2020/11/02
前田慶次の自腹でお城めぐり 【第7回】凸彦根城 前編~井伊家が誇る名城~
お城に関する豊富な知識を持つ「名古屋おもてなし武将隊」の一員・前田慶次が、全国のお城を実際にめぐりながら歴史・特徴・魅力を解説。今回は、徳川譜代大名の筆頭である井伊家が拠点とした彦根城(滋賀県彦根市)の前編。江戸時代の町並みを再現した城下町や街道に植えられたいろは松など、城郭に到着するまでの見どころや豆知識を紹介します。
皆の衆、我こそは名古屋おもてなし武将隊天下御免ノ傾奇者前田慶次である。
此度(こたび)城びとと同盟を結び、此の前田慶次が連載を持つ事と相成った。
先ずは、名乗りを上げよう。
前田慶次齢四七八歳。戦国の世では天下御免ノ傾奇者として名を馳せ申した。現世に蘇りは名古屋おもてなし武将隊の一角として、名古屋城を拠点に名古屋を世界一の観光都市にするが為、日々戦働きに勤しむ。
演武といったパフォーマンスなるものを披露し、電波放送戦(テレビやラジオ)は常戦番組(レギュラー)を持ち、全国各地に遠征を繰り広げる。
結成十一周年を迎え、全国の武将隊の先駆けとして日ノ本を代表とする武将隊である。
して、儂前田慶次は現世に蘇り歴史の語り部として多くの戦に出陣して参った。
伝統芸能を伝える舞台出陣、歴史学者との対談、寺子屋(学校)での歴史授業。
名古屋城検定名誉顧問に叙任され、検定過去最高得点を叩き出す。
日本城郭検定にも挑戦し合格。
日ノ本が誇る歴史文化をより多くの者に伝えるべく、此度から城びとでの連載を始める次第。
題して
【前田慶次の自腹でお城めぐり】
他の連載と何が違うのか!?
・現世に生きる戦国武将自らが感じたことを紹介!
・傾奇者による城郭魅力度数値化!
・城巡りの手引書(案内)となる!
・地域の特色を織り交ぜ、観光が楽しくなる!
・イケメン(前田慶次)が見れる!
・要点を抑えた紹介!
・兎に角分かりやすい!
全国の城に直接己が足で出向き、城の見方、歴史を伝え、
其の城の傾き所(見所)や天守閣、男前田度(イケメン)を前田慶次の独断で評価する。
歴史初心者から玄人まで楽しめる、国宝連載となっておる。
ただ城を巡るのではなく! 儂の金子(金)で城に登城する。つまり限られた金子で巡る
旅の道中劇にも注目してもらいたい!!
また巡り方については、王道の道順を歩む故に参考にすると良い。
凸彦根城 ~でら有名ロケ地!井伊家が誇る名城~
第七回は彦根城!
先ずは、城郭の魅力度を数値化致した。
ほぼ満点に近しき点数!!
近江国を代表とする城であり、天下普請で築かれた徳川四天王の一角、井伊家が誇る名城。
築城期間も長く、戦に対する備えも万全! 井伊家らしく魅せる城というのも忘れておらぬ。
建築物や石垣は中世と近世の良いとこ取り。それが彦根城である!
駅からの距離も遠くもなく、城下町を楽しみながら歩めばあっという間に着陣するし、観光にも誂え向き!
慶次の勧めは秋。紅葉が見事に綺麗なようで思わず見惚れてしまうであろう。
【基本情報】
城郭構造:平山城
主な築城者:井伊直継
築城年:1622年(工事完了)
指定文化財
【国宝】天守閣、付櫓及び多聞櫓
【重要文化財】天秤櫓、太鼓門及び続櫓(1棟)
西の丸三重櫓及び続櫓(1棟)、二の丸佐和口多聞櫓、馬屋
【歴史】
1600年、井伊直政(徳川四天王の一人)は佐和山城を廃し、磯山に新規築城を計画したが1602年に病没。
1603年、息子の直継が彦根城築城開始! 工事は天下普請で引き継がれた。彦根城築城に関わった大名は15人!
後も工事は続けられ1622年全ての工事が完了。
明治維新後、天守を見学した大隈重信が、天皇に保存を奉上。これが認められ保存が決定。
数少ない現存天守閣を持つ人気の城の一角である!
1952年、天守閣と付櫓及び多聞櫓が国宝指定。
平成に入ってから世界遺産登録を目指して精力的に活動。
江戸時代に突入してから築城された彦根城。徳川譜代大名の筆頭である井伊家が拠点とした城郭にはどんな見所があるのか。
また、現世においても多くの者達を魅了する人気の城郭。
世界遺産登録に向けて活動的であるのも魅力的である。
では、いざ彦根城へ出陣!
おうーーーーーーーーー!!!!
【名古屋駅から出陣】
尾張の玄関口名古屋駅から始まる我が連載。
【残金75,661円】
※我が連載は己の金子で巡る。即ち費用は幾らかかるのか。
民にとって物見遊山は手軽なものではない故に、我が連載を費用の目安に致せ!
【道中突如現れる家紋】
名古屋駅から大垣駅まで行軍。大垣駅から乗り換えで米原駅まで参る。
その道中に「関ヶ原」を通過致す!関ヶ原と申せば戦国最大級の合戦「関ヶ原の戦い」の舞台である!
関ヶ原駅では斯様に参陣した武将の名前と家紋等が駅に記されており歴史好きの心を掴む備えがある。
道中景色を見ておると思わず士気が上がってしまう駅!
【米原は西国の重要な地!?】
米原駅に着陣。再び乗り換えと相成る。
初めてこの地に参ったが京極家という名門の本拠地であったのが米原に候。
後に浅井家が支配するが岐阜と京の間ということで織田信長様が要所として抑えた!
また、江戸時代では交通の要所として五街道の一つに数えられ、
世で有名な参勤交代で西国大名が利用する重要な土地である。
【ひこにゃんが出迎える彦根駅】
彦根駅に着陣すると、彦根市のマスコットキャラクターである「ひこにゃん」が出迎える!
ゆるキャラと呼ばれる類の火付け役としてその名を全土に轟かせる!
【ひこにゃんのモデルは井伊家?】
ひこにゃんは彦根藩2代目藩主である井伊直孝に所縁の白猫を見本とし斯様な見た目である。
井伊家の象徴でもある赤備えの兜を使用。
彦根城築城400年記念で誕生し、人気が爆発した為存続の声が集い今尚活動する。
我等名古屋おもてなし武将隊に随分と経歴が似ておるのぅ…。
【井伊直政像と写し絵】
彦根城方面側には井伊家を代表する武士である井伊直政の像があり申した!
徳川家康様の側近にして徳川四天王の一角、彦根藩初代藩主である。
容姿端麗で徳川様だけでなく、秀吉様の母である大政所様も惚れ込んだ男前田武将でもある。
天下分け目の関ヶ原の軍功によって此の彦根・佐和山の地を拝領。
直政はその後に関ヶ原の古傷が原因の為か天に身罷るが、息子たちが後を引き継ぎ35万石の大国へと発展させる。
【至る所にひこにゃん】
井伊直政の像も印象的であるが、先程案内したひこにゃんは、彦根の至る所に出没するぞ!
案内書によると彦根城付近は城下町の如き町並みを形成しており食べ処も多く楽しめるようじゃ!
「後に参ろうと思う」フフフフフ
【キャッスルロードは金賞?】
駅近くに案内版があり、解説付きで分かり易いぞ!
ナニッ!?
彦根城に参ろうとしておるのに、既に城下町の飯し処が気になって探しておるわけではないぞ?
因みに彦根城の西側がキャッスルロードと言われる城下町じゃ!
此処は「優秀観光地づくり賞金賞」を受賞する名城下町である。
白壁、黒格子、切妻屋根を施した江戸時代の町並みを再現。写真を撮って楽しむ事ができるぞ!
【ひこにゃんで一杯】
彦根城に向かい始める儂。駅から北に向かってひたすら歩む。
景観を楽しみながら歩めばあっと言う間である。
その道中にはひこにゃんが我等を出迎える。
特に石像のが気に入った故に紹介するが
至る所ひこにゃんで溢れる彦根市。
【全体図を確認】
彦根駅から「駅前お城通り」を北へ歩みを進めて参る。
さすれば、地図の現在地まで5分程で着陣。非常に分かりやすい道順となっており迷うこともなかろう。
この案内版で彦根城の全体が確認できる。
大手門は正面じゃない!
駅から北に登る最短の道は大手門(正面)ではない! 大手門は左側!
中堀も内堀も水堀になっており、聞くと琵琶湖から水を引いておるそうじゃ!
(※外堀は埋められ道路になっておるそうじゃ)
水堀のメリット
曲輪への侵入を阻止する為の備えであり、幅は弓や鉄砲の攻撃が届かない距離になっていることが殆ど。
更に、近世城郭の場合は高石垣と組み合わせることで、侵入をより難儀にして敵の戦意を下げる役割もある。
お主なら泳いで登ろうとするか?中には水堀に縄をしかける城郭もあったりすると聞く。
彦根城の縄張り
連郭式(れんかくしき=本丸とその他の曲輪を連ねて配置)平山城。
南から曲輪が「鐘の丸」「太鼓丸」「本丸」そして「西の丸」が連なる。
全体図を見ると斯様な事が分かる為、先ずはこういう大きな地図を現地に行ったら見つけよう!
【街道に植えられたいろは松の意味とは?】
こちらは二代藩主井伊直孝の頃に高知から移築された松である。
何故「いろは松」と申すかと言うと47本の松が元々存在しており
「いろは」47文字の頭文字を取って「いろは松」と命名したそうじゃ。
然しながら、何故高知から47本の松を移築したのか?
この場所は参勤交代の折に必ず通る場所。
見栄えを良くしたかった点、人馬の通行の邪魔にならぬように土佐松を植えたそうじゃ。
土佐松は根が地上に張り出さない為通行の邪魔にならぬ!
既に枯れた木もあるが33本残っており、他種類含めて樹齢300年以上の老木が
今も尚彦根城へ向かう多くの者を出迎えておる!
【重要文化財:佐和口多聞櫓】
城郭の見所、櫓が目に入って参った。
こちら佐和口御門と申して、入れ違い虎口を形成する固い守りが見所!
彦根城の重要な門の一つ。
現世では、御門跡の南側に残る櫓が重要文化財にも指定される!
多聞櫓が壮大で圧巻の景観。
二重の櫓も備えておるし綺麗に写し絵で納めたい写真スポットとも言えよう。
大興奮間違いなしの出迎え! 天晴!
江戸期に火災で焼失したが早急に再建され、今多くの者に愛される櫓となった!
守備力としても枡形門に加え狭間も多く、敵兵の侵入を妨げる。
さぁ此度の記事はここまで。
次回は遂に彦根城へ入城し、あの武士と出会う!?
石垣に大興奮!?
次回も楽しみに致せ
以上
名古屋おもてなし武将隊
天下御免ノ傾奇者 名古屋城検定名誉顧問 城びと連載人
前田慶次郎利益
<住所>
滋賀県彦根市金亀町1-1
<アクセス>
JR東海道本線「彦根駅」から徒歩約10分
凸伝令
執筆・写真/前田慶次(名古屋おもてなし武将隊)