小国城(山形県西置賜郡小国町小国小坂町)
(2021/06/21 訪問)
小国は羽越の国境に位置する要地で、14世紀末に伊達氏の置賜郡攻略以後は栗生田氏二代、15世紀初頭から上郡山氏が配された。「山形県中世城館遺跡調査報告書」によると小国城は上郡山民部大輔盛為により天文年間(1532~1555年)の築城と云う。その後上郡山氏は天正19年(1591)伊達政宗の岩出山移封までこの地を治め、阿賀北衆や上杉氏対応を務めた。慶長5年(1600)上杉氏の米沢移封からは小国城代が置かれるようになり、元禄5年(1692)に城代が「役屋将」と改められたことにともない、城から「御役屋」に呼名が変わった。その後、維新まで34人の役屋将が変わったと云う。
城は小国盆地の中央に位置し、北と東を街中を流れる横川で守り、主曲輪を外曲輪が囲み、土塁・堀で区画する梯郭式の縄張。現状は旧小国小学校跡地と住宅地となっており堀・土塁は撤去されてしまったが、主曲輪南西部の土塁跡をわずかに残すのみ。城址碑や案内板も無く残念な状況だが、今後小学校跡の旧校舎の撤去が行われることに伴い、かつて羽越国境を守った重要な城(御役屋)の存在をわかり易く伝える手立てを考えていただく事を期待します。専用の駐車場は無く町役場駐車場の借用か。
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