2025/04/03
お城ファンが選んだ「推し城」ランキング 【番外編】選択肢にないけれど外国人旅行者にお勧め!Castle of the year 2024

2024年10月中旬〜12月下旬、「あなたが外国人旅行者にお勧めするお城」をテーマに、城びと読者の皆さまに恒例の推し城アンケートを実施しました。日本100名城、続日本100名城から選んでいただく選択式ですが、日本100名城、続日本100名城以外でもおススメのお城がある!と多くのコメントが寄せられました。その中から10城をピックアップして「番外編」としてご紹介します!
Castle of the Yearってなに?
毎年決まったテーマにあわせて、お城ファンが自身の「推しの城」を投票する「Castle of the Year」は、2019年に始まった「城びと」の周年記念企画です。2024年の「Castle of the Year」は、これまでとは視点を変えて、「訪日外国人旅行者に今もっともお勧めしたいお城」をテーマに設定、「城びと」を利用している全国のお城ファンに、日本100名城・続日本100名城の計202城の中から「推し城」を1人2城投票していただきました。その結果を集計して、このたび、2024年の「Castle of the Year」が決定しました!
▶「【1~10位】外国人旅行者にお勧めのお城は?Castle of the Year 2024」はこちら(https://shirobito.jp/article/2054)
▶「【11~20位】外国人旅行者にお勧めのお城は?Castle of the Year 2024」はこちら(https://shirobito.jp/article/2055)
アンケートでは、日本100名城、続日本100名城ではないけれど外国からの旅行者にお勧めのお城がある!と、多くのコメントをいただきました。どんなお城が挙げられたのか、今回の番外編で推薦コメントとともに10城をピックアップしてご紹介します!
お城ファンによる外国人旅行者にお勧めのお城 番外編
■志波城(しわじょう・岩手県盛岡市)


志波城は古代陸奥国の最北端かつ最大級の城柵。延暦22年(803)、坂上田村麻呂によって造営されましたが、造営後約10年で雫石川の水害によって役割を終えました。発掘調査成果により志波城古代公園として復元整備され、古代の城柵に思いを馳せられます。訪日外国人旅行者にとって、古代の日本のお城にふれられる絶好の場所ですね。
・古代城柵のイメージを想像してもらいやすいと思うから。(おしりすとさん)
・東北最大規模の古代城柵にして、築地塀、櫓、政庁跡など、最も復元整備がされている城である。(エンレキさん)
▼志波城について知りたい方は、こちらの記事もチェック
日本100名城、続日本100名城に負けない名城 第12回 志波城跡(しわじょうあと)[岩手県盛岡市](https://shirobito.jp/article/1199)
■世田谷城(東京都世田谷区)


世田谷城は、渋谷駅から近い三軒茶屋駅から東急世田谷線でアクセスできますので、旅行者にとってアクセスしやすいお城と言えるでしょう。世田谷城が築かれた時期や、建物の実態は不明ですが、土塁の遺構が見られ、東京の中心地にも中世城郭が築かれたことがわかります。お城の中心地があったとされる豪徳寺は、境内に並ぶ招き猫が有名です。
・世田谷城 世田谷線の幸福の招き猫電車と併せ一大カワイイスポットです。(いろはさん)
・世田谷城、招き猫が圧倒的です(やまやまさん)
▼世田谷城について知りたい方は、こちらの記事もチェック
【東京都のお城】皇居にお台場、渋谷まで!おでかけ先は城だらけ!?(https://shirobito.jp/article/388)
■安田城(富山県富山市)


2025年1月、アメリカ有力紙ニューヨーク・タイムズが「2025年に行くべき52カ所」を発表し、日本からは大阪市と富山市が選ばれました。富山市と言えば、富山駅の近くにある近世城郭・富山城が知られますが、中世城郭・安田城(安田城跡歴史の広場)も土塁や堀の遺構がよく残り、ぜひ訪ねたいお城です。天正13年、全国統一を目指す羽柴(豊臣)秀吉が越中の佐々成政を攻めた際に、本陣とした白鳥城の支城とされています。
・良く整備されていて、富山駅からも近いので。(にーさん55さん)
▼城びとに寄せられた安田城の口コミはこちら
■鳥羽城(三重県鳥羽市)


観光地として人気の鳥羽水族館の裏手の丘の上に、鳥羽城本丸の石垣が残っています。鳥羽水族館は鳥羽城の大手門付近に当たり、かつての鳥羽城の一部。近世城郭の鳥羽城を築いた九鬼嘉隆は、織田信長に仕えて頭角を現し、九鬼水軍を率いて功績を挙げた武将です。九鬼嘉隆の墓がある答志島は鳥羽港と定期船で結ばれており、ショートトリップが楽しめます。
・風光明媚な景色が広がり、九鬼氏の壮絶な歴史を体感できる城だからです。(治部少輔さん)
▼当時の様子を体感できるARで満足度もさらにUP!こちらの記事もチェック
鳥羽湾に九鬼水軍と「信長の鉄甲船」がARで出現!陸上で、船上で、その迫力を体感せよ!【PR】(https://shirobito.jp/article/2018)
■高槻城(大阪府高槻市)


天正元年(1573)、戦国武将・高山右近が築いた堅固な城郭こそが高槻城です。右近は熱心なキリシタンでキリスト教を手厚く保護し、天主教会堂を拠点に布教を進めたと伝えられます。2017年にはローマ法王から「福者」の承認を受けました。高槻城跡公園は右近が在城した頃より後の、江戸時代の高槻城の縄張りを基盤としていますが、近年に行われた周辺の発掘調査から、右近が築いた高槻城の石垣や障子堀が見つかり、注目されています。
・キリシタン大名の高山右近のお城。ヨーロッパでは右近の歌劇があるくらいなので。(ためぞうさん)
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■園部城(京都府南丹市)


園部城は、明治2年(1869)に築かれた「日本最後の城」。園部藩は3万石以下の無城主格であったため、園部陣屋が藩政の中心でした。しかし幕末の不安定な情勢のなかで京都の防御を目的として、明治新政府によって築城の許可が下りました。現在、園部城跡には京都府立園部高等学校および附属中学校が建ち、櫓門が正門として使われています。お城が学校に利用されている例は海外にもありますが、学校の正門が櫓門はやはり迫力がありますね!
・日本近世最後の城だから是非見てもらいたい。(まーやんさん)
▼城びとに寄せられた園部城の口コミはこちら
■山吹城(島根県大田市)


石見銀山を発見したのは周防(山口県)の大内氏で、延慶年間(1308~1311)に石見銀山を防衛のために築いたとされるのが山吹城です。世界遺産に登録されている石見銀山は、ヨーロッパの地図にも記された世界的に有名な鉱山。最盛期に日本の産銀量は世界全体の約3分の1を占め、その大部分が石見銀山で産出されたと考えられています。石見銀山領の中心地・大森の町並みを散策しながら、山吹城の歴史に思いを馳せていただきたいですね。
・世界を動かした石見銀山と併せてみてもらうことで歴史や自然を感じてもらえるため。麓の町並みも古き良き日本の文化を感じられると思う。(城っすきさん)
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■甘崎城(愛媛県今治市)


広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ「しまなみ海道」は、サイクリング等を楽しむ外国人旅行者に人気。しまなみ海道沿いには村上海賊の城跡が数多くあり、甘崎城もそのひとつです。戦国時代末期、甘崎城は来島村上氏の重臣である村上吉継の居城となりました。江戸時代に来日したドイツ学者・ケンペルは、「水中よりそびえる水砦あり」と記しています。春と秋の大潮などには、対岸と砂州でつながる「海割れ現象」が起こり、甘崎城跡まで歩いて渡れる場合があります。
・甘崎城。年に数回、海割れ日と呼ばれる大潮の日に砂浜を通って渡ることができる。日本のモンサンミッシェル?(あやたいさん)
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日本100名城、続日本100名城に負けない名城 第34回 甘崎(あまさき)城跡[愛媛県今治市](https://shirobito.jp/article/1643)
■杵築城(大分県杵築市)


守江湾に突き出すように立つ杵築城の模擬天守。杵築城の城下町の形態はユニークで、北台と南台の尾根筋には武家屋敷群、谷筋には商家町が形成され、「サンドイッチ型城下町」と呼ばれることもあります。さらに酢屋の坂や勘定場の坂などが合わさり、杵築城下町は独特の景観を形成しています。大分空港から杵築バスターミナルまで、バスに乗車して約30分でアクセスできますので、旅行者にとって訪れやすい城下町とお城です。
・景観がよく、城下もよく保存されています。 別府温泉など周辺地域にも満足されると思います。(kempさん)
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一度は行きたい!日本全国のおすすめ城下町20選(https://shirobito.jp/article/1830)
■糸数城(沖縄県南城市)


標高約180mの琉球石灰岩の丘上に築かれた糸数城は、数ある沖縄のグスク(城)のなかでも屈指の城壁を備えています。14世紀初め頃に築かれたとされ、三方は断崖や急斜面に囲まれ、防御の弱い位置には高い城壁を築いた堅固なグスク。糸数城に限らず、日本のお城のイメージと一線を画す、曲線的な城壁等を特徴とするグスク自体が旅行者の興味を引きそうです。
・ミニチュア万里の長城みたいなので。(まさきちさん)
・沖縄県南城市の糸数城跡。 沖縄戦を免れて残っている石積みがすごい。戦後の開発で石材として持ち出されそうになったのを地元住民が守ったというエピソードも、未だに愛されているお城という感じで心にのこりました。(チョコモナカさん)
▼糸数城について知りたい方は、こちらの記事もチェック
日本100名城、続日本100名城に負けない名城 第2回 糸数城[沖縄県南城市玉城糸数](https://shirobito.jp/article/998)
以上、「Castle of the Year 2024」番外編の発表でした。この10城のほかにもたくさんのお城をご推薦いただきましたが、全てをご紹介できず申し訳ございません。一方、「大好きなお城にあまりたくさんの人が押し寄せるのも(困るなあ)」というご意見も一定数寄せられました。お城好きに限らない偽わらざるファン心理というもので、うんうん分かる、とうなずいてしまう方も多いのではないでしょうか。たくさんのコメントをいただき、ありがとうございました!
【推し城アンケート概要】
●調査期間:2024年10月16日~2024年12月31日
●調査対象:824名(「城びと」読者の皆さま)
●調査方法:全国の「城びと」読者を対象にインターネット調査を実施。日本100名城、続日本100名城の計202城から、「あなたが外国人旅行者にお勧めするお城」を2城選び、投票いただいたものを集計。企画告知記事「【ご投票お願いします!】2024年の「推し城」アンケートを実施中!」(https://shirobito.jp/article/2027 現在は募集しておりません)

執筆・写真/藪内成基(やぶうちしげき)
国内・海外で1000超の城を訪ね、「城」をテーマに執筆・ガイド。著書『講談社ポケット百科シリーズ 日本の城200』(講談社、2021年)。『小学館版 学習まんが日本の歴史 6~8巻』(小学館、2022年)、『地図で旅する! 日本の名城』(JTBパブリッシング、2020年)などで執筆。日本お城サロン(まいまい京都主催)のコーディネーターを務めた。