(続き)
天守台発掘調査現場の見学を終えると駿府城を後にしたんですが、最後に、前日とこの日の早朝にめぐった城下町の史跡などについて少々…。
静岡駅の北口を出て左手すぐに竹千代君像と今川義元公像が、その70mほど西に徳川家康公之像が建てられています。人質時代の駿府で義元や太原雪斎から受けた薫陶が後の天下人・家康の基礎になったことを象徴するような像だなぁ、と。
静岡駅から西に約200mの料亭・浮月楼は、謹慎を解かれた徳川慶喜が宝台院から移り住んだ屋敷跡で、北側と西側の入口脇に徳川慶喜公屋敷跡の石碑が建てられています。その後、慶喜は東海道線の静岡開通に伴って駿府城北西の西深草に転居しており、西深草ポケットパークに屋敷跡の石碑が建てられています。
駿府城下のあちこちに町名由来の石碑と説明板が設けられていますが、札之辻󠄀町は東海道沿いに設けられた高札場に由来し、両替町には京の伏見に次ぐ銀座が設けられていました。十返舎一九の生家も両替町にあったようです(標柱と説明板があるようですが…見落としました)。またブラタモリでも紹介されていましたが、銀座だけでなく金座も設けられており、町名が今に残るほか、金座当主・後藤庄三郎光次の屋敷跡とされる金座稲荷神社や日本銀行静岡支店も金座町にあります。日銀の東は静岡銀行本店、北は清水銀行静岡支店と、400年を経た今なお金融の中心地なんですね。
…ということで、取りこぼしもいくつかありますが、今回のとことん駿府城はこんなところで。現存の建物はないものの、堀や石垣はしっかり遺っていて、天守台発掘調査現場も見応えがあり、今川期以降の史跡も数多く、駿府城と城下を存分に堪能させていただきました。
なお、宿はホテルオーレ インに宿泊しました。ビジネスホテルとしてはやや高めですが、駐車料金は無料で、朝食ビュッフェに加えて夕食のカレーも無料、最上階の天然温泉大浴場はチェックイン時間内はいつでも入れるなど、内容から考えると決して高くありません。温泉では長時間運転と城めぐりの疲れを癒せましたし、朝食ビュッフェは質・量ともに充実していて、朝からつい食べ過ぎて苦しくなるほどでした。次に静岡市内で宿泊する機会があればぜひまたお世話になりたいと思っています。おすすめです。
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