お城ファンが選んだ「推し城」ランキング 「Castle of the Year 2019」番外編!城びとが気になるお城をピックアップ

城びとユーザーにアンケートを実施した「Castle of the Year 2019」。日本100名城・続日本100名城の中から2城を選び、読者の皆様に投票いただきました。ここでは、ベスト25にはランクインしなかった城の中から、2020年も注目を集めること間違いなし!な城を、読者のコメントを交えながらご紹介します。さて、あなたのオススメする城は選ばれているのか、要チェックです!




武田氏館(山梨県甲府市) 武田氏館


山梨の戦国武将といえば“甲斐の虎”で知られる武田信玄! 信玄の父・信虎が武田家の本拠地として「躑躅ヶ崎館(つつじがさきやかた/武田氏館)」を築きました。館は居住や政務の場としての機能だけではなく、城としての一面も持った施設だったようです。例えば、東曲輪の虎口(出入口)からは、丸馬出とそれに付随した三日月堀が発掘調査で発見され、虎口を強化するための技法が取り入れられていたことが確認されています。

2019年4月5日には、武田氏館の歴史や発掘調査成果などを紹介する施設「甲府市武田氏館跡歴史館(信玄ミュージアム)」がオープンし、話題になりました。 

・武田氏の館…ではなくて城。城としてみると見方が変わります。発掘調査も続いていて今後の成果が見逃せません。(nikko81)

岐阜城(岐阜県岐阜市) 岐阜城


別名「稲葉山城(いなばやまじょう)」。戦国時代の城として抜群の知名度を誇る、斎藤道三や織田信長の居城です。2020年はNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の舞台になることから、ますます注目されること間違いなしの城。見どころは、標高329mの山頂付近に築かれた当時の姿そのままの野面積み石垣! 技術レベルがそれほど高くない時代に、まるで見せつけるかのように積まれた石垣に感動すら覚えます。最近でも、天守台石垣の一部が確認されニュースにも取り上げられました。

金華山の麓にオープンした「岐阜 大河ドラマ館」(2021年1月11日まで)だけではなく、2019年12月に展示がリニューアルされたばかりの岐阜城天守、岐阜城資料館もじっくりと訪れてみてください。

・なんと言っても天下布武の城! 眼下に見下ろす濃尾平野を見ていると誰でも男のロマンを感じずには要られない。(マヤコ)


小牧山城(愛知県小牧市) 小牧山城


織田信長が岐阜城に移る前に4年間居城とした小牧山城。発掘調査によると、高さ3mほどの2段の石垣が(一部3段)主郭部を取り囲むように構築されていたことがわかりました。戦う土の城が当たり前だった時代に、見せる城としての役割を見いだした信長の原点が、この小牧山城からはじまっていたのかもしれない…そう感じるだけで、気持ちがドキドキです。

2019年4月25日には小牧山の麓に「れきしるこまき(小牧山城史跡情報館)」が開館し、最新の研究調査や歴史をわかりやすく知ることができます。

・小牧市のシンボル尾張平野の中央の独峰。信長の気持ちが伝わる立地と縄張り。野面の石垣の城。まだまだ今後の発掘によりなにが出るか宝箱のような城。(城愛爺)


白河小峰城(福島県白河市) 白河小峰城


東北三名城の一つ。江戸時代の寛永9年(1632)に、初代白河藩主・丹羽長重が4年の歳月を費やし近世城郭へと大改修しました。2019年4月20日には「小峰城歴史館」がリニューアルオープンし話題に! 城が大好きな落語家でおなじみの春風亭昇太さんがナレーションを勤める「VRシアター」はとても面白く、江戸時代の白河小峰城にタイムスリップしたような気分を体験することができます。東日本大震災から9年…2019年に石垣修復が完了した白河小峰城にますます注目です。

・シンプルなようで複雑な造形の三階櫓に一目惚れした。地元の人にも親しまれていて、とても居心地の良い所。(チタニウム)

小倉城(福岡県北九州市)

小倉城 
写真:ニッポン城めぐり

豊前30万石の居城として細川忠興が7年の歳月を費やし築城しました。寛永9年(1632)には、九州の諸大名を監視するために、小笠原忠真が入城。この地は、「九州のすべての道は小倉に通じる」といわれる交通の起点であり、また九州と本州を結ぶ要所だったため、城下は大変な賑わいだったそうです。

2019年3月には、5年間の耐震補強工事を経て天守がリニューアルオープン。建物は、最上階が張り出した南蛮造りと呼ばれる珍しい構造をしています。

・忠興公が居たのは短い期間ながら、幕府にとっても重要な拠点の一つとして最大限の整備を城のみならず城下に施し、影響を与えた忠興公の功績の一つとも言えるお城かと。(黒田乙)※一部抜粋

水戸城(茨城県水戸市) 水戸城


徳川御三家の一つ、水戸藩の居城。近世城郭でありながら石を使わない土造りの城で、圧倒されるほどの巨大な空堀を有しています。9代藩主・徳川斉昭は、文武を学ぶための藩校「弘道館」を創設、さらには藩士や領民の休息の場として「偕楽園」を造園しました。

二の丸にあった天守代用の御三階櫓は、残念ながら太平洋戦争中の空襲で焼失。現存する建物遺構としては薬医門がありますが、なんと2020年2月4日には新たな見どころがオープン! 約2年半の工事期間を経て大手門が復元されました。さらに、2020年9月には二の丸角櫓と土塀が復元完成予定となっており、少しずつかつての姿が蘇ろうとしています。2020年、変化を遂げる水戸城に足を運んでみてはいかがでしょうか?

・6年間、大手橋をわたり水戸城跡にある学校に通いました。とっても思い入れがあります。(梨花子)

▼水戸城について知りたい方は、こちらの記事もチェック

2019年11月下旬〜12月下旬の間、城びとユーザーを対象にインターネット上でアンケートを実施した「Castle of the Year 2019」。こちらの記事は番外編のご紹介でしたが、1位〜25位に選ばれた城も気になりますよね! 「Castle of the Year 2019」ランキング記事も忘れずにチェックしてくださいね。

▼他年度の推し城ランキングはこちらをチェック!

【Castle of the Year 2019 お城ファンが選ぶ2019年の推し城は?】
▶1~10位はこちら(https://shirobito.jp/article/1017
▶11~25位はこちら(https://shirobito.jp/article/1016

【Castle of the Year 2020 お城ファンが行きたかった推し城は?】
▶1~10位はこちら(https://shirobito.jp/article/1268
▶11~24位(同率2城)はこちら(https://shirobito.jp/article/1267

【Castle of the Year 2021 お城ファンが「感動した」推し城は?】
▶1~10位はこちら(https://shirobito.jp/article/1528
▶11~20位はこちら(https://shirobito.jp/article/1527

いなもとかおり
 執筆・写真/いなもと かおり
 お城マニア&観光ライター
 31歳になる城マニア。國學院大學文学部史学科古代史専攻卒。19歳の時に、会津若松城に一目惚れしてから城の虜となる。訪城数は600ほど。国内旅行業務取扱管理者、日本城郭検定1級、温泉ソムリエ、夜景鑑賞士2級の資格をもつ。城めぐりの楽しみ方を伝えるべく、テレビやラジオにも出演中。