前田慶次の自腹でお城めぐり 【第4回】凸小牧山城(後編)~見逃せぬれきしるこまき~

お城に関する豊富な知識を持つ「名古屋おもてなし武将隊」の一員・前田慶次様が、全国のお城を実際にめぐりながら歴史・特徴・魅力を解説。今回は、織田信長が美濃攻めの拠点として築城した「小牧山城」(愛知県小牧市)の後編。前回までの登城時ではまわれなかった史跡や見どころ満点の資料館「れきしるこまき」、さらに周辺の寄り道スポットまでくまなくご紹介します。(※2020年4月20日初回公開)




皆の衆、我こそは名古屋おもてなし武将隊天下御免ノ傾奇者前田慶次である。

此度(こたび)城びとと同盟を結び、此の前田慶次が連載を持つ事と相成った。
先ずは、名乗りを上げよう。

前田慶次

前田慶次齢四七八歳。戦国の世では天下御免ノ傾奇者として名を馳せ申した。現世に蘇りは名古屋おもてなし武将隊の一角として、名古屋城を拠点に名古屋を世界一の観光都市にするが為、日々戦働きに勤しむ。

演武といったパフォーマンスなるものを披露し、電波放送戦(テレビやラジオ)は常戦番組(レギュラー)を持ち、全国各地に遠征を繰り広げる。
結成十周年を迎え、全国の武将隊の先駆けとして日ノ本を代表とする武将隊である。
して、儂前田慶次は現世に蘇り歴史の語り部として多くの戦に出陣して参った。

伝統芸能を伝える舞台出陣、歴史学者との対談、寺子屋(学校)での歴史授業。
名古屋城検定名誉顧問に叙任され、検定過去最高得点を叩き出す。日本城郭検定にも挑戦し合格。
日ノ本が誇る歴史文化をより多くの者に伝えるべく、此度から城びとでの連載を始める次第。

題して
 
前田慶次の自腹でお城めぐり、犬山城

【前田慶次の自腹でお城めぐり】

他の連載と何が違うのか!?

・現世に生きる戦国武将自らが感じたことを紹介!
・傾奇者による城郭魅力度数値化!
・城巡りの手引書(案内)となる!
・地域の特色を織り交ぜ、観光が楽しくなる!
・イケメン(前田慶次)が見れる!
・要点を抑えた紹介!
・兎に角分かりやすい!

全国の城に直接己が足で出向き、城の見方、歴史を伝え、其の城の傾き所(見所)や天守閣、男前田度(イケメン)を前田慶次の独断で評価する。
歴史初心者から玄人まで楽しめる、国宝連載となっておる。

ただ城を巡るのではなく! 儂の金子(金)で城に登城する。つまり限られた金子で巡る
旅の道中劇にも注目してもらいたい!!
また巡り方については、王道の道順を歩む故に参考にすると良い。


凸小牧山城 ~石垣が残る山城~

第四回は小牧山城!
先ずは、城郭の魅力度を数値化致した。
 
小牧山城、数値

尾張国は愛知県を代表とする山城にして天下人(織田・豊臣・徳川)が関わる城。
美濃攻めの拠点として築城された小牧山城は、先駆けて石を用いた城郭として全国的にも有名。

また、「小牧長久手の戦い」の舞台ともなり歴史的に外せぬ点は、戦国時代の後江戸時代においても尾張徳川家が保護し一般の入山を禁ずるという特別待遇! 「石垣・土塁・堀」「歴史的重要性」が高い結果となり申した。

注目される小牧山城について余すことなく伝えるぞ!!最後迄ご覧あれ。


小牧山城

【基本情報】

城郭構造:平山城
主な築城者:織田信長様
築城年:一五六三年
指定文化財:国の史跡

【歴史】

小牧山城築城以前は、寺院(間々観音)が建立していたそうじゃ。
一五六〇年桶狭間の戦いにて織田信長様が今川義元様を打ち破る。後の徳川家康様と清州同盟を結び、東側の守りを固め美濃国への侵攻を進める。
美濃攻略の拠点として築城したのが小牧山城である

清州から地の利を得た小牧山へ拠点を移し、美濃を攻略する。
そして、信長様は岐阜城へ移り住んだ故に小牧山城は廃城となり申す。
美濃攻略までの約四年使用したと言われる。
されど、小牧長久手の戦いで再び歴史の表舞台に小牧山城は出現し徳川の勝利を担った。
此の時の活躍に「家康公の天下を取るは大坂に非ずして関ケ原にあり。関ケ原に非ずして小牧にあり」と称された。

江戸時代となり、尾張徳川家が領地を拝領し一般の者の入山が禁じられた
小牧の町は整備され立派な城下町を築き上げ、一九二七年(昭和二年)国の史跡に指定される。
二〇一七年には続日本100名城(149番)に選定。

信長様が美濃攻略の足掛かりにし天下人徳川様の勝利の決め手となった重要な拠点
小牧山城へいざ、出陣!!
おうーーーーーーーーー!!!!

前々回前回のあらすじ
足軽陣笠隊踊舞を従えて小牧山城へ向かう慶次。道中は小牧宿(城下町)について学び着陣。
歴史的貴重な資料と共に天守閣を楽しむ一行。
今回は下城の最中に新たな出会いが待っているのであった。

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【下城】

下城開始!(標高85.9メートル)
天守閣を後にし、来た道から帰るのではなく別の道から下城を試みる!
城郭は大(正面)と搦手(裏)が基本的に存在しており、其々の道を巡れば城の構造を理解し何処から攻めると良いか。
己が攻め手の気持ちとなって城郭を巡ってみるのが楽しみ方の一つである。
小牧山城は寄り道のし甲斐がある大きな城であるぞ! 

小牧山城、天守閣裏

【石垣の裏込め石】

天守閣裏手には積み上げられた石材が多くある。
此れは石垣の裏込め石と申して発掘調査で出土したものを目にすることができる。
手前にある大き目の石は「石積み」で奥にある細々とした石が「裏込め石」となる。
「裏込め石」は排水を円滑に行い石垣が崩れるのを防ぐ役割があり申す。
表には見えぬが、此れが無くば石垣は成立せぬ重要な石なのじゃ。
          
小牧山城、石垣

【小牧山城石垣】

戦国期の城から石垣が登場するが、どこの城が最初に使用し始めたか
此れは現世で大きく取り上げられる題目である。

小牧山城は山頂部に巨石、石垣が見られていたが、いつの時代のものか分からずにいた。
近年の発掘調査により此れは信長様時代に築城されたものと判明した。
基本構造は二段積みで、一気に高く積み上げる技術が未だ無く。
「犬走(いぬばしり)」を用いた石垣技術が見られる。

「犬走」手前に石垣を積み空間を空けて後方に石垣を積む。つまり、その空いた空間部分が犬走となる。
小牧山城は高さを築く限界をこの「犬走」を使用して視覚的に高く見せた!

 小牧山城、矢穴

【矢穴】

巨石もある小牧山城には矢穴を発見することができる。
「矢穴」とは巨石をそのまま運ぶのは、現世の自動車なるものが無い我等にとっては難儀な働きとなる。
運びやすくする為に「矢」と呼ばれる工具を使い石を割る。その時にできる穴を「矢穴」と申す。
つまり元々はもっと大きな石であったし、それらを駆使して石垣を積んだのは城郭歴史においても大きな意味があると言えよう。

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 小牧山城、堀切

【遺構】

堀切跡のようなものが御座った! 山城として多用される造りである。
 
小牧山城

【小牧山城からの景色】

山城ならではの楽しみ方の一つが景観と言える。山頂では写し絵を撮るのが良い。
敵国である美濃国を視察することができる。稲葉山城攻略の為に築いた城故に、此の楽しみ方は外せぬな!

小牧山城、搦手口
 

【搦手口】

あっという間に着陣。凡そ15分ばかしか? 整備もされる小牧山城は登山にも良いぞ。
して、此れで終いに非ず!
前田慶次は寄り道をするぞーーーー!
 
小牧山城、地層

【地層】

小牧山城麓をぐるぐる回ると土層を発見!
発掘調査によって土塁の土層がいつの時代のものか見れる。 

小牧山城、地層

【土層】

目視できる程に土層の色が変化しており、それぞれ解説が細かくされる。
小牧長久手の戦いの折に徳川が城を改修したのは有名であるが、急造であったことが断面層から伺える。
それ程までに秀吉様対家康様の戦は緊迫した雰囲気であったことが分かる。

 小牧山城、井戸

【城と言えば井戸】

籠城の備えから常の生活全てで必定とされる井戸も麓に備わっておる。
小牧山城の井戸は土塁の下から発見され、井戸は素掘りで
直径2メートル深さ3.2メートルで井戸枠も発見された。上部構造は発掘調査で分からぬ故に、同時代の絵図を元に推定復元致したものとなる。

 小牧山城、武家屋敷

【信長様の屋敷】

小牧山城は多く曲輪が存在する。その中でも最も広い面積を持つのが信長様の屋敷跡とされるこちら。
麓は武家屋敷が立ち並んだ為、広大な平地となっておるが
城の麓に武家屋敷を並べるのは岐阜城に先駆けるもので注目される曲輪である!

 れきしるこまき

【れきしるこまき】

現世の小牧山城の見所の一つが「れきしるこまき」小牧山城史跡情報館である!
小牧山を取り巻く歴史を模型なる玩具であったり映像を駆使して分かり易く紹介する施設!
では、早速中へ出陣!!!
 
小牧山城、れきしるこまき

城郭の基本知識も学べ申す!
 
小牧山城、れきしるこまき

【続日本100名城】

指定される案内版。歴史的に重要な城郭を示す! 

小牧山城、模型

【小牧山城の模型】

当時の模型である。此れは見事な再現度であるな。
「犬走」も築城されており上から見下ろすのも良いが、下から煽って見ると城攻めの緊張感が伝わると思うぞ。
 
小牧山城、模型

どうじゃ? 石垣が高く見えるじゃろ?
 
小牧山城、模型

全体図はこんな具合ぞ。

して、現世の技術を駆使して学べる歴史資料がこちら!
どれも遊び心が豊富で童達が楽しめるようになっておる!
 
小牧山城、れきしるこまき

徳川様所縁の城を踏むと解説が出てくる!
 
小牧山城、れきしるこまき

襖から立体的な動く絵が…。
斯様な襖が我等の時代にあったらば、奪い合いが起きて一国以上の価値が付けられたであろう。
 
小牧山城、れきしるこまき

此れは戦国武将、勢力図学ぶ事ができる絡繰り。
 
小牧山城、れきしるこまき

石垣の物の怪が石垣について図案を提示しながら解説してくれる。
不思議な物の怪が現世にはおるのじゃな。
石垣が話し出したら、我等石垣造りはしなかったな…。 

小牧山城、れきしるこまき

体験の箱もある。
石垣の組み立て方を体験! 一度で組み立てたぞ!
流石儂!
 
小牧山城、れきしるこまき

【れきしるこまき】

随分と楽しまさせてもらった。こうして多くの者が歴史に興味を持ち、楽しんでくれる事を願う!

我等は此れにて下城。

となるが此処からは!

【前田慶次の寄り道】

 
小牧山城、間々観音

【間々観音】

日本で唯一の授乳観音!
小牧山城裏手直ぐ近くに間々観音という寺があり申す。
ある意味で全国的に有名で御座って日本唯一の乳寺なんじゃ。
故に女子の参拝者が多くおり申す。
 
小牧山城、間々観音

見ての通りあらゆるものが乳型となっておる!
 
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参拝致して参る!
 
小牧山城、間々観音

僅かな金子を投じる。
 
小牧山城、間々観音

寺社を巡るのも良いぞ。城郭は寺社の建築文化に大きく影響を受けておる故共通項を見いだせるぞ。
こちらも実に立派な「懸魚」である!
神の力で運気が10上がった前田慶次は…腹が減った!!

陣笠隊踊舞もおる故に傾奇者たる派手な金使いを見せてやろうぞ!
 
PREMA

【PREMA】

パン屋なる飯屋が小牧駅近くにあり
良い香りに誘われてこの飯屋に着陣。
 
PREMA

丁寧に陳列されたパンの数々。
此処で【パンの歴史】を少し。

パンがいつ登場したか知っておるか?
意外と知られておらぬがある有名なものと一緒に日ノ本に持ち込まれた。それは「鉄砲」である。
鉄砲伝来と共に伝えられた。
日ノ本でもパン造りが始まったが、キリスト教が禁じられてからは長崎を中心に細々と作られ続け今に繋がる。
現世のパンは種類も多く様々な食材を織り交ぜ栄養価についても考えられており興味深い。

 PREMA

PREMA
 
武士の我等にとってはどれも新鮮。
品定め悩む…。
迷うなら全部買う!此れが傾奇者の信念!

 PREMA

ドドン!!此れ全部食うぞ!!!
 
小牧山城、寄り道

慶次「踊舞よ。此度の働きぶり天晴であった!
故に褒美をやろう。受け取れー!」
踊舞「有難き幸せー。」

美味しものは皆で共有すればもっと美味い!!
 
PREMA

ガブウ。
 
PREMA

モヒモヒ。

 PREMA

美味い!!

 PREMA

主も食うか?此れ美味いぞ!!

 PREMA

黙々と食いよる…流石足軽…。
【主君≦飯】
此れが戦国を生きた人間であるぞ! ワッハハハハハハハ。

然し乍ら、此度は足軽陣笠隊踊舞が見事な案内を致した。
パンという珍妙な飯が食えて此奴も満足そうじゃ。

【小牧山城振り返り】

名古屋駅よりちと離れた所にある、小牧山城は現在桜の花見を中心とした地元民で賑わう城郭。
大変に嬉しく思うが、歴史的にも熱い城である事再認識してもらいたい。

小牧山城は信長様の築城術が発揮された城郭史において外す事が出来ぬ城。
山頂石垣が最も注目されるが、麓に築いた武家屋敷の数々、
大手道の真っ直ぐな造り方といった信長様が後に完成させる城郭の基盤を見ることができる。

また、徳川時代となり戦の為に改修された小牧山城の姿は、戦として必定とされる堀、土塁の備え方を始め、大手道の改修に注目してもらいたい。
現世の技術を用いて童にも分かり易く、面白味の要素を取り入れ懇切丁寧に歴史を伝える施設が備わり、郷土の歴史を大切にする日ノ本の心を見た。

戦国時代の流れを始め城郭史を学ぶのに最適とも言える小牧山城は、戦国の匂いが確かに残る名城と言える。
是非、皆にも足を運んでもらいたい。山城故に動きやすい格好で運動がてら如何であろうか?
 
小牧山城

【残金】

さて。問題の残金であるが701円。
ワッハハハハハハ
パンを買いすぎたな!!!

残りの金子で何処の城へ向かうか。要注目であるぞ!次回も見逃すでない!

以上

名古屋おもてなし武将隊
天下御免ノ傾奇者 名古屋城検定名誉顧問 城びと連載人
前田慶次郎利益

小牧山城・小牧市歴史館・れきしこるまきの基本情報

<住所>
愛知県小牧市堀の内一丁目1番地(小牧山城・小牧市歴史館)
愛知県小牧市堀の内一丁目2番地(れきしるこまき)
<開館時間>
散策自由。
9:00~16:30 ※入館は16:15まで(小牧市歴史館(模擬天守閣))
9:00~17:00 ※入館は16:30まで(れきしるこまき)
<休館日>
年中無休(小牧山城)
第3木曜日(祝日の場合は翌平日)・年末年始(12月29日~1月3日)休館(小牧市歴史館・れきしるこまき)
<入場料>
大人100円 中学生以下無料(小牧市歴史館・れきしるこまき 2館共通)
<アクセス>
名鉄小牧駅から徒歩20分。または名鉄バス「岩倉駅行(小牧市役所前経由)」などで約10分、「小牧市役所前」下車すぐ

凸伝令


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執筆・写真/前田慶次(名古屋おもてなし武将隊)