2018/06/27
香川元太郎さんの城郭原画展＜東日本編＞＜西日本編＞が静岡県で同時開催中！
「マイ お城 Life」の第1回ゲストとしてご登場いただいたり、「超入門！お城セミナー」でイラストを提供していただいて、城びと読者にもファンの多い城郭復元イラストの第一人者香川元太郎さんの城郭原画展をご紹介します！
今回の原画展は、静岡県の藤枝市郷土博物館と島田市博物館による共同開催。藤枝市郷土博物館では＜東日本編＞と題して東日本の城に、島田市博物館では＜西日本編＞と題して西日本の城にそれぞれスポットを当てています。
藤枝市郷土博物館「駿河田中城と香川元太郎城郭原画展＜東日本編＞」
＜東日本編＞は、駿府城・松本城・小田原城・江戸城・春日山城・仙台城・五稜郭に代表される、戦国期〜江戸期の東日本（駿河以東）の名城の原画を約80点展示。さらに今回香川さんが新たに制作した、藤枝市指定史跡の花倉城・朝比奈城の描き下ろし原画も初公開されます。
また、香川さんの城郭原画と共に、城郭模型作家・岐部博さんが立体的に再現した城郭模型も展示。イラストと模型を同時に鑑賞することで、当時の城郭の全体構造や縄張り、さらに雰囲気までよりリアルに理解することができますよ。
同心円形の縄張りで知られる田中城の江戸時代の絵図約20点も系統的に展示されるので、併せてご鑑賞ください。
島田市博物館「島田の城と香川元太郎城郭原画展＜西日本編＞」
一方、＜西日本編＞と銘打った島田市博物館では、大坂城・名古屋城・姫路城・高知城など西日本（遠江以西）の名城の原画と、岐部博さんの城郭模型を併せて展示。さらにこちらの企画展でも香川さんの初公開イラストが！ 現在島田市で史跡整備を進めている諏訪原城の最新の調査結果を踏まえた原画を鑑賞することができます。また、8月18日（土）には、香川さんのワークショップも開催されるそう（要事前申込）！
原画展の注目ポイント
今回の原画展の注目ポイントとして、香川さんからは以下コメントをいただきました。
私が城の復元イラストを描くようになって３０年が経ちますが、今回展示していただいた原画は、これまでの作品の中でも特に皆様に見ていただきたいものばかりです。
復元イラストの原則は、資料に基づいて正確に描くことです。江戸時代の城の場合は、建物についての資料も多いので、建物を正確に描くことに力を注いでいます。いっぽう戦国時代の城の場合、城の主体は、地形を利用しながら築く堀や土塁などですので、地形（縄張り）を正確に立体化することを最も重視しています。
原画は全て紙に描いています。線は主にシャープペンシルで描き、着色はアクリル絵の具を用いて、筆とエアブラシで描写しています。ぜひ原画を間近でご覧いただき、当時の城をイメージしていただきたいと思います。
藤枝市郷土博物館の東日本編では、戦国時代の城が多いのが特徴です。これに対して島田市博物館の西日本編では、江戸時代の城が多くなっており、地域性の違いなども比べていただければ幸いです。
香川元太郎
香川さんによる日本全国の城郭原画が一挙に公開されるのは、今回が初の試み。＜東日本編＞＜西日本編＞の2つの企画展を巡った方には、オリジナルグッズがプレゼントされるそうです！
この機会に城郭原画展で全国のお城を巡り、構造のみならず当時の空気感まで伝わってくる細部の描き込みを間近に体感してみてはいかがですか？
＜「駿河田中城と香川元太郎城郭原画展＜東日本編＞」の詳細＞
日時：平成30年6月16日（土曜日）〜7月29日（日曜日）
場所：藤枝市郷土博物館・文学館
住所：静岡県藤枝市若王子500（蓮華寺池公園内）
電話：054-645-1100
ファックス：054-644-8514
開館時間：午前9時〜午後5時
休館日：月曜日（7月16日は開館）、7月17日（火曜日）
入館料：大人200円（団体20名以上160円）、中学生以下無料
障がい者手帳(コピー可)などをご提示の方と必要な介助者無料
●企画展ホームページ
＜「島田の城と香川元太郎城郭原画展＜西日本編＞」の詳細＞
日時：平成30年6月16日（土曜日）〜7月29日（日曜日）
場所：島田市博物館
住所：静岡県島田市河原1-5-50
電話：0547-37-1000
ファックス：0547-37-8900
開館時間：午前9時〜午後5時（入館は午後4時30分まで）
休館日：月曜日（祝日の場合は翌日）
入館料：大人300円（団体20名以上240円）、中学生以下無料
障がい者手帳などをご提示の方と必要な介助者無料
●企画展ホームページ
▼香川元太郎さんのインタビュー記事はこちら
●香川元太郎（かがわ・げんたろう）さん プロフィール
1959年、愛媛県松山市生まれ。イラストレーター。日本城郭史学会委員。歴史考証イラストや図解が専門。主な著書に『47都道府県 よみがえる日本の城』『迷路絵本』シリーズ（ともに PHP研究所）、『歴群［図解］マスター 城』（学研プラス）、『日本の城 ―透視&断面イラスト』（世界文化社）など。雑誌『歴史群像』（学研プラス）では2000年以降、城の復元イラストを連載で発表し続けている。ホームページ「香川元太郎GALLERY」では、作品を閲覧できるほか、ブログも更新中。
写真＝畠中和久
執筆/城びと編集部
