NHK「日本最強の城」が新趣向!7月31日(月)放送の第2回「瀬戸内海 城ツアー」最強のお城は!?

NHKの人気お城紹介番組「あなたも絶対行きたくなる!日本最強の城スペシャル」。これまで14回放送されてきましたが、2023年6月26日(月)から趣向を変えて、一つのテーマに絞り、番組がピックアップしたお城を紹介、番組終了後に視聴者が「最強の城」を投票する形式になりました。新しい形になって2回目となる今回のテーマ「瀬戸内海 城ツアー」で紹介された、今治城(愛媛県今治市)、能島城・甘崎城(愛媛県今治市)、福山城(広島県福山市)の4城をご紹介します。 ※6月27日初掲。9月4日 第2回最強の城を追記

「あなたも絶対行きたくなる!日本最強の城スペシャル」って?

2018年6月の第1弾から年に2回のペースで、これまで合計14回オンエアされてきたNHKの「あなたも絶対行きたくなる!日本「最強の城」スペシャル」。全国に3万以上あるというお城の中から城好きの方にアンケート調査を実施。行って楽しいおすすめのお城を、美しい映像や熱いトークで紹介する番組です。恵俊彰さんと赤木野々花さんをMCに、お城好きの著名人ゲストが「最も魅力的で行ってみたい」最強の城を決定してきました。

▼第1弾~第14弾の内容は、こちらの記事にまとめてあります!

2023年6月26日(月)放送から、一つのテーマでいくつかのお城を紹介、番組終了後に紹介されたお城の中から視聴者が「最強の城」と思われるお城に投票し、「そのテーマの最強の城」を決める形になりました! 

【第1回テーマ「日本最強の城」過去放送内容はこちらをクリック!】


第2回「瀬戸内海 城ツアー」で紹介されたお城は?

2023年7月31日(月)にオンエアされた第2回のテーマは「瀬戸内海 城ツアー」! 番組では、今治城(愛媛県今治市)、能島城・甘崎城(愛媛県今治市)、福山城(広島県福山市)が紹介されました。
番組終了後、視聴者投票で「最強の城」に選ばれたのは「福山城」でした!

築城名人・藤堂高虎が手がけた日本屈指の海城・今治城(愛媛県今治市)

今治城
かんちゃんさんご投稿画像

関ヶ原の戦いでの戦功で伊予半国20万石を得た藤堂高虎が、瀬戸内海に面した海岸に築いた今治城(愛媛県今治市)。高松城(香川県高松市)と中津城(大分県中津市)と並び、日本三大水城に数えられています。ほとんどの建造物が明治維新後に取り壊され、現在見られる天守は昭和55年(1980)に建てられた模擬天守です。

藤堂高虎といえば築城名人として知られていますが、海水が引かれた広大な堀や、城内の港として国内最大級の船入を備えるなど、今治城はその面目躍如というべき日本屈指の海城です。

番組では「海」が感じられるポイントとして、幅約50mの水堀の水面に映る「逆さ今治城」の美しさや、漆黒の鉄板に覆われている鉄御門(くろがねごもん)、高さ約10mの石垣を紹介。周囲の島々から運ばれた石の中には、イシマテガイが住んでいた穴が残っていたり、蠣のカラがついていたりするものも。そのほか、アプリを使って天守の上から昔の景色を見る楽しみにも触れられていました。

お城好き気象予報士の久保井朝美さんは瀬戸内海が霧が出やすいことに触れ、朝霧の中、朝日が差し込んでほんのりオレンジ色に染まる幻想的な今治城の姿を絶賛。

▼藤堂高虎が築いた城について詳しく知りたい人はこちらの記事もチェック

村上海賊が拠点とした鉄壁の海城!能島城甘崎城(愛媛県今治市)

能島城
能島城(トクさんご投稿画像)

甘崎城
甘崎城(ぴーかるさんご投稿画像)

中世の瀬戸内海航路を支配した“日本最大の海賊”こと村上海賊は、活動拠点として芸予諸島に海城群を築きました。その中でも代表的なのが、能島村上家の拠点として能島と鯛崎島に築かれた能島城。対岸に「水場」と呼ばれる海城に水や物資を供給する場を持ち、海上活動の拠点だけでなく生活の場としても利用されていました。
番組では、激しい渦潮による強固な守りを紹介。

甘崎城もまた村上海賊が築いた海城です。その経歴として注目すべきは、関ヶ原の戦い後に今治城へ入城した藤堂高虎が甘崎城を支城とし、総石垣の城に改修したこと。つまり、海上に浮かぶ近世郭へと変貌したのです! 
番組では、甘崎城へは4月~8月の干潮時、出現した海底を歩いて渡ることを紹介。同様に、引き潮時に石垣が出現することなどが取り上げられました。
村上海賊は、「海賊」という響きから想像される無法集団ではなく、瀬戸内海の水先案内兼海上警護を担っていたそうです。

▼能島城と甘崎城について詳しく知りたい人はこちらの記事もチェック

瀬戸内海をおさえる広大なお城・福山城(広島県福山市)

福山城
さんご投稿画像

江戸幕府の譜代大名・水野勝成が元和8年(1622)に築いた福山城。戦争による空襲で天守が焼失したものの、市民や企業から寄付金を集めて再建。築城400年を迎えた令和4年(2022)に“令和の大普請”と呼ばれるリニューアル工事を終え天守北側外壁の鉄板張りが復元されました。福山城が江戸幕府にとって西国鎮護の重要拠点だったため、鉄板張りにしたそうです。

番組では、福山城の広大さとともに、立地の重要性について解説。瀬戸内海の潮の満ち引きの関係で、運航する船は必ず福山城にとどまらなければなりませんでした。その結果、福山城がどんどん栄えたそうです。

▼令和の大普請でリニューアルした福山城について詳しく知りたい人はこちらの記事もチェック

以上、紹介された中から視聴者が選ぶのはどこのお城なのでしょうか?!

<放送情報>
日本最強の城▼瀬戸内海 城ツアー▼ あなたも絶対行きたくなる!魅力あふれる城
NHK総合 2023年7月31日(月)22:00~22:45
司会:恵俊彰、赤木野々花アナウンサー
出演:高橋英樹、村井美樹、久保井朝美、千田嘉博

【「日本最強の城」過去放送内容】

第1回 6月26日(月)に紹介された城下町&「最強の城」は?

今回のテーマは「城下町が魅力の名城」! 番組では、金沢城(石川県)、萩城(山口県)、川越城(埼玉県)の3城が紹介されました。
番組終了後、視聴者投票で「最強の城」に選ばれたのは「萩城下町」でした!

加賀100万石前田家の美意識が詰まった金沢城下町(石川県金沢市)

金沢城
刑部さんご投稿画像

賤ヶ岳合戦後、前田利家が入城して以来、明治維新まで前田家が加賀藩を治めました。約300年もの治世のおかげで、金沢城下町も大きく発展、優雅かつ絢爛豪華な文化が花開きます。
その風情は今も健在、特に江戸時代から続くひがし茶屋街、にし茶屋街、主計町茶屋街の3つの茶屋町は、一歩足を踏み入れればたちまちタイムスリップしたかのごとく錯覚するほどノスタルジック。着物をレンタルしてそぞろ歩きをするだけでも楽しい! かつて加賀藩士たちが住んでいた長町武家屋敷跡にもぜひ足を運びたいですね。

番組では、前田家の文化や芸術に対する意識の高さが随所にみられる点に注目。金沢城のなまこ壁や、違う色や形の石を組み合わせた石垣、時が経つほどに白く輝く鉛瓦の屋根、玉泉院丸庭園などによく表れています。特に兼六園にある成巽閣(せいそんかく)では、ギヤマンがはめ込まれた部屋や、ヨーロッパから取り寄せた青の顔料をふんだんに使用した群青の間など、前田家の美意識に触れることができます。スタジオトークでは、前田家が幕府に敵視されるのを防ぐため、軍事ではなく文化的美的に振り切って積極的にお金を使ったと紹介。

▼金沢城について知りたい方は、こちらの記事もチェック

「バリバリ軍事施設」萩城とともに築かれた萩城下町(山口県萩市)

萩城
朝田 辰兵衛さんご投稿画像

関ヶ原の戦いで敗れ大幅に石高を減らされた毛利輝元が移封、築城して以来、260年近く毛利家の居城となった萩城。天災や戦災等を免れたため、往時の姿をよくとどめています。
武家屋敷が連なる江戸屋横町や、白壁となまこ壁で有名な菊屋横町などの町並みが有名で、そこかしこで見られる夏みかんは、小幡高政(おばたたかまさ)が明治初期に生活苦に陥った士族を助けるため、空き地となった武家屋敷に積極的に栽培したのが始まり。
萩城下町は、世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼,造船,石炭産業」の構成資産)に含まれています。

番組では、ゲストの山本 博さんが「バリバリ軍事施設」と称するほどの萩城および萩城下町の強固な防御性を紹介。2本の川に挟まれた三角州に位置し、高い山と日本海に囲まれた萩城と城下町は一大要塞でした。幅76mもの石段や山頂や日本海に面した箇所までがっちりと石垣が築かれています。城下町も左右を高い土塀で囲み、直角に折れ曲がった道筋、鍵曲(かいまがり)のせいで迷路のようになっていること、土塀の中に瓦を埋め込んで補強していることなどが紹介されました。
また、幕末志士たちのふるさとということで、高杉晋作の生家や松下村塾なども見逃せないポイントとして挙げられました。

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「江戸の台所」と称された要衝の地・川越城下町(埼玉県川越市)

川越城
ニコ・ロビンさんご投稿画像

江戸の北方に位置する要衝の地として、酒井重忠が初代藩主を務めて以来、老中や大老などの重臣が入って統治していた川越藩。新河岸川の大改修に代表されるように水路陸路が整えられ、「江戸の台所」と呼ばれるほど物流の拠点としても大いに栄えました。
江戸の面影を残す町並みは「小江戸」と名高く、多く残る大正時代の建物とあいまって、城下町にはノスタルジックな雰囲気が漂います。元「江戸の台所」にふさわしく、江戸時代からの特産品さつまいものスイーツやグルメが楽しめます。

番組では、軍事面でも食の面でも江戸を支えた点を紹介。日本で川越城と高知城にしか残っていない本丸御殿は必見。これだけ貴重な建築物ですが、戦後まもないころ屋内運動場として使用されていたため天井にバレーボール跡があることがスタジオトークで披露されました。また、千田先生からは「喜多院には、なんと移築された江戸城がある」と驚きのレクチャーが! 川越大師喜多院客殿(きゃくでん)は、江戸城の御殿の一部が移築されたものだそうです。いかに川越城が江戸にとって重要であったのかが分かるエピソードですね。

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執筆/城びと編集部

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