ふるさと納税でお城を応援!寄附金が復元整備に使われるお城って?

ふるさと納税の寄附金の使い道として、お城の復元整備事業を選べる団体があります。自分の好きなお城を応援できて、芳名板で名前が掲示されるなどの特典も嬉しいふるさと納税を取材しました。また、寄附金の使い道をお城に指定しているわけではなけれども、返礼品として御城印帳等のお城グッズがもらえる地域もご紹介します。
※2018年7月20日公開、2020年6月16日千葉市ふるさと納税の返礼品を追加

ふるさと納税って?

ふるさと納税とは、自分が生まれ育った故郷、お世話になった地域など、自分が選んだ地域の自治体を、寄附(ふるさと納税)を通して応援する制度。各自治体がホームページ等で公開している寄付金への理念や使い道を検討し、応援したい納税先を選んで手続きを行う。

通常の自治体への寄附と違うのは、寄附金(ふるさと納税)のうち2,000円を超える部分について原則として全額が控除の対象になること(一定の上限あり)。例えば1万円のふるさと納税を行った場合、2,000円を超える8,000円が所得税と住民税から控除されるのだ(ちなみに、控除を受けるには原則としてふるさと納税を行った翌年に確定申告が必要なので、忘れずに!)

ふるさと納税のもう一つの魅力は、寄附への感謝として自治体から贈られる返礼品。地域の名産品や観光資源を活かした品が多種多彩に用意されていて、自分が欲しい返礼品で納税先を選ぶ人も。詳しくは、総務省のふるさと納税ポータルサイト(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/080430_2_kojin.html)をチェック!

天守の修繕や発掘調査など、さまざまな事業に活用

地元や応援したい地域に寄付ができるふるさと納税。納税者は所得税や住民税の還付・控除が受けられ、そのお返しとして特産の食材や伝統工芸品などの返礼品をもらうことができるものだが、実はお城に関するふるさと納税があることをご存知だろうか? 寄附金の使い道としてお城の復元整備事業を選ぶことができたり、返礼品にお城グッズが用意されていたりと、城好きの心をくすぐる内容がたくさんあるのだ。

たとえば、現存12天守を持つ城の一つ、丸亀城。香川県丸亀市のふるさと納税「ふるさと丸亀応援寄附金」には全部で10種類のメニューが用意されているが、その中でも「日本一の高さを誇る丸亀城石垣を修復する事業」は1番目に掲げられ、大切な資金源となっている(以前は「日本一の高さを誇る丸亀城石垣を修復する事業」)。

丸亀城、天守、ふるさと納税
地域のシンボル・丸亀城天守の修繕にも、ふるさと納税は使われてきた

平成30年度のふるさと丸亀応援寄附金に寄せられた寄附の額は、延べ7,332件、約1億4100万円。そのうち丸亀城の事業に対する寄附は2481件、約6157万円で、他の事業よりも特に多額の寄付が集まっている。丸亀市広聴広報課の藤本さんは、次のように話す。

「丸亀城は地域のシンボルでもあり、復元整備事業は注目度が高いです。中には毎年寄附してくださっている方もいます」

寄附金の使い道は防犯設備の整備や天守の修繕など、年度によって異なるが、平成30年度からはこれまでに積み立てた寄附金を使い、三の丸にある坤櫓(ひつじさるやぐら)の石垣を一度すべて解体して発掘調査のうえ再び積み直す予定だった。だが、2018年の西日本豪雨などの影響で三の丸と帯曲輪の石垣が崩落してしまい、かつての美しい石垣を取り戻す修復事業への援助を大々的に呼びかけることになった。

丸亀城石垣復興城主証
カードサイズの丸亀城石垣復興城主証丸亀城石垣が復旧するまで天守の観覧料が無料となるので、復興状況の確認がてらに何度でも訪れたい

以前は丸亀城の復元整備に1万円以上を寄附すると返礼品として「丸亀城主証」が贈呈されていたが、平成31年度から「丸亀城石垣復興城主証」に変更。この城主証を提示すると、丸亀城石垣が復旧するまでの間、丸亀城の天守の観覧料が無料となる。お城めぐりに活用できる返礼品をもらえるのも、ふるさと納税という形での復興支援ならではだろう。

「江戸時代、丸亀藩を治めた京極家に伝わるニッカリ青江という刀剣があります。この刀がオンラインゲーム『刀剣乱舞』で注目を集めたことから、純粋に城主になりたくて寄附をしてくださる方もいるようですよ」(藤本さん)

被災した熊本城では2年で34億円が集まる

2016年の熊本地震で大きな被害を受けた熊本県熊本市でも、地域のふるさと納税「熊本市ふるさと応援寄附金」の寄附金の1つとして「熊本城の復元・復旧」を掲げている。1円から寄附できる「熊本城災害復旧支援金」と、1口1万円からで特典が用意されている「復興城主」制度の2種類があり、2019年10月末までに集まった金額は、2つあわせて約42億2,000万円。この寄附金は旧細川刑部邸の応急対策工事、被災した城域の安全対策など、様々な復旧事業に使われている。現在は天守の復旧に優先的に取り組んでおり、今後も飯田丸五階櫓、石垣などの復旧事業に使われる予定だ。

熊本城、被害、被災、寄附
熊本城の被害額は600億円を超えるとされる。被災から3年半、その7%が寄附で集まった

熊本城が堂々たる姿を取り戻す力に役立てるのは、城ファンとしては名誉だろう。復興城主制度では「城主証」、熊本市が管轄する観光施設に無料で入場できる「城主手形」などの特典も受けられる。

熊本城総合事務所によれば「復興城主制度は1万円以上という高額な寄附設定ですが、これまでに8万件を超える申し込みをいただいている」という。復旧には20年近くかかるといわれている熊本城を、ぜひ応援してみてはいかがだろうか。

熊本城、城主証熊本城、城主手形、芳名版
  城主証(左)と城主手形。復興城主制度では、これらに加えてデジタル芳名版(城彩苑内わくわく座2階に設置)にも名前が登録される

高い目標を掲げ、達成を目指す城も

この他にも、名古屋城天守の木造復元を目標に掲げる愛知県名古屋市の「金シャチ募金」、上田城の調査・復元を行う長野県上田市の「夢に向かって! 上田城復元プロジェクト」、豊臣期石垣の整備事業のための資金とする大阪府大阪市の「太閤なにわの夢基金」、会津若松城の整備に活用する福島県会津若松市の「城下町會津まちづくり寄附金」など、多数の地域がふるさと納税をお城の整備に役立てている。

福岡城でも、お城の復元整備にふるさと納税を活用している。福岡県福岡市の「福岡みんなの城基金(正式名称:福岡城整備基金)」と銘打たれたもので、福岡市経済観光文化局文化財活用部史跡整備活用課の坂本さんによれば「25のメニューがある中で、福岡城への寄附は毎年トップ3に入る注目度の高いもの」とのこと。

「福岡みんなの城基金」ではこの基金を活用し、平成35年度の潮見櫓の復元を目指している。平成30年度は198件の約2,628万円、平成26年度からの総額では926件の約6,780万円となった。市ではイベントなどを通じてこれまで以上に積極的にPRをし、ふるさと納税の存在を周知させていくという。

「『福岡みんなの城基金』は毎年寄附をしてくださるリピーターの方も多く、寄附額に応じた芳名板の氏名掲示もある。復元のため、これまで以上に多くの方に存在を知っていただきたいと思っています」(坂本さん)

福岡城、将来イメージ図、整備計画、ふるさと納税、寄附
福岡城の将来イメージ図。福岡城では2028年までの整備計画を策定しており、ふるさと納税の寄附を活用して復元整備事業を進めている

福岡城、芳名版。ふるさと納税
福岡城の芳名板。金額に応じて大きさが異なり、1万円で通常のもの、50万円以上で大きなプレミアム芳名板が掲示される。

「城ラマ」ももらえる!返礼品にお城グッズ

また、寄附金の使い道をお城に指定しているわけではないが、返礼品としてお城グッズがもらえる地域もある。岩手県盛岡市では、5,000円以上の寄附で盛岡城御三階櫓のペーパークラフトを返礼品に選ぶことができる。城模型を返礼品としている地域は他にもあり、長野県諏訪市では1万円以上の寄附で日本三大湖城の一つに数えられる諏訪高島城のプラスチックキットが、そして静岡県掛川市では5万3000円以上の寄附でお城ジオラマ復元堂による高天神城の城ラマを選べる。

お城で販売されているグッズを返礼品にもらえる自治体もある。長野県長野市では2万円以上の寄附で壱口城主証、特別入城券、特製オリジナルグッズセット、福井県大野市では1万円以上で北陸の天空の城・越前大野城のグッズ8種セット、福井県福井市では4,000円で福井城のオリジナル記念品8点セットが選べる。お城グッズをまとめて手に入れるチャンスだ。

変わり種としては、島根県松江市の松江城デザインのネーム入りハンコ。1万円の寄附で、松江城が描かれた横に自分の名前が入ったハンコを作ってもらうことができる。また、松江市では使い道として史跡整備を選択することも可能だ。

返礼品に限定版の御城印と御城印帳が登場!

ここ数年、御城印の人気が高まっているが、ついに令和2年(2020)4月より、千葉市のふるさと納税の返礼品として、「猪鼻城址御城印帳セット(市制100周年記念限定版。100セット限定)」が加わった。

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「猪鼻城址御城印帳セット」の御城印帳。御城印帳の制作は城びとがお手伝いさせていただきました!

御城印と御城印帳がセットで返礼品に選ばれるのは、全国で初めてとのこと。「猪鼻城址御城印帳セット」は、千葉市の歴史や魅力を広めるための都市アイデンティティ関連品として、千葉のまちを拓いた中世の武士団「千葉氏」の認知度向上につなげるため、猪鼻城址に立つ千葉常胤公像をモチーフにデザインされている。

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「猪鼻城址御城印帳セット」の御城印

個人(千葉市内在住者を除く)5万円以上又は団体10万円以上の対象品。詳細は、千葉市のHP(https://www.city.chiba.jp/zaiseikyoku/zaisei/shikin/furusatokihukin.html#kifu_orei)をチェック!

地域を応援することで、好きなお城にさらに愛着が持てるようになるふるさと納税。まだしたことがないという人も、この機会に考えてみてはいかがだろうか。

執筆/かみゆ&城びと編集部
「歴史はエンタテインメント!」をモットーに、ポップな媒体から専門書まで編集制作を手がける歴史コンテンツメーカー。

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