上の城を訪ね、「城と旅」をテーマに執筆・撮影。異業種とコラボした城を楽しむ体験プログラムを実施。旅行雑誌『ノジュール』(JTBパブリッシング)などを編集。


※歴史的事実や城郭情報などは、各市町村など、自治体や城郭が発信している情報(パンフレット、自治体のWEBサイト等)を参考にしています。
※横浜駅からの所要時間は一例です。時間帯や曜日によって変動しますので、出発前に調べてからお出かけください。

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